2024年10月10日に発売60周年を迎えた、兵庫県西宮市の酒蔵・大関のロングセラー日本酒「ワンカップ🄬大関」。

昭和の東京オリンピックが開催された1964年、まだ一升瓶が主流だった日本酒シーンに「どこへでも気軽に持ち運べるカップ酒」という新しい容器を提案した、日本酒業界のパイオニア的な存在です。ガラスのカップから直接飲むという楽しみ方は、いまでこそ普通になりましたが、当時はこのように手軽に飲める日本酒は革新的でした。

実際に「ワンカップ大関」は、若者を中心に大ヒット。日常の食事に寄り添ってくれる、バランスがよく飲み飽きしないおいしさも評価され、大関の看板商品に成長し、発売から60年が経過した現在に至るまで、たくさんのファンに愛される商品となりました。

大関の代表商品「ワンカップ大関」

そんな「ワンカップ大関」の発売60周年を記念して、東海道新幹線の一部車両を貸し切ったイベント「ダイヤモンドパーティー」が、2024年12月15日(日)に開催されました。1,000件を超える応募のなかから抽選で招待された約60名のファンが大いに盛り上がったイベントの様子をレポートします。

ともに60周年を迎えた、ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボ!

「ダイヤモンドパーティー」は、2024年10月10日に発売60周年を迎えた「ワンカップ大関」と、同じく2024年10月に開業60周年を迎えた東海道新幹線のコラボ企画。

東京駅から新大阪駅まで東海道新幹線の一部車両を貸し切った「ワンカップ号」で、大関が提供しているラジオ局によるスペシャルトークなどを、「ワンカップ大関」を飲みながら楽しむことができます。

ちなみに、「ダイヤモンドパーティー」というイベント名は、アメリカでは60歳のお祝いを「ダイヤモンド記念日」と呼んでいることから付けられました。これまで応援してくれたファンの方々に感謝を伝えるとともに、これからの人生がさらに輝くことを願う、大関の思いが込められています。

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」のキービジュアル

およそ1年前、大関が「ワンカップ大関」の発売60周年の記念企画を検討していたころ、JR東海から貸切車両パッケージの提案を受けて、今回の開催に至ったといいます。

「お客さまに感謝を伝えたい」という思いから抽選で60名を無料招待し、「ただお酒を飲んでもらうだけではおもしろくない」と、ラジオ番組とコラボしたステージも設けることになりました。

快晴となった当日、20代から70代まで「ワンカップ大関」を愛する参加者が東京駅に集合。なかには、このイベントのために関西から上京したという人もいました。

乗車前に「ワンカップアニバーサリーセット」が全員に配布されましたが、「ワンカップ大関」のロゴが入ったトートバッグの中身はパンパン。イベントへの期待もふくらみます。

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」にて配布された「アニバーサリーセット」のトートバッグ

新幹線が到着し、ワンカップ号に乗車すると、足元には「ワンカップ大関」カラーのカーペット、頭上にはオリジナルフラッグ、さらに座席にはオリジナルヘッドカバーと、車内がデコレーションされていました。お祝いムードが高まったところで、11時18分に東海道新幹線「ワンカップ号」が出発。新大阪駅まで約2時間半の楽しい旅が始まります。

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」の会場(車内)の様子

ワンカップ大関を愛するファンと「カンパイ!」

東京駅を出発して間もなく、イベントの司会進行を務めるニッポン放送アナウンサー・東島衣里さんが、JR東海の制服を着て参加者にごあいさつ。東島アナの呼び込みで大関の代表取締役社長・長部訓子さんが登場し、温かい拍手で迎え入れられました。

事前に配布されたバッグから「ワンカップ大関」を取り出し、乾杯に向けてキャップを開封。ふくよかな香りが車内にふんわりと漂うなか、長部代表が乾杯の音頭をとります。

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」にて、開会のあいさつをする長部代表

「この60年間は、本当にいろんなことがあった激動の時代。みなさんにもたくさんの思い出があると思いますが、『ワンカップ大関』にもたくさんの歴史があります。いっしょに乾杯しましょう」(長部代表)

乾杯はもちろん「ワンカップ大関」で。高らかな「カンパイ!」の声が新幹線の社内に響きます。

ここで、事前に配布された「ワンカップアニバーサリーバッグ」の中身をチェックしてみましょう。最初に注目すべきは、本イベント限定ラベルの「ワンカップ大関」。東海道新幹線と富士山、そして感謝のメッセージが描かれた特別仕様です。

