2020年11月27日12:50ごろ、「白老(はくろう)」醸造元である愛知県・澤田酒造の蔵内から発火し、酒造りの中枢となる麹室が全焼してしまいました。麹室の中にある電気温床線(ヒーターワイヤー)のショートによる発火が原因とのことです。
同日14:00過ぎに鎮火され、幸いにも怪我人はなく、澤田酒造のスタッフ全員の無事が確認されています。
澤田酒造の被害状況と今後について
澤田酒造の蔵元・澤田薫さんに、被害状況と今後について、お伺いしました。
─ 火災の被害状況はどのようなものでしょうか。また、復旧の目処は立っていますでしょうか。
被害を受けた設備・商品は以下です。
- 麹室の全焼
- 仕込み途中の酒母 3本分(廃棄予定)
- 製麹中の麹の焼失
- 枯らし中の麹(廃棄予定)
- 仕込み蔵内への灰・煤の飛散
- 仕込み蔵内の煙の臭いの付着
皆様から沢山の応援を頂いております。
本当に本当にありがとう御座います。立ち入り禁止が解かれました。
動画に撮る必要は無いのかも知れませんが、自分の精神状態を悪化させないためにも、火災の怖さを知ってもらう為にもアップさせて頂きます。
→続く pic.twitter.com/T5NL5YB6B9— 清酒白老/白老梅/澤田酒造 (@hideaway_hakuro) November 28, 2020
貯蔵・瓶詰・出荷の設備や、昨期までに醸造したお酒、今期製造したお酒の一部(タンク7本分の新酒)は被害を免れました。ただ、お酒への煙の臭いの付着などについては、現在調査中です。
現在、仕込みの再開目途は立っていません。多くの方々にご協力いただくことになりますが、例年よりスケジュールが遅れたとしても、なんとか再開できるように進めていく所存です。
被害を免れた新酒(初しぼり、若水純米しぼりたて生酒、あばれ酵母)は、酒質の分析を重ねたうえで、問題なければ販売いたします。そのほかの新酒も製造予定です。
当面の間、新酒は一部のみの出荷になりますが、定番商品については、今後も問題なく出荷可能です。
─ 日本酒ファンに向けて、どのようなご支援が望ましいでしょうか。
義援金の募集を開始しました。口座の開設にあたって、「義侠」を醸す山忠本家酒造株式会社(愛知県)の11代目蔵元・山田昌弘様に多大なる支援をいただきました。
◎ 愛知県酒造組合 義援金受付口座
- 三菱UFJ銀行
- 笹島(ささしま)支店 支店番号:677
- 分類:普通
- 口座番号:0007008
- 口座名:愛知県酒造組合(あいちけんしゅぞうくみあい)
そのほか、有志の方々が立ち上げてくださった支援プロジェクトもあります。
金銭の支援だけでなく、商品購入の応援もうれしいです。通販サイトでの注文だけでなく、近所の酒屋さんでもご購入いただけるとありがたいです。
─ 日本酒業界の関係者に向けて、どのようなご支援が望ましいでしょうか。
罹災直後から本当に多くの方々からのご助言・ご支援をいただき、なんとか目途をつけていけそうな状況です。ありがとうございます。これからまたお力添えをいただくこともあるかと思いますが、その際は甘えさせていただければ幸いです。
─ 出荷・販売に関する予定や今後について、お聞かせください。
今期の仕込みに関しては、麹米を製造委託して進めていきます。新酒は、現場の体制が整い次第、製造を再開する予定で、2021年2~3月以降を目指しています。中期的な視点では、来期の仕込み開始までに麹室を再建したいと思っています。
澤田酒造の日本酒を飲んで応援!
こうした有事の際、酒蔵に電話が殺到するなど、善意がご負担になってしまうケースもありますので、適切な形での支援が大切です。
澤田酒造の今後の動きについては、公式ホームページやtwitterの公式アカウントを確認してください。
また、SAKETIMES編集部では、twitterのハッシュタグ「#白老を飲める店」「#白老を買える店」にて、情報提供をお待ちしております。日本酒ファン一丸となって、澤田酒造を飲んで応援しましょう。
澤田酒造の1日も早い復興をお祈りしています。
(文/SAKETIMES編集部)
「白老」取り扱い酒販店
※ 在庫に関して、酒販店に直接お問い合わせいただいてからの訪問を推奨いたします。
※ 掲載依頼はこちらよりお問い合わせください。