酒匠のまゆみです。

勝手に名づけたひやおろしシリーズですが、そろそろ季節も終わりなので、ひやおろしの紹介はとりあえず今回で終了としようかな、と。

本日のお酒は、久礼 純米酒 洞窟囲いひやおろし

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シリーズ最後を飾るのは、四国の高知から。西岡酒造店の純米酒、久礼を選びました。
お米は、前回紹介した賀儀屋と同じく松山三井。酵母は高知酵母、自家培養しているそうです。
そしてこのお酒は、四万十町の山奥にある洞窟で瓶のままひと夏過ごしました。洞窟は1年中15~20度と温度変化が少なく安定しています。冷蔵保存とはまた違う状況で、米の旨味と甘味が出てくるのではないかと期待したそうですが、まさにその通りだったように感じました。
まずは常温でいただきましょう。

口に含むと、まろやかでとろみがあり、柔らかい酸が存在感を出してきます。香りはフルーティーで軽快な甘味。コクの余韻は長いですが、嫌味がなく、心地よく切れていきます。

かつおのたたきカルパッチョ

蔵元が、かつおのたたきと合わせて欲しいと言ってたので、その通りにかつおのたたきと合わせましょう。
とはいえ、そのまま切って出すのではなく、より久礼に合うレシピを紹介します。

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材料】 2人分

・かつおのたたき 200グラム
・塩 ひとつまみ
・黒こしょう 少々
・ごま油 小さじ1
・かいわれ大根 20グラム
・生姜 1かけ

作り方

1. かつおのたたきは角切りにする。
2. 生姜はみじん切りに、かいわれ大根は3~4ミリの長さに切る。
3. ボウルにかつおのたたき、かいわれ大根、生姜、ごま油を入れて和え、塩とこしょうで味付けする。

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ポイントはかつおの切り方。角切りにしたことで食感が良くなり旨味をダイレクトに感じることが出来ます。この旨味が久礼のコクと同調。そして久礼の柔らかい酸にごま油の香りが加わって、旨さ倍増といった具合です。

さて、ここでもうひとつ提案。久礼の純米はお燗にするとググッとおいしくなり、かつおのたたきとの相性も抜群となるので、40度くらいのぬる燗にしてみてはいかがでしょうか。

お燗にすると、アタックは強めになりますが、それも一瞬で口の中でまとまります。穏やかな酸で中盤は軽快になりつつ、その後は濃醇な風味で余韻は長め。軽い甘味が残ります。まるで常温とは違うお酒のよう。

だいぶ肌寒くなってきたので、みなさまも久礼のぬる燗で温まってくださいね。

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