一見するとワインのような、涼しげな水色のボトルとシンプルなラベル。菊水酒造の「無冠帝(むかんてい)」は、そのスタイリッシュな出で立ちが目を引きます。この「無冠帝」の300ml瓶は、2020年6月からコンビニでの取り扱いも広がり、より身近なお酒になりました。
食卓をぱっと華やかにしてくれる姿と幅広い料理にマッチする味わい、そして、コンビニで買える手軽さは家飲みにぴったり。コンビニで揃う食材で簡単に作ることのできる、「無冠帝」のおつまみレシピをご紹介します。
大衆のための酒「無冠の帝王」
「無冠帝」が誕生したのは1983年のこと。当時、日本酒は特級・一級・二級に分類され、そのランクによって酒税が変わる「日本酒級別制度」が存在していました。この酒税法の制度では、級数が上がるほど酒税も上がり、価格も高価になります。
「ランクが高くなればなるほど、大衆には手の届かない酒になってしまう」
「日本酒は大衆のものだ」という強い信念を持っていた菊水酒造は、大きな決断をしました。特級に認められるであろうほどの自信作を造りながら、あえて級数を決める鑑定に出さなかったのです。
多くの人がもっと気軽に飲めるように鑑定には出さず、「無鑑定」で二級酒として発売したのが「無冠帝」。これが、「無冠帝」が「無冠の帝王」と呼ばれる由来です。
スーパーやコンビニにまで取り扱いが拡大した経緯について、菊水酒造 営業部のマネージャーを務める板垣憲一さんは次のように話します。
「もともと、お得意先から『日本酒や焼酎などの和酒を増やしたい』というご要望をいただいていたんです。ただ、スーパーやコンビニチェーンの品質基準はかなり高いので、ご提案してから店頭に並ぶまで1年がかりでした」
「無冠帝」の特徴のひとつが、フレッシュな風味と安定した品質を兼ね備えていることです。2018年に発売から35年を迎えた「無冠帝」は、まったく火入れをしない「生酒」から、搾ったあとに火入れをして瓶詰め時は火入れをしない「生詰」へとリニューアル。おいしさと品質、その両方にこだわる菊水の想いが表れた一本となりました。
それに加えて、おだやかでどんな料理にも合わせやすい味わい、そして涼しげな見た目が夏に向けたラインナップにぴったりだということで、「無冠帝」の導入が決まったのです。
「『ふなぐち菊水一番しぼり』はコンビニやスーパーに広く置いていただいていますが、全国チェーンに菊水の商品が新たに採用されるのはかなり久しぶりでしたね。社内でもかなり盛り上がりました」
各地のファンからも喜びの声が挙がりました。SNSでは「近所で見つけた!」「これでいつでも飲める」などのコメントが多数。板垣さんは、「お客様にとって、『無冠帝』がより身近なお酒になれたことがうれしいですね」と話してくれました。
コンビニで手に入る食材でおつまみ作り
オーダーメイドで作られた「無冠帝」の青く輝く瓶は、食卓に置くだけで空間を華やかに彩ってくれます。
ちょっといいことがあったとき、自分へのご褒美に飲んでほしいお酒です。飲むときはそのキレを楽しめるよう、キンキンに冷やして飲むのがおすすめ。夏は氷やカットフルーツを浮かべて、冬は熱々の鍋と一緒に。せっかくなら、おつまみもひと工夫したいところです。
そこで、コンビニで一緒に買える食材で作ることができる、家飲みにぴったりなお手軽レシピをご紹介します。
レシピを紹介していただくのは、発酵料理研究家の真野遥さん。日本酒を入り口に発酵食品全般へと興味が広がり、日本酒と発酵料理のペアリングを学ぶことができる料理教室を主宰しています。
まずは、真野さんに「無冠帝」の味わいについてうかがいました。
「とてもスッキリしているお酒ですね。どんなお料理にも合うと思います。少しクセのある食材を組み合わせた"足し算"の料理がおすすめです」
それでは、さっそく調理をしていただきましょう。
らっきょう入り卵ポテトサラダ
コンビニおつまみの定番といえば、ポテトサラダ。ここにらっきょうとゆで卵を加え、食感とコクをプラスします。すぐにできあがるお手軽レシピです。
【材料】(2人分)
- ポテトサラダ:1袋
- ゆで卵:1個
- らっきょう:6個
- 冷凍ねぎ:大さじ1
【作り方】
1.らっきょうは粗みじん切りにする。ゆで卵は1cm角に切る。
2.ボウルに全ての材料を入れてざっくりと混ぜ合わせ、器に盛る。
すっきりとした辛口の「無冠帝」は酸味のある食材とよく合うため、らっきょうの甘酸っぱさと重なると、絶妙なハーモニーを奏でます。また、ポテトサラダとゆで卵のクリーミーさとコクが、あっさりとした「無冠帝」にボリュームを与えてくれます。
鯖缶と水切りヨーグルトのリエット
「『無冠帝』には魚が絶対に合うと思いました!」と真野さん。鯖の水煮缶は常備しておくととても便利です。鯖にヨーグルトやマーマレードジャムを合わせると、意外な味わいになりました。
【材料】(2人分)
- 鯖水煮缶:1/2缶
- ヨーグルト:50g
- オリーブオイル:小さじ2
- にんにく(すりおろし):小さじ1/2
- 酒:小さじ2
- (A)味噌:小さじ1
- (A)粒マスタード:小さじ1と1/2
- (A)黒こしょう:適量
- (A)マーマレードジャム:小さじ1
- 食パン:1枚
【作り方】
1.ボウルの上にペーパータオルを敷いたザルを乗せ、ヨーグルトを入れる。冷蔵庫に1時間ほど置いて水切りする。
2.フライパンにオリーブオイルを熱し、にんにくを炒める。香りが立ったら鯖缶を入れ(汁気は入れない)、木べらでほぐしながら炒める。酒を回しかけ、水気が少なくなるまで炒めたら、(A)を入れてさっと炒め合わせ、火から下ろす。ボウルに移し、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。
3.1と2を混ぜ合わせてココットに入れ、お好みでマーマレードジャム(分量外)を乗せる。食パンをトースターでこんがりと焼いて添える。
淡白な鯖に、ヨーグルトや粒マスタードの酸味、マーマレードジャムの甘味と苦味を加えることで、さわやかな甘酸っぱさも感じます。何層にもなった複雑な味わいが「無冠帝」とよくマッチします。
外で飲むことが減ったぶん、たまに家で良いお酒を飲みたくなったときは、近所のコンビニで買うことのできる「無冠帝」がぴったり。
ぜひ、「無冠帝」に合わせて、真野さんのレシピを試してみてください。コンビニで揃えたお酒と食材とは思えないほど、家飲みが楽しく、華やかになりますよ。
(取材・文/藪内久美子)
sponsored by 菊水酒造株式会社