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」にて配布された、限定ラベルの「ワンカップ大関」

60周年記念の「ワンカップ大関」のほか、同じく2024年に60周年を迎えた「かっぱえびせん」(カルビー)、そして「K&K 缶つま」(国分グループ)、大関と“大相撲”つながりとなる「伯方の塩」(伯方塩業)など、充実したラインナップです。

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」にて配布された「アニバーサリーセット」の中身

新幹線が新横浜駅に近づいたころ、車内では「ワンカップ大関」の生原酒が配布されました。通常販売していない特別な生原酒で、搾りたてならではのフレッシュさ、そして濃厚な旨味と甘味が広がります。参加者は、いつもの「ワンカップ大関」との違いを楽しみながら、じっくりと味わっている様子でした。

ほろ酔いで楽しむ、3つの特別なステージ

車内がほろ酔いムードに包まれるなか、3局のラジオ番組によるスペシャルステージがスタート!

まずは、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」より、フリーキャスターの辛坊治郎さんと、ニッポン放送アナウンサー・増山さやかさんが登場。博学でユーモアあふれる辛坊さんのトークと、ニコニコと微笑みながらも容赦なくツッコミを入れる増山アナ。ふたりの軽妙なやりとりに、客席の笑い声が絶えません。

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」のニッポン放送のステージ

途中、辛坊さんが車窓から見える富士山に言及すると、参加者の視線が一斉に窓の外に向けられる場面も。よく晴れた空を背に、今日という特別な一日を祝福するような富士山の姿を見ることができました。

東海道新幹線の車窓から見た富士山

続いてのステージには、MBSラジオ「MBSヤングタウン日曜日」より、落語家の錦笑亭満堂さんとMBSアナウンサーの福島暢啓さんによる異色のお笑いコンビ・ヤングタウンが登場。車内を見渡して「お客さんの顔がこんなに赤い舞台は初めて!」と、ほろ酔い顔のお客さんの笑いを誘います。

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」のMBSラジオのステージ

M-1グランプリの準々決勝に進出した経験もあるヤングタウンは、史上初(?)となる新幹線車内での漫才を披露。新幹線の車内販売をテーマに、時事ネタやゴシップを織り交ぜながら、さりげなく「ワンカップ大関」にも言及。この日のために書き下ろしたネタで、車内は大きな笑いに包まれました。

新幹線が名古屋駅に到着しようかというタイミングで、デザートが配られました。こちらは、日本酒アイス「SAKEICE」とコラボした「『ワンカップ大関』カップアイス」です。

イベント当日に販売開始という新商品を、ひと足先に味わうことができました。アルコール度数4%のしっかりとした風味と、「ワンカップ大関」らしい旨味を感じながらもすっきりとした後味で、お口直しにぴったりです。

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」にて配布された、ワンカップ大関とSAKEICEがコラボした日本酒アイス

アイスを食べ終わって余韻を楽しんでいるところに、いよいよ最後のステージ、FM COCOLO「THE MAGNIFICENT FRIDAY」のステージが始まりました。番組では、大関が協賛しているコーナー「大関 ON MY MIND」を毎週放送。そのなかの人気企画「旅の音伴にワンカップ」の特別編です。

「ワンカップ大関」と同じく今年60歳を迎えた番組MCの加美幸伸さんと、今年で歌手活動が60年目に入った加藤登紀子さんがゲストで登場。加藤さんは大関のCMソング『酒は大関』でも知られています。日本酒が大好きな加藤さん・加美さんも「ワンカップ大関」を手に、改めて乾杯!

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」のFM COCOLOのステージ

「大関さんとともに歩んできた60年。今日のイベントには私がいなくてはならないという自信をもって登場しました」と語るように、加藤さんと大関の関係は長く深いものです。

1971年に加藤さんが大関のCMソングを歌った縁で大関から樽酒が贈られ、それをきっかけに、加藤さんはお酒を飲みながら楽しめる「ほろ酔いコンサート」を開催しました。2024年現在に至るまで毎年行われ、大関の樽酒を来場者に配る“ふるまい酒”も恒例となっているそうです(※新型コロナウイルス対策のため、2020〜2022年はお土産酒を配布)。

