今や、小学生がなりたい職業の上位にランクインするほどの人気を誇るYouTuber。誰でも自由に配信できるとあって、さまざまなジャンルやコンテンツが存在しています。その中には、なんと日本酒を生業とする人の姿も。
今回ご紹介する日本酒YouTuber「並行複発酵(へいこうふくはっこう)」は、搾りたてのフレッシュな新酒が特徴の日本酒ブランド「MUEZ」ファウンダー/プロデューサー・上田睦紘さん(ムーさん)と、埼玉県幸手市で「豊明」「初緑」などを造る石井酒造の8代目蔵主・石井誠さん(マコさん)のふたり組。
昨年に結成し、YouTubeチャンネルを立ち上げました。現在の登録者数は2,280人(2019年10月8日現在)と、着実にファンを増やしています。
そんなふたりが満を辞してリリースしたのは、YouTube専用日本酒「酔うTube」。100名に無料でプレゼントする企画も発表されました。
「並行複発酵」とは、いったいどのような人たちなのでしょうか。そして、「酔うTube」とは。ふたりにお話を伺いました。
日本酒YouTuber「並行複発酵」とは
─ なんとも珍しい組み合わせのおふたり。なぜ、「並行複発酵」を結成したのでしょうか。
ムーさん:これまで、YouTubeは子ども向けコンテンツが多かったのですが、大人が見ても面白いコンテンツが増えてきたんです。同時に、YouTuberが持っている影響力はとても大きいと気づきました。YouTuberがコンテンツを紹介すると、それが"入り口"となり、もともとは興味がなかった視聴者でもそのコンテンツに興味を持つことがあります。
YouTuberがインフルエンサーとなって、まわりを巻き込んでいく。そんな流れが日本酒でも必要だと思い始めました。日本酒が新しい層に届いていないという実感もあったので、違ったアプローチをしたいと思ったんです。そこで、もともと知り合いだったマコちゃんに声をかけました。
マコさん:深夜1時、メッセージで急に「マコちゃん、YouTubeやろう!」って言われて。最初は意味が分からず、「どういうこと?」って感じでした(笑)。ただ、今はいろんな蔵が美味しいお酒を出しているので、自社の差別化が重要です。ほかとは違うことをしなければと常々考えていました。そんな中で、この話は単純におもしろそうだと思い、ふたつ返事でOKしました。
ムーさん:コンテンツとして日本酒を扱う上で、蔵元が相方だったらそれだけでもおもしろいじゃないですか。業界の中でも若手で、人前に出ても臆さず話せるキャラクター。そして僕の友人と考えたら、マコちゃんしか浮かびませんでした。
日本酒の蔵元がYouTuberやるらしいwww(自己紹介動画)
ムーさん:ほかのSNSやブログと違って、動画はコミュニケーションの質が深い。顔を出して話しているだけでも情報量が多いので、人間性も伝わりやすいんです。人を惹きつける上では、動画が最適なメディアだと思いました。
マコさん:YouTubeを始めてから、「都内で探しても見つからないから、直接来ました」と、蔵にお酒を買いに来てくれる人が増えたんです。試飲イベントでも"並行複醗酵のポーズ"で声をかけてくれるなど、YouTubeの影響を感じますね。
ムーさん:わかりやすいポーズを用意しておけば真似してくれると考えたんですが、狙いが完全に当たりました(笑)。
さまざまな角度から日本酒を見る
─ さまざまな切り口の動画がありますが、どのように企画を立てているのでしょうか。
ムーさん:ふたりで企画会議をするときもあれば、その場のノリで決めるものもあります(笑)。
マコさん:駄菓子の動画はその場で決めましたね。駄菓子と日本酒が意外に合うんじゃないかと思って(笑)。
日本酒に合わない駄菓子0説を検証!うまい棒、ビッグカツ、ハッピーターン、よっちゃんイカ、ポテトチップス、スーパーカップ、チロルチョコ...
ムーさん:醸造機器用品専門商社 北村商店の5代目・北村勇人さんと3人でトークする動画もその場で決めました。でも、意外とそういう動画の再生数が伸びたりするんですよ。
前編:令和時代の日本酒についてトーク!酒蔵の海外進出は難しい??
