新潟駅から徒歩で約15分の場所にある今代司酒造。創業1767年という伝統をもつ、歴史のある蔵です。『むすぶ』をコンセプトに、地方や都市、そして人を『むすぶ』酒蔵を目指して、酒造りを続けています。
そんな今代司酒造は、それまで売店スペースとして利用していた蔵の一部を、2018年3月に「日本酒ブティック」としてリニューアルオープンしました。今回は、充実した酒蔵見学の情報と併せて、その様子をお伝えします。
今代司の酒蔵見学は、無料&予約不要!
「日本酒ブティック」は、酒蔵の中に入ってすぐの場所にあります。広々とした直売コーナーには、今代司酒造のお酒がきれいいにディスプレイされていました。
今代司の魅力は、なんといっても、充実した酒蔵見学。参加費は無料で、かつ、少人数であれば予約不要というのは、観光客にとってうれしいですね。
酒蔵見学では、実際に作業をしている現場に入って、スタッフから酒造りに関する説明を受けることができます。
見学コースのはじめには、玄米と精米後の米が展示されていました。1本のお酒に、どれくらいの量の米が使われているのか、わかるようになっています。
実際に酒造りをしている現場に潜入しました。
仕込みはすべて、温度調節機能のついているサーマルタンクで行なっているそうです。
しかし、昔ながらの製法や酒造りの基本を学ぶために、新人は毎年必ず、木桶を使った仕込みに挑戦するのだそう。ちなみに、この木桶は、大阪府の職人が奈良県の吉野杉で作った、とても貴重なものです。
醪を清酒と酒粕に分ける「上槽」の工程で使われる"ヤブタ"という機械も見学することができました。
昔の酒燗器やお猪口など、歴史を感じるさまざまなアイテムが展示されています。
無料のツアーですが、酒造りに関する話をたっぷりと聞くことができるだけでなく、実際の現場を見学することができるため、とても満足度が高いです。さらに、すべて英語で説明してくれる回もあり、外国人の観光客も安心ですね。
快適なテイスティングスペースで、日本酒を堪能
見学が終わると、お待ちかねの試飲です。
今代司酒造は2006年から、すべてのお酒を純米酒規格にしました。これは、新潟県内の酒蔵では、初めての試みです。仕込みに使う水は、名水地として有名な菅名岳の伏流水。強いこだわりが込められたお酒を、じっくりと味わいましょう。
ツアーに含まれるのは、2種類の試飲。追加料金(500円)で升を購入すれば、全種類を好きなだけ飲むことができます。
世界的なデザイン賞を受賞して話題になった「錦鯉」など、プレミアムなお酒も含まれているので、お得感がありました。
『むすぶ』という理念を体現した「おむすび」は、おむすびのような可愛らしいデザインと、合わせる食事を選ばない味わいで、地元で大人気の一品。もちろん、こちらも試飲することができます。
今後、新潟県の魅力を発信する拠点として、イベントやワークショップもやっていきたいと考えているそうです。話題性が高く、首都圏で見かけることも多いため、大きな蔵というイメージをもっている人もいるかもしれませんが、実際の製造量は550石という小さな蔵。規模は小さいですが、今代司酒造を訪れた人は大きな満足感を得ることができるでしょう。
アクセス抜群で、充実した見学ツアーが楽しめる今代司酒造。新潟県を観光する際は、ぜひ、訪ねてみてください。
(取材・文/まゆみ)
◎酒蔵情報
- 社名:今代司酒造株式会社
- 住所:新潟県新潟市中央区鏡が岡1-1
- TEL:025-245-3231
- 営業時間:9:00~17:00
※見学ツアーは12:00からを除いて、1時間ごと。最終は16:00。英語対応のツアーは要予約。