加藤さんが『酒は大関』の一節を歌うと、その美しい歌声に客席からは自然と手拍子が。歌い終わると、盛大な拍手が送られました。

笑顔と愛情にあふれた時間もフィナーレへ

すべてのステージが終了すると、長部社長と東島アナが再び登場。楽しい旅もまもなくフィナーレを迎えます。閉会式では、参加者からのメッセージを東島アナが読み上げ、長部社長が胸を熱くさせる場面もありました。

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」にて、閉会のあいさつをする長部代表

「毎日の食卓に合う和食と日本酒。そんな文化を日本人は築いてきました。その文化を大事にしながら酒造りを続け、みなさまの日常や人生に寄り添う『ワンカップ大関』であり続けたいと思います。みなさまとお会いし、こんなに応援していただいているんだと改めて感じました。本当にありがとうございました」(長部代表)

13時45分に終点の新大阪駅に到着し、「ダイヤモンドパーティー」は無事に終了。参加者はほんのりと顔を赤く染め、その表情から、イベントを満喫していた様子が伝わってきます。座席がたまたま隣になった参加者同士で会話が弾み、「ワンカップ大関」を通して親交を深めているグループも見受けられました。

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」の様子

そんな参加者の方々に、「ワンカップ大関」の思い出について聞きました。

「学生のころに付き合っていた相手の実家が大関本社のすぐ近くで、相手のお父さんが『地元のお酒だから』と勧めてくれたのが大関。私が初めて飲んだ日本酒でした。コンビニやスーパーなどで『ワンカップ大関』を見かけるたびに、彼の家族にかわいがっていただいたことを思い出して、懐かしい気持ちになりますね」(東京都・女性)

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」の参加者

「好きなアイドルが『MBSヤングタウン』に出演していて、毎週聴いているうちに、CMで流れる『ワンカップ大関』が気になって飲むようになりました。どこでも買えるし、いろんなサイズがあるのもいいですね。そのままでもおいしいですが、ドライフルーツを入れるなどのアレンジも楽しんでいます。そういうちょっとした冒険ができるのも、手軽な『ワンカップ』ならではだと思います」(東京都・女性)

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」の参加者

「新聞でイベントの告知を見て、両親を誘って応募しました。都内に息子が住んでいるのですが、久しぶりに孫に会って、帰りは昔から好きな『ワンカップ大関』を楽しめるということで、父もうれしそうです。私も実家に帰った時は、父とふたりでワンカップを楽しんでいます」(兵庫県・男性)

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」の参加者

「『ワンカップ大関』というと、大工をやっていた祖父を思い出します。時間をかけて包丁を砥いで、それが終わると、テレビを観ながら静かに『ワンカップ大関』を飲んでいる。職人気質で無口だった祖父がごきげんになっていたことをよく覚えています。自分も大人になり、若いころには飲まなかった日本酒を愛飲するようになりました。『ワンカップ大関』はどんな食事にも合うところが気に入っています」(東京都・男性)

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」の様子

これからも手軽でおいしい「ワンカップ大関」を造り続ける

イベントが無事に終了した後、長部社長にコメントをいただきました。イベントを通して伝えたかったのは「これまで愛飲していただいたお客さまへの感謝の気持ちでいっぱいということです」と語ります。

大関の代表取締役社長・長部訓子さん

大関の代表取締役社長・長部訓子さん

「応募にあたって参加者のみなさまが寄せてくれたアンケートをすべて読みましたが、胸が熱くなり涙が出そうになるエピソードばかり。『ワンカップ大関』の思い出だけでなく、日本の60年を振り返るような内容でした。

変わらない品質を守るために、弊社の社員だけでなく、瓶やキャップなどの資材を手がける関連業者など、さまざまな方々にご協力いただいたおかげで迎えられた60周年だと思っています。

時代によって嗜好や環境も変わっていきますが、『ワンカップ大関』の価値は『いつでもどこでも楽しめる手軽さとおいしさ』。時代に合わせて変化しながら、これからも愛され続ける商品を目指してまいります」(長部社長)

ワンカップ大関と東海道新幹線のコラボイベント「ダイヤモンドパーティー」の参加者

今回のイベントを通して、60周年という歴史の厚みと、ずっと愛され続ける「ワンカップ大関」の魅力を改めて感じることができました。しかし、60周年はまだまだ通過駅。次の70周年、そして100周年に向けて、レールは長く延び続けています。

(取材・文:芳賀直美/編集:SAKETIMES)

※「ワンカップ」は大関株式会社の登録商標です。

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