今日の肴は簡単にできるものを。おすすめの理由は、酒との相性の良し悪しがわかりやすいこと。旬のひやおろしはもちろん、これから出てくる新酒など、さまざまなタイプの酒に添えたい、酒をより楽しくしてくれる一品として重宝するでしょう。

作り方は簡単。こてこてとした見た目の割には調理工程が少なく味付けもシンプルなので、料理初心者にもおすすめです。

ベーコンと味噌。絶妙な相性を味わう

ベーコンとねぎ

【材料】2人分

  • ベーコンブロック 150g
  • 長ネギ 1本

<味噌だれ>

  • 味噌 大さじ1
  • みりん 大さじ1
  • 酒 大さじ1
  • 砂糖 甘さの好みで大さじ2/3から1程度

これらの材料をすべて混ぜ溶いておきましょう。

【作り方】

左:ベーコンをスライスする、右:ねぎを1センチ幅に斜め切りにする

  • イ. ベーコンを2~3mmにスライスする(お好みの厚さでもかまいません)
  • ロ. ネギを1cm幅の斜め切りにする

左:フライパンでベーコンを焼く、右:フライパンでねぎを炒める

  • ハ. フライパンでベーコンを焼く(中火)。表・裏を温める程度でOK
  • ニ. ハを一旦取り出して皿に盛る。ベーコンの脂が出ていれば、それを使ってネギを炒める。油っ気がなければサラダ油を薄く熱してください

しんなりしたねぎとベーコンに味噌だれを加えている

  • ホ. ネギが少ししんなりしてきたら味噌だれを加える
  • ヘ.味噌だれにとろみがついてネギに絡んだら、ベーコンの上に盛り付ける

完成したベーコンのねぎ味噌炒めをう器に盛る

ベーコンは、厚さにこだわらないのであれば、あらかじめスライスしたものを購入しましょう。スモーキーなものを選ぶと、より美味しく仕上がりますよ。ネギといっしょにベーコンを炒め、そこに味噌だれを加える方法でも充分美味しいですが、こちらのスタイルのほうが、それぞれの味が引き立つ点でおすすめです。

豚肉の旨味を引き出したベーコンにちょっと甘味のある味噌。それぞれの旨味が合わさって、おもしろい味わいになりました。甘味のあるネギが加わることで、食感も楽しめます。

さて、これを肴に晩酌といきましょう。味噌だれを使っているので、日本酒に合わない理由は見当たりません。つまり、日本酒との相性はすでにお墨付き。しかし、だからといって何でもいいわけではありません。相性が良いのなら尚のこと、そのポイントを探りつつ、じっくりと堪能できるものを選びたいですね。

味噌と脂の風味に、芳醇な「都美人」が寄り添う

旨味のある酒を合わせたいと酒屋に相談したところ、より特徴のあるものはどうかと、こちらを挙げていただきました。

都美人酒造の都美人 秋あがり山廃純米 茶ラベル 火入れ原酒

都美人 秋あがり山廃純米 茶ラベル 火入れ原酒 (都美人酒造/兵庫)

そうか、山廃という手があったか。味噌だけでなくベーコンから出る脂の風味も考慮するなら、まず選択すべきは旨味やコクのある酒でしょう。味の濃い料理に合わせるときの定石ともいえますね。このタイプはいたずらに冷たくする必要がないので、まずは常温で試してみることにします。

グラスに注がれた都美人 秋あがりのお酒。やや褐色。

やや褐色で、粘性が強そうですね。見た目のイメージ通り、穏やかながらもしっかりとした上立ち香があります。柑橘系の果実香で、ふわりと甘い果実がそばにあるようなふくよかさです。

原酒ならではの高いアルコール度数もあってか、ぐいぐいとアタックしてきます。舌でゆっくり受け止めてみれば「吾輩は山廃である」と言っているかのような複雑味とコク。そして時間差でやってきた酸味。しかし、嫌味な要素はありません。

香味の情報を整理しながら肴との相性を探る。これも晩酌のおもしろさでしょう。ネギ味噌炒めといっしょに食べてみると、ほんの一瞬、酸味同士のわずかな反発を感じますが、これは旨味が溶け合うプロローグ。すぐに口の中が美味しさに包まれます。複雑な味わいに口が敏感になったのか、ネギの甘味がある部分とそうでない部分の違いがよりはっきりと感じられ、おもしろくなってきました。ベーコン独特のスモーキーな香味や脂の風味ともよく溶け合い、さすがは山廃。酒も肴も、どちらも美味しくなりました。

蛇の目のお猪口に注がれた都美人 秋あがり山廃純米 茶ラベル 火入れ原酒

続いて、40℃くらいのぬる燗で楽しんでみます。蛇の目猪口に注ぐと、より色の特徴がわかりますね。

温度を上げたことでゆるやかに開いた酸味は、華やかで酒そのものの美味しさをほんわかと演出してくれます。味わいがゆっくりと身体に沁みていく感じがしました。いくらか冷めてしまったネギ味噌炒めを酒が温かく迎え入れ、また新たな相性の良さを伝えています。

「都美人」の魅力はまだまだ引き出せそうですね。残りは近いうちに、またじっくりと味わってみようと思います。

(文/KOTA)

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