みなさんは「白瀧酒造」という会社をご存じですか?「上善如水(じょうぜんみずのごとし)」の酒蔵、と聞けばピンとくる方も多いかもしれませんね。

白瀧酒造の創業は今から150年ほど前。新潟県・湯沢の清流を使った酒を旅人に売り始めたのが始まりでした。途中、戦後の不景気による消費の落ち込みに見舞われながらも、水にこだわる酒造りを続けてきた白瀧酒造。

躍進のきっかけは、1990年に「上善如水」を発売したこと。“淡麗辛口ブーム”だった当時、それまでの地酒にはなかった水のようにスッキリした飲み口と、フルーティーな香りで大ブレイク。その後も食事を引き立てるクセのない味わいでファンを増やし、今ではすっかり白瀧酒造の看板商品になっています。

このブレイクの裏には、いったいどのような企業努力があったのでしょうか。そして現在は、どんなビジョンをもっているのでしょうか。その全容に迫っていきます。

白瀧酒造ってどんな酒蔵?

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白瀧酒造は日本一の米どころ、新潟県の南魚沼郡湯沢にあります。江戸時代には宿場町として栄えました。川端康成の『雪国』の舞台としても有名で、現在も温泉街として賑わっています。

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現在、およそ9000石もの生産量を誇る白瀧酒造ですが、その特徴は「新しい日本酒ファンの開拓」に蔵全体で力を入れていること。その姿勢を顕著に表しているのが、蔵の売上の7〜8割を占める基幹商品「上善如水」です。日本酒ビギナーにも受け入れられやすいスッキリとした口当たりとフルーティーな香り、そして洗練されたパッケージデザインで、若者を中心とした新規ファンを獲得してきました。

さらに2011年には「これからの海外のスタンダードは純米酒だ」と、製造する全てのお酒を純米酒に転換。9000石もの規模をもってしても、大胆な決断を下せる未来志向な白瀧酒造。「上善如水」の人気が安定してきた現在も、新しい一手を打つべく、日々探求を続けています。

主力銘柄「上善如水」の魅力

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発売当時、キリリとした“淡麗辛口”がブームとなっているなか、白ワインのように飲みやすい酒質で“スッキリ・フルーティー”を打ち出し、市場を開拓していった「上善如水」。今でこそ市民権を得てきたフルーティーな日本酒ですが、当時は“型破り”とも言える試みだったそう。一般的に15度〜16度であった日本酒のアルコール度数を、「14度以上15度未満」に抑え、飲みやすさを追求した点もヒットの要因となりました。

さらに、ラベルの商品名に「手書き」ではなく「ワープロ」の文字体を使用したのも、なんと清酒業界初の試みだったそう。最近はデザイン性の高い趣向をこらしたラベルデザインも見かけますが、その先駆けでもあったのですね!

キャッチーなネーミングに、淡麗辛口ブームに一石を投じたフルーティーな味わい、そして洗練されたデザインのパッケージ。当時の日本酒業界にはない「新しさへのチャレンジ」が、上善如水をメジャーブランドへと押し上げたのです。

バリエーション豊かな商品ラインナップ!

「上善如水」の魅力は、その商品ラインナップの広さにもあります。たとえば、同じ純米吟醸であっても、米こうじを変えてふくよかな味わいを実現した「純米 上善如水白こうじ」や、低温でじっくり熟成させた「純米吟醸 熟成の上善如水」などのバリエーションがあるんです。これにより、料理に合わせた幅広いマリアージュが楽しめます。

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また、最近人気が高まっている「上善如水スパークリング」には、通常の清酒酵母のほかはちみつから抽出した白瀧酒造オリジナル酵母 HM-83 も使用。その花のような甘くてスパイシーな香りは、日本酒でありながら、ワインを思わせるどこか洋風な味わい。パッケージもシャンパンのように高級感あるデザインに仕上がっていて、今まで日本酒に触れる機会がなかった若い女性からも支持されています。

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他にも、「12ヶ月の上善如水」という“月ごとに異なる上善如水を届ける”という情緒あふれる商品があります。季節の移ろいを上善如水で表していて、例えば暑くなってくる7月は「ロック酒の上善如水」、8月は通常・熟成・濃いめの3種類が入った「飲み比べセット」、9月には瓶にうさぎがあしらわれた「月見酒の上善如水」など、バラエティに富んだユニークな商品で、季節にあった風流な飲み方を提案してくれます。

気に入ったものをリピートするもよし、毎回違う商品を味わってみるもよし。種類と楽しみ方に幅があることも、「上善如水」の魅力と言えそうですね。

白瀧酒造のここに注目!

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一般的に酒蔵は、複数の商品ラインナップを持っています。キリッとした冷酒向きの酒、燗酒で美味しい酒、和食とよく合う酒・・・そのラインナップの中で、初心者から玄人までさまざまな趣向の消費者に対応するのです。しかし白瀧酒造は、ほぼ全ての商品が日本酒ビギナーに向いています。

年代や性別関係なく、日本酒の入り口にはいつでも「上善如水」がある。
「上善如水」から、深淵なる日本酒の世界が始まる。

この戦略には当然リスクも伴います。ビギナーに特化するということは、すなわち消費者が「上善如水」を卒業してしまう可能性もあるのです。一般的な酒蔵では、これを防ぐために玄人になっても楽しめるお酒を用意するわけですが、白瀧酒造は違います。ひたすらに日本酒ファンの一歩目に寄り添う、それが白瀧酒造のポリシーなのです。

「上善如水」から日本酒を好きになり、いつかは卒業してもらっても構わない、けれど日本酒を好きになるきっかけはいつでも「上善如水」であって欲しい。そんな想いで、今日も白瀧酒造はお酒を醸します。全ては日本酒の未来を明るくし、多くの日本酒ファンを増やすために。

SAKETIMESでは、そんなチャレンジングで未来志向の酒蔵・白瀧酒造に密着! その魅力を余すことなくお届けしていきます!お楽しみに。

(取材・文/佐々木ののか)

sponsored by 白瀧酒造株式会社

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