日本酒は飲む以外にも様々な楽しみ方があります。酒蔵見学もそのひとつ。

そこで今回は、長期休暇中に帰省や旅行で遠出をする方、週末にちょっと足を伸ばすのが好きな方に向けて、蔵見学などの観光に力を入れている酒蔵や地域をピックアップしました。ぜひ、参考にしてみてください。

※ 本記事の情報は掲載当時のものになります。最新の情報は公式サイトなどをご確認ください。

歴史ある赤レンガの蔵は一見の価値あり!/小林酒造(北海道)

小林酒造の外観

札幌市内から高速バスに乗って、およそ1時間。人口が約1万2000人という小さな町・栗山町にあるのが、創業1878年の老舗酒蔵・小林酒造。最大の特徴は、明治・大正建築の象徴とも言うべき、赤レンガでできた和洋折衷の蔵です。

敷地内には、札幌軟石を使った石造りの建物がたくさんあり、18棟あるうちの9棟が、国の重要有形文化財に指定されています。これらの建物は観光施設として活用され、レストランやショップ、資料館として、多くの観光客を楽しませています。

◎酒蔵情報

  • 名称:小林酒造株式会社
  • 住所:北海道夕張郡栗山町錦3-109
  • 営業時間:10:00〜17:00
  • TEL:0123-72-1001
  • 参加費:無料
  • 申し込み:蔵内部の見学は10人以上の団体のみ可能。5日前までに要予約
  • 試飲:有
  • 販売店:有

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年間5万人が訪問する充実の酒蔵見学/飯沼本家(千葉県)

飯沼本家の門構え

およそ300年の歴史をもつ、千葉県酒々井市の飯沼本家。国内外の観光客に向けた「酒蔵ツーリズム」を積極的に展開していることで注目されています。

飯沼本家の蔵見学は、現役の蔵人による案内・説明が魅力です。日本酒の基礎知識を教えてくれるセミナーや、きき酒のコーナーもあり、とても充実しています。

また、蔵の敷地内に併設されている、レストラン・おみやげ屋・ギャラリーがひとつになった「酒々井まがり家」や、蔵からほど近い場所にある「酒々井プレミアムアウトレット」「酒々井温泉 湯楽(ゆら)の里」など、楽しい施設が豊富なことも特徴です。

◎酒蔵情報

  • 名称:株式会社飯沼本家
  • 住所:千葉県印旛郡酒々井町馬橋106
  • 営業時間:1日1回 13:30〜
  • TEL:043-496-1001
  • 参加費:個人(10名以下) 500円 / 団体(10名以上) 300円
    ※いずれも2勺のぐい呑み付
  • 申し込み:3営業日前までの事前予約必須 ※当日予約不可
  • 予約方法:電話、メール(kinoeneclub@iinumahonke.co.jp)
  • 試飲:有
  • 販売店:有

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都心からのアクセス抜群。手ぶらでBBQも!/小澤酒造(東京都)

小澤酒造が経営するバーベキュー場「煉瓦堂朱とんぼ」

東京都の奥多摩に蔵を構える「澤乃井」の醸造元・小澤酒造。新宿から電車で1時間40分という、抜群のアクセスが魅力的です。きき酒の付いた蔵見学は、参加人数に合わせて、1日最大4回まで開催されます。一般のお客さんも無料で参加することができ、1人での申し込みも可能です。

また、徒歩10分ほどの場所には、同蔵が経営するバーベキュー場「煉瓦堂朱とんぼ」があるため、事前に予約をすれば、手ぶらでバーベキューを楽しむことができます。

◎酒蔵情報

  • 名称:小澤酒造株式会社
  • 住所:東京都青梅市沢井2-770
  • 営業時間:11:00〜/13:00〜/14:00〜/15:00〜
  • TEL:0428-78-8210
  • 参加費:無料
  • 申し込み:定員40名。10名以上の団体は要相談
  • 予約方法:WEB、電話、店頭にて受付
  • 試飲:有 ※団体の場合、無料試飲はありません。
  • 販売店:有

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"デザイン"で地域を表現する注目の酒蔵/今代司酒造(新潟県)

今代司の蔵内部

今代司酒造があるのは、新潟駅から徒歩15分ほどの場所。創業1767年という長い歴史をもつ酒蔵で、"淡麗辛口"のお酒が多い新潟県では珍しく、全量純米酒の造りに取り組んでいます。

その特徴は、なんといってもその洗練されたデザイン。国際的なデザイン賞を受賞した銘柄「錦鯉」をはじめ、酒蔵そのものがスタイリッシュな空間になっていて、伝統的なイメージを大切にしながらもモダンな雰囲気が醸し出されています。無料で楽しめる酒蔵見学は、観光にぴったりです。

◎酒蔵情報

  • 名称:今代司酒造株式会社
  • 住所:新潟県新潟市中央区鏡が岡1-1
  • 見学時間:9:00〜/10:00〜/11:00〜/13:00〜/14:00〜/15:00〜/16:00〜(1日7回、12:00〜は休み)
  • TEL:025-245-3231
  • 参加費:無料
  • 申し込み:1名から見学可能/定員40名様
  • 予約:予約推奨(当日でも予約可能)
  • 予約方法:応募フォーム、電話(営業日の9:00~17:00)、FAX(025-245-3233)
  • 試飲:有
  • 販売店:有

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海外からも大注目!1日で7つの酒蔵を飲み歩く/岐阜県・飛騨高山

