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「日本酒片手に落語を楽しむ会」―イベントレポート

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こんにちは!SAKETIMESライターの梅山紗季です。

前回、「かけつけ三杯に百薬の長 落語の中の『お酒』たち」という記事にて日本酒の活きた落語の演目をご紹介してまいりました。

今回は、先月オープンしたばかりのKURAND SAKE MARKETという日本酒のお店で行われた、「落語と日本酒を楽しむ会」という、まさに日本酒と落語、両方の魅力を体感できるイベントに参加をした模様をお伝えしたいと思います。

日本酒好きにはたまらない空間の中で―

KURAND SAKE MARKETは、先月3月にオープンした、蔵元直送の日本酒を飲み比べることのできるお店です。所在地は、池袋駅の西口を出て徒歩5分ほど。エレベーターでビルの4階まで上がると、木目のカウンターの受付が目に飛び込んできます。

日本酒のお店というと、どことなく仄暗いイメージがあったのですが、こちらはとても明るい空間で、入りやすい印象を受けました。イベント参加の旨をお伝えすると、日本酒用のグラスとお冷を入れるグラスの2つを渡していただけます。カウンターを後にし、店内へ足を踏み入れると……

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そこには、夢のような空間が広がっておりました!

背の高い冷蔵庫の中に、ずらっと日本酒の瓶が並んでいます。並んだ日本酒には、番号プレートと色のついたシールが貼られています。番号はなんと100番まであり、貼られたシールの色によって、淡麗、濃醇、甘口、辛口、リキュール、にごり酒などの判別ができるようになっています。表示のわかりやすさから、自分の好みに合わせて飲み比べができるのがありがたいです。

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今回のイベントで落語を担うのは立教大学落語研究会の学生さんです。

プログラムの示された背景と、座布団の乗った席。ここで繰り広げられる落語はどんなものなのだろう、と期待が膨らみます。

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トップバッターは月並亭小路(つきなみてい・こうじ)さんで「替り目」。
KURANDというお店の紹介も交えながら、やわらかく、こちらに寄り添うように話していらっしゃいました。そのおかげか、後ろの方でご覧になっていたお客様も少しずつ席へ近づき、場が落語に惹きつけられ、笑いが起きているのが感じられました。緊張気味だったお客様同士の心もゆっくりほどいていく話し方によって、終わった後にあたたかい気持ちになりました。

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2番目に登場したのは夜逃屋札助(よにげや・ふだすけ)さん。明るく朗らかに、テンポのいい口調ですすめる姿が印象的でした。散りばめられた洒落を効かせて話す様子に、客席からは笑い声が途絶えません。「マキシマム・ド・呑兵衛」という演目を、身振り手振りと表情を活き活きと使いながら話していらっしゃいました。ぐっと引き込まれる話しっぷりで、客席全体を魅了していらっしゃいました。
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最後に登場したのは何遊亭萬年(なにゆうてい・まんねん)さん。話された「阿武松(おうのまつ)」は、声の抑揚は勿論、扇子と手ぬぐいを使った表現の上手さが際立っており、お客様は笑うだけではなく、萬年さんが真摯に話されるとそれにじっくり聴き入っていました。

会場全体が落語の持つ魅力に惹かれ、時折お酒を味わいながら夢中になる様子は、きっと古く江戸時代から変わらない光景だったのだと思います。緩急のつけ方から道具の使い方まで濃やかに行き届いているのがわかりました。そしてどの方にも、最後には惜しみない大きな拍手が贈られていました。

大好きな一本から幻の一本まで―100種類の日本酒たち

次に、私がこのイベントの中でいただいた日本酒を、いくつかご紹介します。まず、番号1番、酔鯨酒造さんの「酔鯨」。数ある日本酒の中でもこのお酒は本当においしい!!フルーティな香りと辛口な中にお米の味わいがきちんと感じられ、ほのかな甘さも楽しめる贅沢な味わいになっています。次にご紹介するのは、21番、石井酒造さんの「ひやおろし」です。舌に穏やかな甘みの残る味わいで、香りが強すぎないので料理に合いそうなのも魅力的でした。

最後にご紹介するのは、KURAND SAKE MARKETの店長さんオススメ、阿部酒造さんの「吟醸 越乃男山」。

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市場に出回っている数が少ない、まさにKURANDという「蔵元直送」だから味わうことのできるこちらのお酒は、お米の匂いとすっきりとした控えめな味わいが特徴的でした。オススメなだけあって、どんな日本酒好きからも「うまい!」の一言が引き出せそうな、好みの分かれない1杯でした。

そのほかにも「タクシードライバー」や「麒麟 越淡麗」といった日本酒から柚子のリキュールまで、幅広くいただくことができ、日本酒好きにとってはたまらなく幸せな時間でした。

落語体験とお客さんとの思い―会場インタビューをへて

今回のイベントは、幅広い層のお客様がいらっしゃっていましたが、学生さんが落語を担っていることもあり、来場者の方もお若い方が比較的多いように思われました。会場にいらっしゃる方にお話をうかがった一部を、ご紹介します。

「落語は初めて聴くけれど、日本酒が好きで、KURANDの会員登録をしてこのイベントを知り、今回参加しました。(21歳 男性)」

「日本酒が好きで今回のイベントに友人と2人で参加しました。2人とも日本酒の好みが全く違うのですが、一緒に来て飲み比べてみるのも楽しいです。それぞれおいしい日本酒に出会えてよかったです。(25歳 女性)」

このように、種類豊富な品揃えのおかげで、辛口好き、甘口好き、どんな方にとっても「おいしい!」と思う1杯に出会うことができる時間となっていたようです。

また、今回のイベントでは、落語研究会さんのお話の後、体験の時間が設けられており、お客さんが落語の動作に挑戦するという、実際に体を動かすコーナーがありました。

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「蕎麦」と「うどん」を落語の席で表現する時のコツを、何遊亭萬年さんから伝授され、見事に実演なさった2人のお客様には、店長さんから豪華なお酒のプレゼントがあり、会場は大いに盛り上がっていました。

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今回「落語を初めて聴いた」というお客様は半数近くいらっしゃったのですが、インタビューをしてまわると、「また聴いてみたい」「今後もこういったイベントがあれば参加したい」と笑顔で話してくださいました。まさに、落語と日本酒の両方をたっぷりと味わうことのできるイベントになっていました。

池袋というアクセスのいい場所にあるKURAND SAKE MARKETは、今後もイベントを開催予定だそうです。種類豊富な日本酒と、知識のしっかりとしたスタッフさんのいらっしゃるKURAND SAKE MARKET、日本酒好きな方も日本酒に詳しくない方も、絶対楽しめる場所ですのでぜひぜひお出かけしてみてください。

KURAND SAKE MARKET

〒171-0021 東京都豊島区西池袋3-27-3 s&kビル4F

TEL : 03-6912-6686

OPEN : 17:00~23:00(22:00LO)

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鈴木紗雪

大学で日本文学を専攻。「お酒が飲みたくなる3冊」という日本酒と文学作品を絡めた記事をはじめ、映画、落語、音楽などの文化的な要素と日本酒とを扱った記事をご紹介しています。お菓子づくりも好きで、日本酒や酒粕を使ったスイーツのレシピも公開しています。