─ どのような動画がよく見られているのでしょうか。
マコさん:蔵元に好きな銘柄を聞くなどの"インタビュー系"は人気がありますね。
ムーさん:あとは、日本酒業界について語る"物申す系"もよく見られています。いろんな立場から議論が起こるような話題を取り上げることで、みんな興味を持ってくれます。これをきっかけにして、日本酒のさまざまな側面を知ってもらいたいんです。
マコさん:最近出した動画だと、街で外国人や若者にお酒を飲んでもらって感想を聞く「FreeSAKE」が人気ですね。
─ 【Free SAKE】訪日外国人に日本酒をタダで呑ませた反応がこちら
ムーさん:「FreeSAKE」は、日本酒とは別に"外国人"という軸があるので、日本酒ファン以外の人も見てくれます。日本酒という日本文化に対して、外国の方がどういう風に思っているのか。そこに興味がある人たちが見ているんです。
日本酒好きの人にとっても、外国の方が日本酒を飲んで喜んでくれるのはうれしいですよね。日本酒に興味がない人でも、「海外で人気なら飲んでみようかな」という気持ちになると思うんです。
「日本酒に出会うきっかけになってほしい」
日本酒100本視聴者プレゼント!YouTube専用日本酒「酔うTube」
─ YouTube専用日本酒「酔うTube」とは、どのような日本酒なのでしょうか。
ムーさん:コンセプトは「YouTubeを見ながら、だらだら飲める日本酒」です。ラベルは僕がデザインして、お酒は石井酒造で造ります。
マコさん:YouTubeを見ている時間に寄り添えるようなお酒を目指しています。リラックスして、ずっと飲み続けていられるお酒。酒質的には、低アルコールで味のあるお酒を造ろうとしていますが、これがなかなか難しい。蔵にとっても挑戦ですね。
ムーさん:僕らは「特定名称酒はいらない」と言い続けているし、精米歩合の競争よりも"どういうシーンで飲んでもらいたいか"を重視してお酒の提案もしてきました。「これだけ言っているだから自分たちもやらないと」と思い、YouTube専用日本酒を造ることにしたんです。
─ なぜ、プレゼント企画をやろうと思ったのでしょうか。
ムーさん:僕らの世代は、先輩に連れて行ってもらった居酒屋で、初めて日本酒の美味しさに気付くことが多かった。日本酒と出会うシーンを上の世代の人が用意してくれていたんです。しかし、そのような機会が少なくなっている今、日本酒に出会う機会も少なくなっていると感じています。そのため、僕らより若い世代が日本酒を知る機会になってくれればと思い、プレゼント企画をやることにしました。
マコさん:今は日本酒と接する機会が圧倒的に少ない時代です。これまで、酒蔵は日本酒だけ造っていればよかったけど、これからはそういう時代ではありません。日本酒に触れて、飲んで、楽しむ機会をつくること。エンターテインメントとして届けることが酒蔵の役割のひとつになっていきます。だからこそ、いろんな形で自分たちから発信していくことが大事だと思うんです。
目標は、チャンネル登録者数1万人!
─ 今後のYouTuberとしての目標を教えてください。
ムーさん:今の目標は、チャンネル登録者数1万人です。その先に目指すのは10万人。10万人にもなると、さらに影響力が大きくなると思います。誰かがイベントを開催するときも、僕らが応援することで初心者からコアなファンまで来てくれるかもしれない。YouTubeの影響力で、いろんな人が日本酒に興味を持ってくれればうれしいですね。
─ 私たちも期待しています。ありがとうございました!
インタビューが終わると、次回の動画を撮影するため、ふたりは浅草へと向かっていきました。
日本酒の魅力を多くの人に伝えるため、YouTuberという今までになかった角度から活動する「並行複発酵」。これまで日本酒とは縁遠かった人たちにとって、日本酒を知る新たなきっかけになることは間違いありません。
次回はどのような動画がアップされるのでしょうか。ぜひプレゼント企画に応募して、YouTube専用日本酒「酔うTube」を飲みながら動画を楽しんでみてくださいね。
(文/橋村望)
◎キャンペーン概要
- YouTube専用日本酒「酔うTube」×100名様プレゼント
- 応募方法:こちらのフォームから応募
- 応募条件:
・20歳以上で日本国内にお住まいの方
・並行複発酵のYouTubeチャンネルを登録していること
・並行複発酵のTwitterをフォローしていること
・指定のツイートをRTしていること - 応募期間:2019年10月18日(金) 23:59まで
- 詳細説明動画はこちら