石井酒造(埼玉県幸手市)と寒梅酒造(埼玉県久喜市)、ふたつの若手蔵元同士が水・米・麹・酵母・精米歩合まで”すべて同じ条件”にして酒造り対決をする<埼玉SAKEダービー>の決選投票イベントが行われました!

石井酒造と寒梅酒造は隣町同士の蔵元であり、それぞれの杜氏は大学の先輩後輩という縁。そんな両蔵が、意地とプライドを賭けて競った酒造り対決の結末はどうなったのでしょうか?

12/23(水)に「KURAND SAKE MARKET渋谷店」にて行われた”最終戦”の模様をご紹介します!

「埼玉SAKEダービー」とは?

まずは簡単におさらいから。プロジェクトのPVがありますので、こちらをご覧いただければ企画の全容が分かります。

埼玉清酒を担うふたつの若手蔵元が、「彩の原石」と名付けた銘柄を<まったくの同条件で造り、どちらが美味しいかを一般投票よって決める>という趣旨です。試されるのは“杜氏の腕”というわけですね。

PVはユーモア溢れるエンタメムービーに仕上がっていますが、酒造りへのこだわりはホンモノそのもの。両蔵の杜氏とも誠心誠意「彩の原石」を醸します。

 

初戦、2回戦では石井酒造がリード!

決選投票イベントは、全3回に分けて開催されました!
1回戦は12/19(土)に「KURAND SAKE MARKET浅草店」で、2回戦は翌20日(日)に「KURAND SAKE MARKET池袋店」で行われ、いずれも石井酒造の勝利。ここまでの得票は【石井酒造:39票/寒梅酒造:27票】ということで、その差は12票差・・・。このまま順当に石井酒造の勝利で終わるのか。はたまた寒梅酒造の大逆転はあるのか。勝負の行方はまだ分かりません。

いざ、最終決戦の地へ!

そして・・・来たる12/23(水)、「KURAND SAKE MARKET渋谷店」にて最終決戦が行われました。

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イベントのスタートは12時半からでしたが、12時ちょっと過ぎにはすでに何人ものお客さんが!

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対決のキーマンである両杜氏、石井酒造・和久田健吾さん(写真右)と寒梅酒造・鈴木隆広さん(写真左)より、ウェルカムドリンクとしてそれぞれの代表銘柄である「豊明」(石井酒造)と「寒梅」(寒梅酒造)が振る舞われました。また、それぞれの「彩の原石」のラベルをデザインしたオリジナルお猪口はおみやげとして持ち帰れるのだそう!これは嬉しい特典ですね。

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最終決戦の火蓋が切って落とされる!

12時半を少し回ったころ、おもむろに照明が落とされイベントがスタート!
先ほどのPVがプロジェクターで投影された後、怪しげな出立ちでマイクを手にしたのは進行役を務める”業界最年少社長”の石井酒造代表・石井誠さん。一度会場からはけた石井酒造・和久田杜氏、寒梅酒造・鈴木杜氏がそれぞれ呼び出され、会場は拍手に包まれます。いよいよ<埼玉SAKEダービー:最終戦>の開幕です!

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開会にあたり、両杜氏が意気込みを語りました。

石井酒造・和久田健吾杜氏
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「 みなさんの応援で、ここまでのところリードしております!本当にありがとございます!私のお酒は”ほどよい甘み・コク”が特徴かなと思います。その個性を楽しんでいただけたら嬉しいです。まぁ・・・先輩には申し訳ないのでですが、これだけの差がありますから(笑)、自信をもって最終戦に望みます!」

寒梅酒造・鈴木隆広杜氏th_IMG_2286
「本日はイベントにご参加いただきありがとうござます。えーと、ここまでの結果はご存知の通りなのですが・・・最後まで自分のお酒を信じて、逆転したいと思っています。私の醸す酒はどちらかというと”バランス重視”。食事に合う飲みやすさも売りなので、ぜひその部分も味わってください。どうぞ応援よろしくお願いします!」

 まずはブラインドで「彩の原石」を飲み比べ

会場前方の机に「A」「B」という新聞紙に包まれたお酒が並べられました。
どちらがどちらの「彩の原石」なのかは分からず、飲んでみた味わいだけで好きな方を選びます。IMG_1197

お客さんたちの酒を利く姿は真剣そのもの!

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じっくり吟味した後に、投票用紙の「A」「B」どちらか気に入った方に丸をつけ、投票BOXへ。お客さんの投票だけが結果を決める、小細工一切なしのガチンコ勝負です。

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オープンされた「彩の原石」を改めて味わう

ブラインドでの投票が終わると、新聞紙が剥がされラベルがオープン!A、Bそれぞれの「彩の原石」がどちらの蔵のものなのかが明かされます。

今度はラベルを見比べたり、杜氏に直接話を聞きながら、改めてふたつのお酒を飲み比べ!冷やした状態だけでなく、常温で飲んだり、燗をつけたりと、さまざまな飲み方を楽しむことができました。
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会場では「彩の原石」だけでなく、KURAND SAKE MARKET渋谷店にあるすべての日本酒も飲み放題!
さらには、最終日限定のおつまみとして”手作り漬物”の提供も!くいくいお酒が進み、イベントに会場の熱も高まっていきます。

両杜氏によるプレゼンタイムで最後のPR!

イベントもいよいよ後半戦。最後のPRチャンスとして、両杜氏によるお酒のプレゼンテーションが行われました!

