1964年の発売開始以来、カップ酒の代表格ブランドとして厚い支持を得ている「ワンカップ大関」。誕生55周年を記念し、現在さまざまなキャンペーンを展開しています。

「ワンカップ大関」

そのうちのひとつ、人気イラストレーター・たなかみさきさんが描くオリジナル裏ラベルのワンカップ大関が発売中です。表面はおなじみのロゴデザインですが、瓶の内側から見てみると、その裏面には愛らしい描きおろしイラストが描かれています。

たなかみさきさんが描いた「ワンカップ大関」の裏ラベル

たなかさんは以前からイラストにワンカップ大関を取り入れるなど、愛飲者のひとりでもあります。今回のコラボレーションについてお話を伺うと、何気ない日々を描く彼女のイラストと、日常に寄り添うワンカップ大関の穏やかな親和性が見えてきました。

きっかけは「井の頭公園で飲んだ熱燗」

たなかさんは大学卒業後、すぐにフリーのイラストレーターとして活動を始めました。どこか懐かしくホッとするような絵柄と、男女の微妙な心のやり取りを描いたシチュエーションが人気を博し、書籍、広告、企業とのタイアップや個展の開催など、幅広い舞台で活躍しています。

イラストレーター・たなかみさきさん

イラストレーター・たなかみさきさん

現在は東京を中心に、熊本にも拠点を置いて活動しているたなかさん。「ほぼ毎日飲んでいる」というほどお酒が好きになったのも、熊本での生活がきっかけだと話します。

「仕事を始めたときは熊本に住んでいました。ごはんとお酒がおいしいので、よくお酒を飲むようになったんです。甘いカクテルとか、チューハイ以外ならなんでも飲みますね。昔から甘いものが苦手で、子どもの頃はチョコレートを渡されても『梅酢だこがいい』と言って泣いていたと親から聞かされました。もともとお酒が好きになる素質はあったのかもしれません(笑)」

ほかのお酒と同じく、すぐに日本酒も好きになったそう。しかし、ワンカップ大関については「思い切ってお酒を飲みたいときや、酔って忘れたいことがあるときに飲むお酒」というイメージがあり、手に取るにはハードルの高さを感じていたといいます。

ところが、ある冬の日をきっかけに、たなかさんのワンカップ大関に対するイメージは大きく変化しました。

「4年ぐらい前ですかね。井の頭公園の売店で、ワンカップ大関の熱燗が売っていたんです。公園の前にある焼き鳥屋で焼き鳥を買って、ひとりでベンチに座ってワンカップ大関を飲んでいたら、シチュエーションも相まってとてもおいしく感じました。自分の中でワンカップ大関のイメージが変わった、今でも印象に残っている出来事です」

ワンカップ大関

その日をきっかけにワンカップ大関をよく飲むようになり、今では家にストックしているほど。その形もお気に入りで、飲み終わった瓶をコップ代わりに使うこともあるのだとか。

飲むお酒は、そのときの気分や食べたい料理によって決めるとのこと。そんな中、ワンカップ大関を飲みたくなるのは、「気持ちよく酔いたいとき」や「熱燗にして温まりたいとき」だといいます。

「ワンカップ大関を飲むときは、常温か熱燗で飲むのが好きです。焼き鳥とかお刺身とか、料理もなんでも合いますよね。あと、厚揚げと合わせるのも好き。厚揚げを焼いて、かつお節、しょうが、ネギを乗せるんです。そこにワンカップ大関があれば、ほかになにもいらない!って思います(笑)」

世代を超えて愛されるロングセラー商品だからこそ、「ワンカップ大関を飲んでいることが自信にもなる」と話すたなかさん。父や祖父が飲んでいる姿を見て育ち、そのときから変わらないワンカップ大関を自分が飲んでいることに「大人になったな」と感慨深く感じることがあるそうです。

ワンカップとともに"ふつうの幸せ"を描く

そんなたなかさんが、ワンカップ大関の55周年記念として描いたイラストは6種類。男性同士、女性同士、男女ひとりずつ、男女カップルと、ワンカップ大関を楽しんでいるさまざまなシチュエーションが描かれています。

