昭和39年の発売以来、愛され続けている大関株式会社(兵庫県)の日本酒「ワンカップ大関」。カジュアルに片手で持てるガラス容器に、ブルーのスタイリッシュなラベルが印象的なロングセラー商品です。

これまでもさまざまな企業やアーティスト、アニメ作品などとコラボレーションしたオリジナルラベルの商品が発売され、そのたびに話題を呼んでいます。

ワンカップ大関

そんなワンカップのラベルを、自作のイラストや写真などを使ってデザインできるサービスサイト「THE ONLY ONE CUP」が、2022年2月からスタートしました。

ワンカップのファンはもちろん、お祝いや記念日に印象に残る贈り物をしたいという人にもぴったりなこのサービス。実際の注文の様子とともにご紹介します。

オリジナルワンカップが作れる「THE ONLY ONE CUP」

「THE ONLY ONE CUP」は、専用サイトから注文可能です。複数のテンプレートの中から好きなデザインを選び、画像やテキストを挿入。簡単なステップでオリジナルラベルのワンカップを作成することができるオンデマンドサービスです(特許出願中)。

注文の際の会員登録は不要。個人・法人を問わず、20歳以上ならどなたでも利用可能です。

THE ONLY ONE CUP

実際に、どんな手順でオリジナルワンカップが完成するのでしょうか。今回は、日本酒関連の作品も描いている漫画家のアザミユウコさんに、自作のイラストを使って「THE ONLY ONE CUP」を体験してもらいました。

漫画家・アザミユウコさんのプロフィールイラスト

漫画家・アザミユウコさんのプロフィールイラスト

アザミさんは、新潟県出身の漫画家。お酒や自転車、旅行などに関する作品を発表しています。お酒の中でも特に日本酒が好きで、ライターの杉村啓さんと製作した同人誌がベースになっている『白熱日本酒教室』は、のちに星海社から新書版・漫画版(全3巻)が刊行されています。柔らかいタッチの、親しみやすい絵柄が魅力です。

今回、アザミさんは『白熱日本酒教室』に登場するキャラクター「むむ先生」と「助手」を描いたイラストを作成。桜が舞う中、お猪口で乾杯しながら微笑むふたりが愛らしい、春らしさ満開の作品です。

azamiさんのオリジナルイラスト

今回の企画のために描いていただいたオリジナルイラスト

「桜の季節ということで、お花見をテーマにしました。ここ2年ほど、みんなで集まってお花見をするのが難しくなっているので、『またいっしょにお花見したいね』という思いを込めています」(アザミさん)

オリジナルワンカップを作ってみよう!

イラストの用意ができたところで、さっそく「THE ONLY ONE CUP」を利用してみましょう。

①サービスサイトにアクセス

「THE ONLY ONE CUP」サービスサイトのトップページ

「THE ONLY ONE CUP」サービスサイトのトップページ

まずは、サービスサイトにアクセス(PC・スマートフォン対応)。トップページの「オリジナルワンカップを作ってみる」バナーをクリックします。

②AR動画の有無を選ぶ

「THE ONLY ONE CUP」サービスサイトのページ

商品は「普通酒(180mlカップ)」のみで、「AR動画なし(330円/本)」「AR動画あり(550円/本)」を選ぶことができます。今回は、前者を選択しました。

「AR動画あり」では、AR(拡張現実)機能を活用し、好きな動画をラベルに紐づけることが可能です。ラベル上に印刷されたQRコードをスマートフォンで読み込むと、紐づけられた動画がラベル上で見られます(動画の保存期間は180日)。プレゼントの際にサプライズ的な演出もできそうですね。

③数量を選ぶ

「THE ONLY ONE CUP」サービスサイトのページ

続いて、注文する本数を選びます。注文は30本単位で「30本」「60本」「90本」「120本~」から選択可能。今回は30本注文することにしました。

④テンプレートを選ぶ

「THE ONLY ONE CUP」サービスサイトのページ

ラベルのテンプレートは「THANKS(感謝の気持ち)」「ANNIVERSARY(みんなの記念日)」「WEDDING(ふたりの記念日)」の3カテゴリー計9種類を用意(2022年4月時点)。挿入できる画像の大きさやラベルの色が異なるので、目的や画像に合わせて選びます。

