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日本酒業界がクラウドファンディングを活用すべき3つの理由

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こんにちは、SAKETIMESの生駒です。
消費量の減退、海外への輸出拡大など、日本酒業界は大きな転換期を迎えています
それに伴い、消費拡大を目指し各酒蔵でこれまでなかった様々な取り組みが行われてきています。

今回はその取り組みの中でも、その実用性の高さから注目を浴びている「クラウドファンディング」についての解説をしながら、プロジェクトオーナーとしてクラウドファンディングで1000万円ほどの調達に成功している僕の経験を踏まえ、日本酒業界が積極的に活用すべき理由を挙げていきます。

クラウドファンディングって何?って方はこちらのサイトがわかりやすいです。

日本酒関連プロジェクトの現状

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まずは日本酒関連のクラウドファンディングプロジェクトの現状をお伝えします。
記事を書くに当たり、2012年から2015年8月までの期間で、7社のプラットフォームから日本酒関連のプロジェクトを探しました。合計35のプロジェクトがあり、今回はそれを元に話を進めます。
日本酒製造、日本酒イベントの開催などが主な調達目的で、成功率は74%。平均調達額は989,485円でした。
一般的な掲載手数料20%を除いても、80万円近くの売上が立つことになります。

日本酒の四合瓶販売価格が1500円とした場合、533本分の売上になると考えると、この金額の凄さが理解できますね。

ちなみに、今回のデータの中で、国内で最も早く日本酒事業でクラウドファンディングを使ったのは、日本酒の定期購入サービス「SAKELIFE」のリリースに関わる資金の調達で、2012年の2月スタートでした。

プロジェクトページ→あなた×お酒をもっと楽しく。日本酒の定期購入サービス、「SAKELIFE」

また、日本酒関連プロジェクトの中で最も多く資金を調達したのは、耕作放棄地を再生させて日本酒をつくる「N-Project」の4,108,000円でした。

プロジェクトページ→石川県能登の耕作放棄地を開墾し、おいしいお米で日本酒を造りたい!

両プロジェクト共に、私がプロジェクトオーナーとして関わっていますが、日本酒事業に対する消費者の関心の高さを実行者として強く感じたことが、今回の記事執筆に至った経緯でもあります。

それでは、具体的に活用を勧める理由に進みます。

共感を呼べるストーリーがある

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クラウドファンディングで成功するための必須要件に「プロジェクトへの共感性の有無」が挙げられます。
課題意識を共有できるかどうか、ということですね。

たとえば「俺の誕生日パーティーのためにお金が必要だから支援してください!」と、
「森林樹木の過剰伐採を止めるためのプロジェクト立ち上げ資金を募ります!」だと圧倒的に後者の方が支援が集まります。

極端な例なので「そらそうだ!」となると思いますが、社会として解決すべき課題を含んでいる、つまり、
支援者も「当事者意識」を持ちやすい社会的な課題がある方が、支援者は増える=成功しやすいということです。

日本酒は世界に誇る伝統的な農業製品です。しかしその一方で酒離れや少子高齢化によって消費量は減退傾向にあります。
日本酒が盛り上がれば、原料を作る農業も活性化します。海外市場が拡大していけば日本の経済に大きく貢献することができます。
もちろん、そういった大きな課題だけでなく、地域振興・町おこしにも繋がりますし、日本酒の蔵はほぼ全国にありますから、多くの人にとって身近に感じることのできる産業だということも挙げられます。

日本酒事業は1人よがりなプロジェクトではなく、共感を得られるようなプロジェクトになる傾向が高いということですね。

リターンのイメージが明確

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先に挙げた「共感」も必要な要素ですが、それだけでは支援は集まりません。共感で集められるのは「いいね!」「注目」であって、そこからお金を払っていただく「支援」を得るには実利のあるリターンが重要です。

・5000円支援をしてくれれば、お礼のメッセージとWEBページにお名前を記載します!
・5000円を支援してくれれば、限定生産の純米大吟醸一升瓶を1本プレゼントします!

では後者の方が支援が集まりやすいと思います。
「5000円の対価」がイメージしやすいことが重要なのです。

日本酒関連のプロジェクトは「日本酒」という明確なリターンを活用することができますので、プロジェクトとしての訴求効果は高いですね。

既存顧客が支援をしてくれる

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クラウドファンディングにおける調達額のうち、その30~50%は身内の支援と言われています。
(もちろん調達金額に応じて身内の割合は変化します)

また、プロジェクトを掲載してから早い時期に多くの金額を集めるプロジェクトの方が、後半の伸びが良く、総じて調達金額も高くなる傾向があります。

無名の企業、無名のサービスは既存顧客がいませんから、身内からの支援を核とすることが若干難しいのですが日本酒はそうではありません。日本酒の蔵は創業100年以上の企業が多く、地元で愛されてきた商品を提供しています。その既存ファンがプロジェクトを支援してくれることで、それ以降のプロジェクトで初め出会ったお客様からの支援につながり、大きな動きとなりやすいのです。

日本酒業界は積極的にクラウドファンディング活用を!

上記に述べてきたように、日本酒事業とクラウドファンディングの相性はとても良いです。
また、下記のグラフは35プロジェクトの掲載年数です。一目瞭然、日本酒事業のクラウドファンディングは年々増加していますね。

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クラウドファンディングの利点は大きく分けて3点あると考えています。

・資金調達
・PR
・初期顧客の獲得

このどれもが日本酒事業を営んでいる人には魅力的でしょうし、これまでとは違うアプローチで消費者に日本酒の魅力を伝える上で、クラウドファンディングは必ず役に立ちます

最近ではお酒専用のクラウドファンディングが登場したり、埼玉県の石井酒造の石井社長が醸造協会でクラウドファンディングについての講演を行うなど、まだまだ酒×クラウドファンディングも発展していきますので、是非チャレンジしてみてください。

どのプラットフォームを選べば良いのか、どういった進め方をすれば良いのかなど、何かお困り事があればいつでも弊社にご相談ください。日本酒業界では誰よりもクラウドファンディングの成功実績を持っていますので、お力添えできる部分があるかもしれませんからね。また、組合などでの講演のお誘いもお待ちしております。

ではまた次回。

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生駒 龍史

CEO of clear,inc/日本酒メディア「SAKETIMES」を運営中。過去には日本酒の定期購入サービス「SAKELIFE」渋谷の日本酒ダイニング「sakeba」オリジナル日本酒「First Kiss」などを創業&運営。