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「酒は嗜好品」でも、あえて語る、良い酒の定義とは?

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こんにちは、SAKETIMESライターの山口直樹です。
普段は北陸・新潟の日本酒と食材にこだわりぬいたお店「方舟」にて飲食店の現場に立っています。

今回は「良いお酒の定義」に関して私なりに考えてみました。
前提として、お酒は嗜好品です。ですから人それぞれにとって良いと思うものは異なります。違って当然なのです。

もし、世界中の誰もにとって最も良いと思えるお酒が有るならば、世界中のお酒がそれ一つで良い事になってしまいます。そんな世界はつまらないですよね。個人差が有るのは当たり前というのが本日のテーマの前提です。

ただし、酒匠として味覚や嗅覚のトレーニングをしている私から、敢えて言わせて頂きますが、人の味覚なんてものは曖昧なものです。環境や体調、その時々によって変化するものです。よって最も重要な事は何を飲むかよりも、いつ誰と飲むか、なのかもしれません。

 

1. 地域文化に根付いたものである事

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嗜好品の定義を考えた時、無くても生命維持活動に影響がないけど、無いと何となく寂しくて人との出会いや交流を円滑にするものが酒であると言えます。

それでも各地域に数多の酒蔵が誕生した事を考えると、酒とは地域のコミュニティーを形成していく中で、必要で有ったと考えられないでしょうか。
本来の存在意義として、酒蔵とは食文化の醸成、経済、雇用の創出…様々な意味で地域文化の中心であったはずです。
時代が移り変わっても酒は地域文化に根差した文化の象徴でなくてはならないと思います。

 

2. 酒は工業製品であってはならない

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日本酒の海外進出が盛んになっています。海外から見た時に一部の日本酒は、さも工業製品で有るように見られてしまうようです。
世界の常識からみると、酒は本来その地方で作られた農作物を使ってその地域でしか出来ないものだからこそ「地酒」と呼ぶに相応しいと考えます。
日本が誇るべき高い醸造技術の盲点は、そこに頼りすぎてしますと日本中のどこに居ても原料を取り寄せて技術に頼った均一の酒を造る事が出来るようになってしまう事です。

こうなってしまった時、残念ながら酒は農業製品から工業製品に変わってしまいます。
本当に良い酒は飲むと細胞が喜ぶお酒です。良いお酒を体に入れると私の場合は鳥肌が立つという現象が起きます。細胞が喜ぶ条件は酒が農業製品である事です。

 

3. 1本のボトルの中にストーリーが有る

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味覚は人によって、状況によって異なります。ですので、本来そのお酒を飲まなければいけない必要性というのは味には見出せません。

では、そのお酒が良い、そのお酒でなければならないという理由は何処にあるのでしょうか?
それは、その1本のボトルの中にあるドラマです。

誰がどこでどんな思いで作った米なのか?誰がどこでどんな思いで造った酒なのか?
そしてそのお酒を飲む貴方はこのお酒にどんなストーリーを持っているのか?

今日、この場所で貴方と飲むお酒はこのお酒でなければならない。
そんな理由が有るお酒であれば、それは貴方にとっての「究極の1本」になるはずです。

 

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