「今回は挿入する画像が縦長なのと、シンプルな黒のラベルにしようと思ったので、『WEDDING(ふたりの記念日)』から『Thank You』の文字が入っているものを選びました」(アザミさん)

⑤デザイン作成

「THE ONLY ONE CUP」サービスサイトのページ

いよいよ、デザイン作成のステップです。画像を配置する箇所をクリックして、イラストの画像データ(JPEG形式)をアップロード。テキストを挿入できるエリアが数ヵ所あるため、任意のメッセージを入れることができます。何も入れずに空白のまま進めることも可能です。

「メッセージを挿入せずにシンプルなデザインにする選択肢があるのは、自由度が高くてうれしいですね。テンプレートはウエディング向けですが、固定の『Thank You』のメッセージだけ活かし、『またお花見しましょうね』というテキストを挿入しました」

画像やテキストを挿入していくと、完成形をイメージした3D画像にリアルタイムで反映。360度回転、拡大・縮小しながらラベルデザインを確認することができます。

「THE ONLY ONE CUP」サービスサイトのページ

「このシミュレーションがすごくて、いろんな角度から見られるので楽しいですね!完成品がイメージしやすいので、とても良い機能だと思います」

⑥注文完了

デザイン作成ができたら、送付先の情報や支払い方法(クレジットカード決済、または代金引換)を入力し、注文完了!

注文から1週間程度で、印刷データ確認のメールが届き、問題なければそこからさらに1週間ほどで商品が発送されます。

「実際にデザインを作成してみると、とにかく早くできることにびっくりしました。デザイン作成の画面では少し試行錯誤しながらでしたが、全体的にとてもスムーズ。これだけ簡単だと『作ってみよう!』と思い立ったらすぐに注文できますね。会員登録が不要なのも、気軽に注文できるポイントだと思います。完成品が届くのが楽しみです!」

想像以上の完成度にびっくり!

後日、「オリジナルワンカップが届きました!」とアザミさんから報告がありました。送っていただいた写真を見ると、とてもきれいな仕上がりで完成したことがわかります。

アザミユウコさんのオリジナルワンカップ

「ラベルの印刷がすごくきれいで、びっくりしました!グラデーションなど、細かな色調もきちんと印刷できているので、写真を使っても細部まで表現できそう。色味が少し落ち着いて印刷されたように思うので、イラストを使用する方で画像編集の知識がある方は、少し彩度を上げて調整すると、イメージどおりの仕上がりになるのではないでしょうか。満足度としては、満点に近いです!」

完成品のオリジナルワンカップは、ひとつずつ専用の紙箱に入って届いたとのこと。各箱にはメッセージを書けるようなフリースペースがあるので、アザミさんは「誰かに渡すときに、ここにもイラストを描いたら喜ばれるかも」と、漫画家ならではのアイデアも浮かんだそうです。

アザミユウコさんのオリジナルワンカップ

今回のオリジナルワンカップは、「まず『白熱日本酒教室』に関わってくれた方にプレゼントしたい。いつか読者の方に直接お渡しするような機会があったらうれしいですね」と、感謝の気持ちを伝えるプレゼントとして活用したいとアザミさんは話します。

アザミユウコさんのオリジナルワンカップ

「いろいろな用途に使えるサービスだと思います。たとえば私だったら、自分のコミックス発売のお祝いとして表紙の画像を使ったり、"お年賀ワンカップ"として年賀状代わりにプレゼントしたりするのも喜ばれそうです。

お子さんが生まれた記念に注文する方も多いとうかがったので、お子さんの成長に合わせて新しい動画を撮影して作ってみるのもおもしろいかもしれません。丈夫そうなラベルなので、中身を飲み終わった後も洗って飾っておけそうなのも良いと思いました」

大切な日の記念に、楽しいイベントの思い出に、お世話になった人へ感謝を込めて……さまざまなシーンで、きっと喜ばれるオリジナルワンカップ。ぜひお気に入りの写真やイラストを使って、"世界に1つだけのワンカップ"を作ってみてはいかがでしょうか。

(取材・文:芳賀直美/編集:SAKETIMES)

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