日本酒を飲むとき、どんな食べ物と合わせていますか?
日本酒は和食に限らず、さまざまな料理と合わせることができる、非常にポテンシャルの高い飲み物ですよね。もちろんお酒だけで飲んでもおいしいですが、食べ物と合わせる「ペアリング」もたいへん興味深いもの。お酒の良いところが引き立ったり、隠れていた部分が見えたりするんですよ。
なかでも今回は、ちょっと不思議な、チョコレートと日本酒のペアリングをご提案します。
紹介する日本酒のなかには手に入りにくいものもありますが、似た味わいのお酒を合わせてみるといいでしょう。チョコレートはどれもスーパーやコンビニで購入可能なものを用意しました。
「黒松剣菱」 × ロッテ おいしいハイカカオ74%
"辛口好き"にはたまらない「黒松剣菱」(剣菱酒造/兵庫)。このお酒は、スーパーなど一般の食料品店でも購入することができます。
甘いものと日本酒を合わせる際にもっとも気をつけたいのが、お菓子の濃厚さに日本酒が負けてしまい、お酒の味がわからなくなってしまうこと。ですが、しっかりとした味わいの黒松剣菱はチョコレートと合わせても、その風味が消えてしまうことはありません。
これに、ロッテの「おいしいハイカカオ74%」を合わせます。華やかな香りと、スマートな味わいのビターチョコレート。甘さ控えめの整った味わいは、黒松剣菱とよく合いますね。
「宮寒梅 純米吟醸プレミアム 三米八旨」 × 明治 ザ・チョコレート 深遠なる旨味抹茶
こちらの「宮寒梅 純米吟醸プレミアム 三米八旨(さんまいはっし)」(寒梅酒造/宮城)は、数量限定の銘柄。やや手に入れにくいかもしれません。
寒梅酒造で使われる酒米は、ほとんどが自社栽培米。三米八旨はその名の通り、自社田で栽培した3種の米を使用して醸されています。麹米に「美山錦」、酒母に「ひより」、掛米に「愛国」を使って造られたこの純米吟醸酒は、旨味の強い味わいでチョコレートと相性抜群。また、味の濃い料理と合わせるのも良いでしょう。
こちらに合わせるチョコレートは、洗練されたパッケージデザインが目を引く、明治の「ザ・チョコレート 深遠なる旨味抹茶」。カカオ分は58%で、ややビター。抹茶の旨味が加わることにより、チョコレートがより一層味わい深いものになっています。「宮寒梅 純米吟醸プレミアム 三米八旨」と合わせると、抹茶味のチョコがもつ旨味によってお酒の風味が底上げされました。ぬる燗でいただくのがおすすめですね。
「村祐 紺瑠璃ラベル 無濾過本生」 × 明治 ホワイトチョコレート
「村祐 紺瑠璃ラベル 無濾過本生」(村祐酒造/新潟)には、明治の「ホワイトチョコレート」を合わせましょう。
村祐は"和三盆糖のような甘みをもつお酒"として知られています。和三盆糖とは、和菓子などに使用される高級な砂糖のこと。やわらかで繊細な甘みが特徴です。
こちらの紺瑠璃ラベルは、その上品な甘さの後に苦味を中心としたスパイシーさがあり、食中酒としておすすめの1本。このような独特の甘みをもったお酒には、ホワイトチョコレートがよく合うんですよ。
お酒を飲むことで、チョコレートを食べた後に感じるベタつきを軽減でき、チョコレートを食べることでお酒の風味を強調することができます。
チョコレートには、濃醇な日本酒をぬる燗で
日本酒と甘いものを合わせる際は、旨味のある、味の濃い日本酒が良いでしょう。お燗をつけることでチョコレートの口溶けが良くなり、一層旨味が広がりますよ。
お酒を口にするタイミングは、チョコレートを先に食べて、もう少しでなくなりそうだなという瞬間に飲むのがおすすめ。ただ、あまり難しく考えすぎてペアリングを楽しめないのは本末転倒なので、あくまで参考として自由にお試しくださいね。
(文/嘉手川瑞姫)