声優の茅野愛衣さん、通称"かやのん"が、日本酒を飲んで食べるだけのWEB番組『かやのみ』が、日本酒フェス「かやふぇしゅ」をベルサール秋葉原にて開催しました。

来場者は2,600人。初のオフラインイベントは大盛況!

『かやのみ』が始まったのは、2016年5月。隔週土曜日に、アニメイトタイムズのYoutubeチャンネルにて配信されています。

大ヒットアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のヒロイン・本間芽衣子(めんま)や『戦姫絶唱シンフォギア』のメインキャラ・暁切歌を演じた声優の茅野愛衣さんが、日本酒の楽しみ方を勉強したり、おつまみを食べたり、ゲストを呼んでトークをしたり、酒蔵見学に行ったりするという内容です。

もともとお酒が大好きな茅野さんが、日本酒を飲んで「美味しい!」「大好き!」と、素に近い笑顔を浮かべる様子に、多くのファンが魅了されています。

「かやふぇしゅ2018」の会場風景

4月に開催された、同番組のオフラインイベント「かやふぇしゅ」には、これまで番組に登場した酒蔵や飲食店など、26のブースが出店。日本酒の試飲・販売、食事、オリジナルグッズの販売、全3回のステージイベントなど、盛りだくさんの内容になっていました。チケットは前売りのみでしたが、来場者は2,600人を超え、開場前から会場がいっぱいになりそうなほどの長蛇の列ができていました。

「かやふぇしゅ2018」の公式グッズ

イベント限定のグッズを販売するブースには、途絶えることのない行列ができ、ほとんど完売だったのだとか。

第41回の放送で取り上げられた浜松餃子も大人気!

「かやふぇしゅ2018」の肉富士

茅野さんが絶賛した「肉富士」も早々に完売です。

「かやふぇしゅ2018」の日本酒歯磨きセット

こちらは、第38回の放送で取り上げられた、4種類の日本酒飲み比べセット。

「出羽桜 純米吟醸酒」「丸真正宗 本格辛口」「菊姫 山廃純米」「達磨正宗 熟成三年」と合わせるおつまみは、生ハムで巻いた柿と大根、キュウリの浅漬け、フランス産のコンテチーズ、チョコレートクッキーです。酸味が特徴的な「菊姫」をチーズといっしょに食べると、まろやかな味わいに。さらに「丸真正宗」とキュウリの組み合わせで、口の中をリフレッシュ。茅野さん自身も「なにこれ!私、一瞬で歯ブラシしたってことですか?」と驚きを隠せない様子でした。

オープニングから会場の熱気は最高潮!

お待ちかねのオープニングステージ。オリジナルのはっぴを着た茅野さんが登場すると、すでに日本酒を飲んでいたこともあってか、ファンのボルテージは最高潮に!

来場者は、ほぼ9割以上が男性のファン。そんななか、女性ファンに声をかけるなどの気遣いを見せた茅野さんは、観客とともに乾杯の掛け声をした後、抽選で選ばれた50人と、ステージ上でそれぞれ乾杯をしました。

番組恒例の"魔法"をイベントで再現

2回目のステージは、アニメ『戦姫絶唱シンフォギア』で共演した日笠陽子さん・南條愛乃さんとのトークショー。日笠さんは『かやのみ』の番組にも出演したことがありますが、南條さんは「念願の初『かやのみ』です!」と話していました。

トークが始まる前から、茅野さんの一挙手一投足にすぐさま反応を示すハイテンションな参加者たちに、茅野さんは「みんな酔っぱらってるの!」と、ふたりに釈明していました。日笠さんは「完全にデキ上がっている飲み会みたい」と苦笑しつつも「この後は私たちも飲むから!」と強気です。南條さんは「追いつけるかな?」と、少し不安な様子でした。

ふだんからよく飲みに行くというふたりのために茅野さんが用意したのは、新潟県・緑川酒造の「緑」。茅野さんが栓を開けようとすると、観客から「魔法!」のリクエストがありました。

