日本酒がどのようにして造られているか、ご存知でしょうか。今回は、日本酒の醸造工程について、図を使いながらざっくりとわかりやすく紹介します。イラストのダウンロードも可能ですので、ぜひご利用ください。
日本酒の造り方をざっくりと図解!
さらに詳しく知りたい人へ!
それぞれの工程がどんなものか、さらに詳しく紹介していきましょう。
精米
精米の工程では、原料米の酒造りに不要な部分を削ります。
米の外側にある脂質やタンパク質などの栄養素は、日本酒の雑味を生み出す要因になるといわれています。ここでいう"雑味"は、決して悪いものとは言い切れません。精米歩合の数字が小さい、つまり、よりたくさん削られた米を使うことで、華やかな香りをもつスッキリとした味わいになるとされています。
洗米・浸漬
洗米とは、精米した米の表面に残っている糠などを洗い流す作業です。精米と洗米の間には、枯らしと呼ばれる、精米によって熱を帯びた米の品温を下げて水分の含有率を整えるために、冷暗所で2〜3週間保管する作業が行なわれます。
また洗米後には、必要な水分を米に吸収させる、浸漬という工程があります。
蒸し
「甑(こしき)」と呼ばれる大きな釜のようなもので、米を蒸します。炊くのではなく蒸すことで、麹菌の繁殖しやすい水分量を実現することができるのです。
製麹(せいぎく)
製麹とは、麹室(こうじむろ)という専用の部屋で、米に麹菌を繁殖させることをいいます。引き込み、種切り(たねきり)、床もみ、切り返し、盛り、仲仕事、仕舞仕事(しまいしごと)、出麹(でこうじ)など、さらに細かい工程に分かれています。
酒母造り
アルコール発酵に必要な酵母を培養するため必要な日本酒のもと・酒母を造ります。酒母のことを、酛(もと)と呼ぶ場合もあります。
醪造り(仕込み)
酒母・蒸米・麹米・仕込み水をひとつのタンクに投入し、醪(もろみ)を造ります。蒸米・麹米・仕込み水の投入を3回に分けて行なう、三段仕込みと呼ばれる方法が一般的です。およそ1ヶ月かけて、アルコール発酵を進めます。
搾り
搾りは、醪を酒と酒粕に分ける工程です。上槽(じょうそう)ともいいます。
貯蔵
酒の中に残った滓(おり・米や麹などの細かな固形物)の除去や、アルコール度数を調整するための加水、酵母の活動を止めるための火入れなど、さまざまな調整を行ない、瓶詰めし出荷されるまでの間、貯蔵します。
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(イラスト・文/古川理恵)