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石井酒造・和久田杜氏は自らの醸した酒を「蔵の個性である甘み・コクを”武器”にした。味がダレないように酸のキレにもこだわった」と語ると、寒梅酒造・鈴木杜氏は「目指したのは究極のバランス。するすると”気づいたら飲んでいた”というお酒に仕上げた」と負けじと対抗。プレゼンテーションの後は各テーブルを周り、お客さんに直接の自らのお酒の魅力を語っていました。

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いよいよ最終投票。雌雄を決する瞬間はまもなく!

プレゼンテーションから15分。いよいよ最終投票が〆切となりました。今度は石井酒造か寒梅酒造、どちらのお酒が美味しいと感じたかを”名指し”で投票していきます。

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投票時間が終わると、さっそく集計!

いよいよ、<埼玉SAKEダービー>の最終結果発表の瞬間がやってきました。
緊張の面持ちで結果を待つ両杜氏…IMG_1356

結果は・・・・

まずはブラインドテイスティングの結果から」司会の石井誠さんが読み上げます。

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寒梅酒造:22票
石井酒造:15票

 

「そして、PR後の最終投票の結果は

寒梅酒造:27票
石井酒造:8票

 

3日間の総得票数は・・・

寒梅酒造:76票
石井酒造:62票

 

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寒梅酒造、大逆転サヨナラ勝利!

みごと大逆転勝利を収めた寒梅酒造・鈴木杜氏に、会場全体から惜しみない拍手が贈られました!

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まだ「信じられない」という表情の鈴木杜氏。司会の石井さんに呼ばれ、マイクを持ちます。

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「正直、逆転でできると思っていなかったので何にも言えないんですが・・・。でも、私の酒を応援して下さった方がたくさんいて、本当に嬉しいです。本当にありがとうございいます!」

とまどいながらも、徐々にその表情には笑顔が!

「今回のイベントはあえて対決というカタチをとったので、必要以上に”勝負”の側面が煽られてしまったと思うのですが、本当のところは”どちらの方が優れている”というわけではないと思っています。ふたつのお酒を飲み比べて、その味の違いを楽しんでいただけたならば嬉しいです。私も石井酒造も思いは同じ、”埼玉の日本酒をもっと盛り上げたい”。今年で終わりではなく、来年もまたみなさんに楽しんでいただける企画をやっていきたいと思っています!」

実に大人である。こんな勝負の瞬間にも、きちんとイベントの趣旨を説明してくださるなんて!

一方、やぶれてしまった和久田杜氏。表情からは悔しさがにじみます。IMG_1375

「このように、僕にとっては厳しい結果になりましたが、この結果とみなさまからのご意見を自分の酒造りに活かしていきたいです!とりあえず一言・・・鈴木さん、調子にのってすみせんでした!!」

謝罪する和久田杜氏に会場は温かい笑いで包まれました。何度も言うようですがこの二人、ほんとはとっても仲良しなんですよ!

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スペックだけじゃない、”造り手の個性”こそ日本酒の魅力

今回のイベントは”造り比べの勝負”という側面が大きく取り上げられてきましたが、実際にお客さんから聞こえてきたのは「どっちも本当に美味しい!」「まったく同じスペックなのに、こんなにも個性が違うお酒ができるのかとビックリした!」といった”造り手の個性は日本酒の魅力だ”という声です。

イベントの締めには、本企画の発起人であり、進行役を努めた石井誠さんからこんな挨拶がありました。

「みなさん、改めて埼玉SAKEダービー千秋楽にお越しいただきありがとうございました!うちにとっては厳しい結果になってしまいましたが・・・そのことを真摯に受け止め、また良い酒を醸せるよう励んでいきます」

「今回のイベントでは、嗜好品である日本酒に”あえて優劣をつける”ということにチャレンジしましたが、本当に感じていただきたかったのは”どちらが美味しいか”ということではなく、”造り手の個性によって、日本酒の味わいが大きく変わる”ということです。日本酒ブームの今、酒米や精米歩合、酵母といったスペックに目が行きがちですが、その上で造り手の個性・蔵の個性というものがあります。そういった日本酒における”人の魅力”を感じていただけたなら嬉しいです!」

「そして、埼玉県は実は日本酒の生産量が全国で4番目という酒処なんです。ですが、現状なかなか盛り上がっていない。私は、”埼玉にもこんなに美味い酒があるんだぞ!””こんなに活きのいい若手蔵があるぞ”ということをなんとか発信したいと考え、<埼玉SAKEダービー>を企画しました。これからも、どんどん新しいこと、面白いことにチャレンジしていくので、ぜひ埼玉清酒を応援してください!」

会場からは本日一番の拍手!石井酒造、寒梅酒造による<埼玉SAKEダービー>は、スペックだけでは語りきれない造り手という日本酒の魅力と、これからの埼玉清酒へ期待感を強く残して閉幕となりました。
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躍動する埼玉の若手蔵元の中心、石井酒造から目が離せない!

本企画の発起蔵であり、”業界最年少コンビ”として注目を集める埼玉県幸手市・石井酒造。<埼玉SAKEダービー>が大盛況のうちに閉幕したのもつかのま、2016年向けてまた新しいプロジェクトが進行中なのだとか!”これからの埼玉清酒の担う蔵”として存在感を高める石井酒造に、これからも要注目です!

sponsored by 石井酒造株式会社