飛騨高山の酒蔵

近年、ヨーロッパをはじめ、海外から多くの観光客が訪れるようになった岐阜県の飛騨高山。エリア内には、歩いて回ることができるほど密集した7つの酒蔵があり、風情が残る古い町並みを歩きながら、日本酒を楽しむことができます。

また、飛騨牛や朴葉味噌(ほおばみそ)などのグルメも大人気。海外からの注目度が高いのも、うなずけます。

銘醸地で感じる、日本酒の文化と歴史/月桂冠(京都府)

大倉記念館の外観

日本有数の銘醸地として知られる京都府・伏見に蔵を構える大手酒造メーカーの月桂冠。1637年(寛永14年)に創業した月桂冠は、酒造りに科学技術を導入したパイオニア的存在です。樽詰めされた清酒が全盛の時代に、防腐剤を使わない瓶詰めの商品を発売するなど、日本酒業界を牽引してきました。

月桂冠のシンボルである「月桂冠大倉記念館」は、かつての酒蔵を改装した博物館。伝統的な酒造りや当時用いられていた道具などが紹介されています。展示物のなかには、京都市の有形民俗文化財に登録されている貴重なものもあります。創業当時の商標デザインや明治・大正時代の瓶、ポスターなども展示され、レトロな空気に浸ることができます。

◎酒蔵情報

  • 名称:月桂冠株式会社(月桂冠大倉記念館)
  • 住所:京都府京都市伏見区南浜町247
  • 営業時間:9:30〜16:30
  • TEL:075-623-2040
  • 参加費:300円/子供100円
  • 申し込み:15名以上、もしくは「月桂冠酒香房」の見学を希望する場合は要電話予約
  • 試飲:有
  • 販売店:有

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酒造資料館をめぐる、大人の散歩/灘五郷(兵庫県)

灘五郷のマップ

兵庫県の灘は、江戸時代から続く歴史をもつ、もっとも栄えた銘醸地のひとつ。現在でも、およそ30の酒蔵が美酒を醸しています。そのなかには「白鶴」「沢の鶴」「菊正宗」など、全国的に有名な酒蔵が多く存在し、それぞれが酒造資料館などの観光施設をもっています。

ショップも兼ね備えた酒造資料館に足を運び、日本酒の造りや歴史に関する知識を深めながら、各酒蔵のお酒を試飲する休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

◎施設情報

  • 沢の鶴資料館
  • 住所:神戸市灘区大石南町1-29-1
  • Tel:078-882-7788
  • 営業時間:10:00~16:00(水曜定休、お盆と年末年始は休館)
  • 備考:入場無料
  • 神戸酒心館
  • 住所:神戸市東灘区御影塚町1-8-17
  • Tel:078-841-1121
  • 営業時間:10:00~18:00(年末年始を除いて年中無休)
  • 備考:入場無料
  • 白鶴酒造資料館
  • 住所:神戸市東灘区住吉南町4-5-5
  • Tel:078-822-8907
  • 営業時間:9:30~16:30(お盆、年末年始を除いて年中無休)
  • 菊正宗酒造記念館
  • 住所:神戸市東灘区魚崎西町1-9-1
  • Tel:078-854-1029
  • 営業時間:9:30~16:30(年末年始を除いて年中無休)
  • 浜福鶴 吟醸工房
  • 住所:神戸市東灘区魚崎南町4-4-6
  • Tel:078-411-8339
  • 営業時間:10:00~17:00(月曜定休)
  • 備考:入場無料

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酒都・西条の酒蔵通りをぶらりと探索!/賀茂鶴酒造(広島県)

賀茂鶴の試飲スペースと資料展示

兵庫県の灘、京都府の伏見と並んで、日本三大銘醸地と称される広島県の西条。毎年25万人以上を動員する「西条酒まつり」が開催されるなど、日本酒の町として栄えています。

そんな酒都・西条は、赤い煉瓦の煙突を看板代わりにした独特な酒蔵や、白い漆喰と黒い海鼠壁のコントラストが美しい土蔵造りの酒蔵群など、観光におすすめのスポットです。

賀茂鶴酒造もそのひとつ。今年、創業100周年を迎える蔵の敷地内には、きき酒のできる見学室があり、酒造りや日本酒の文化を学ぶことができます。

◎酒蔵情報

  • 名称:賀茂鶴酒造株式会社
  • 住所:広島県東広島市西条本町4-31
  • 営業時間:9:00~16:00
  • TEL:0120-422-212
  • 参加費:無料
  • 申し込み:不要
  • 試飲:有
  • 販売店:有

おまけ:酒蔵見学を楽しむポイントを紹介!

酒蔵外観のイラスト

ほとんどの酒蔵では、冬の寒い時期にのみ、酒造りが行われます。仕込み中は、朝早くからさまざまな作業に追われるため、酒蔵見学に対応できない蔵が多いもの。一方で、夏になると蔵人が休みに入ってしまい、蔵からいなくなってしまうというケースもあります。つまり、酒蔵見学に行くおすすめのタイミングは、仕込みがひと段落した、春から初夏にかけてなんです。

こちらの記事では、そのような酒蔵見学をさらに楽しむコツを、現役蔵人の目線で紹介しています。

もちろん春以外にも、今回ご紹介した酒蔵のように、通年で観光に力を入れている所もたくさんあります。見学情報は「酒蔵情報」や蔵の公式サイトも参考にしてみてください。

(文/SAKETIMES編集部)

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