これは、番組恒例のくだり。茅野さんが日本酒の瓶に「開け、酒!」と"魔法をかける"ことで、栓が空くというシーンの再現です。"魔法をかける"ために、茅野さんのマネージャー・江崎正尚さんと番組プロデューサー・長谷憲さんがスタンバイ。茅野さんの掛け声とともにダッシュでステージへ上がって瓶の栓を空ける姿に、会場から大きな歓声が上がりました。

ひとくち飲んだ茅野さんは「美味しい!やばい!」とハイテンションに。「とってもフレッシュで、暑い日にちょうど良い」と絶賛していました。

酒好きとして知られる茅野さんがどれだけお酒に強いかという話になると、日笠さんは「私が1杯飲む間に、かやのんは3杯飲むんです」とエピソードを披露。茅野さんも「ごはんが美味しかったら、お酒は進むよ!でも、帰った後に反省した」と語りました。

それでも、「かやのんが飲んでなかったら、私たちが心配しちゃう。私たちのおかずは、飲んで幸せそうにしているかやのんを見ることだから」と日笠さんが言うと、茅野さんは「そんなこと言われたら、私......」と、おちょこのお酒を一気に飲み干してしまいました。

南條さんも「飲んだ後にニコッとされたら、飲ませたくなっちゃう」と、ファンの間でも評判の茅野さんの飲みっぷりに太鼓判を押しました。

「こんなユルいイベントあります?」

最後のステージでは、番組でおなじみのマネージャー・江崎さん、プロデューサー・長谷さんといっしょに、Twitterで募集した質問に茅野さんが答えていきます。登場するやいなや「ほろ酔いです」と告白した茅野さん。「これからステージに上がる人間が、素面(シラフ)じゃダメだ」と言われたそうで、楽屋でも日本酒を飲んでいたことを明かしました。

公式Twitterで、おすすめの銘柄を紹介するほど、日本酒好きとして知られる江崎さんが用意したのは、和歌山県・平和酒造の「鶴梅 柚子酒」です。

開場からだいぶ時間が経って、酔いが進んだ参加者のテンションに、茅野さんは「完全に酔っ払い」「こんなユルいイベントあります?」「そうよね。かやのみだけだけよね!」と、ひとりでうなずきました。

過去の放送で「いつか北海道旅行に行きたい」という話が出たことから寄せられた「ロケは実現できそうですか?」という質問に対して、長谷さんは「まったく予算のない番組なので」と前置きしながら「できるんじゃないかな?楽しみにしててください」と答えました。

茅野さんも「スケジュールに『かやのみ』って書いてありましたよね?」と、通常の収録よりも長い期間のスケジュールが押さえられたことを暴露すると、観客から期待の歓声があがりました。

「今後行ってみたいところは?」と聞かれた茅野さんは、「黒龍酒造や平和酒造など、これまで番組で飲んできた日本酒の酒蔵に行ってみたい」と語りました。続けて「今日は乾杯がすごく楽しくて。私、何度でも乾杯したい!」と、小規模な会場に蔵元を招いて、ファンといっしょにお酒を飲みながら、日本酒の話を聞く会をやってみたいと話していたことを教えてくれました。

イベントの最後には「みなさんに楽しんでもらえて良かった」と、茅野さん。長谷さんは「やっと、ファンのみなさんの顔を見られた。これだけの方々に来ていただいて、喜んでもらえてうれしかった」と、感慨深そうな表情でした。

また、『かやのみ』のファンクラブ結成について、話が進んでいることも発表されました。最後に「まだまだがんばらないといけないですね」と抱負を述べ、観客との乾杯締めでイベントが終了しました。

日本酒の魅力を伝える方法は、決してひとつではない

この日の参加者は、若い世代がほとんど。たくさんの日本酒ファンが会場に集っていました。

出店していた福井県・黒龍酒造のスタッフに話を聞きました。イベントに出店することはほとんどないそうですが、社長の3人娘がそろって茅野さんの大ファンということで、今回の参加を決めたのだとか。「日本酒ファンの方々が想像以上に来てくれました。さすが『かやのみ』ですね」と、驚いていました。

『かやのみ』を通して、日本酒の美味しさに気付いた人もきっとたくさんいるでしょう。日本酒の魅力を伝える方法が、決してひとつではないことを、あらためて感じさせられました。

◎番組紹介

(文/乃木章)

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