「ワンカップ大関」のために描かれた、たなかみさきさんのイラスト

たなかみさきさんが描いた、裏ラベル用のイラスト

お気に入りのイラストを尋ねると、たなかさんが選んだのは男性と女性がひとりずつ描かれた2枚のイラスト。対になっている2枚を隣に並べると、ワンカップ大関を片手に電話をかけようか悩んでいる、男女のもどかしい心情が浮かび上がってきます。

「『お酒の勢いで電話しようか、お互いに迷っている』というストーリー性があるので、この2枚は気に入っています。あとは、女の子同士で飲んでいるイラストも好きです。ピザをノリで注文してみたけど、結局ワンカップ大関だけで楽しんでる。そんな感じも出せたらいいなと思って描きました。ほかのイラストも、『このカップルでお酒が強いのはどっちかな?』とか、ちょっとずつ想像しながら楽しんでもらいたいですね」

「ワンカップ大関」のために描かれた、たなかみさきさんのイラスト

大関からコラボレーションの提案を受けたときのことを、「普段からワンカップ大関を飲んでいたので、本当にうれしかった」と振り返るたなかさん。スーパーやコンビニの棚に、自分が描いたイラストをまとったワンカップ大関が並ぶ。そんな風景を想像して、感銘を受けている様子です。

「私のイラストは『楽しい!悲しい!』という100%の感情よりも、日常の中でふとよぎる隙間の感情を描いています。そんなとき、日常的に飲めるワンカップ大関が寄り添ってくれる。ありがたい存在だと思いますね。井の頭公園でワンカップ大関を飲んだことが本当に思い出深くて、それを仕事に活かせてよかった。今後も好きなものに絵で携わっていくつもりですが、ワンカップ大関はその代表作になると思っています」

日常に寄り添ってくれるお酒として

現在、東京では女性のルームメイトと、熊本ではパートナーと住んでいるため、誰かと飲む機会が増えたというたなかさん。心を許せる人といっしょに、ゆったりとお酒を楽しむ穏やかな時間がイラストの中にも流れています。

イラストレーター・たなかみさきさん

「日常の中で絵のモチーフを探すことが多いですね。特別な和食屋さんで特別な日本酒を飲むのも好きですが、絵のモチーフにはなりません。家でワンカップ大関を飲みながらDVDを観ている方がモチーフになり、その光景を描くことが自分にとっては自然なことなんです。日常の基準が見えなくなると創作意欲もなくなってしまうので、自分が好きなものを日常の中で見つける。これを大切にしています」

自分に嘘をつかず、背伸びをせず、自然体でいることが創作のベースにあるたなかさん。東京と熊本の2拠点生活も作風に影響を与えているようです。環境も相手も異なりますが、「どちらの場所で過ごすのもかけがえのない時間。ひとつの場所に留まらないことでいろいろな生活を知ることができるので、ずっと身軽でいられたら」と、今後についても話してくれました。

「好きなところで好きなお酒を飲んで、好きな人といっしょにいる。そんな生活をこれからも続けていきたいですね。どこに行ってもワンカップ大関はあるので、心強く感じています。ワンカップ大関は、日常の風景なんです」

たなかみさきさんが描いた「ワンカップ大関」の裏ラベル

たなかさんがデザインした裏ラベルをあらためて眺めると、思わず頬がほころぶような、男女それぞれの"ふつうの幸せ"が描かれています。その光景に自然とワンカップ大関が溶け込んでいるのは、イラストレーターとしての技量はもちろん、たなかさん自身がファンとしてワンカップ大関を日常的に楽しんでいることの表れでもあります。

たなかさんのワンカップ愛があふれる55周年記念デザイン。全国のスーパーやコンビニで、ぜひ手に取ってみてください。

◎プロフィール:たなかみさき
1992年生まれ。埼玉県出身。日本大学芸術学部を卒業後、熊本でフリーランスのイラストレーターとして活動。2017年春からは東京に拠点を移し、主にグッズ制作、出版物に関わっている。作品集に『ずっと一緒にいられない』(パルコ出版)。お酒、歌謡、哀愁をこよなく愛し、それらは作品の中で色気を匂わせている、誰もが感じた事のある、あの青春を追い求めて。

(取材・文/芳賀直美)

sponsored by 大関株式会社

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