※この記事は2015年5月26日時点の情報です。公開時より内容が変更となっている場合があります。
みなさま、こんにちは、SAKETIMES鯨飲系ライターのスギオカです。
「へべれけ」の語源は、かの有名なギリシャ神話の中に出てくる「ヘーベーエリュエケ・ヘーベーリュエケ(へーべのお酌)」が有力らしいんですって。
青春をつかさどる女神・へーべ様。後にヘラクレスの奥方になる方らしいのですが超絶美人さんで、注いでくれるお酒は驚くほど美酒になり神々はそのお酒を喜んで何杯も飲み干し、倒れこむほど酔いしれたとか。いつの時代も美人さんのお酌は殿方を酔わせるのに効果的なのかもしれませんね。
今回は、角打ちのススメ。vol.2 行っちゃおうかな。
なんと鳥取では、立ち呑みのことを「立ちキュー(立ってキューっと1杯やる」と呼んでいる新情報をゲットできました。同じ呑み方をしていても、場所によって表現が違うって面白いですね。
さて、今回スギオカがオススメする角打ち。なんとその店内、紛れもなく倉庫。昼間は配達用のトラックが入っているから、ガレージ兼倉庫になるのかしら?
ガレージ兼倉庫で角打ち?
兎にも角にも、今回ご紹介する角打ちの舞台。酒屋さんの店先を通り越し、酒屋さんの倉庫なのでございます。
門前仲町駅から歩くこと7分ほど。
夕暮れ時の門前町の喧騒をくぐり抜け、ほっと一息つくような昔ながらの下町風景のなかにその噂の倉庫「角打ちガレージバー せ・ぼん」さんが現れます。
入ってみると、やっぱり倉庫。
天井が物凄く高く、配達用のケースなどもまるでインテリアのごとく置いてある。これがまた、返って酒呑みの好いところをくすぐる雰囲気をかもし出しています。
ゆっくり座れる角打ち!?
1人だとちょっと入りずらいかなぁと思いつつ、勇気を持って一歩を踏み出せば、「いらっしゃいませ、お好きなお席へどうぞ!」と、にこやかに大将が声をかけてくれます。
「角打ちって、立ち呑みじゃないの?」と思い見渡してみると、みなさん、思い思いの場所に着座されてそれぞれに好きなお酒を楽しまれている模様。酒呑みは細かいこと言っちゃいけませんっっっ!!
今や、立ち食い蕎麦だって椅子がある時代。座って飲ませてくれる角打ち、なんてありがたいんだ!と、スギオカも呑む気満々で着座いたしました。とは言え、気になるので聞いてみたところ、
「だっておいしいお酒はゆっくり呑んでいってほしいじゃない?』
と、大将の優しいお気持ちお聞きすることできました。ビバ、座れる角打ち!
銘酒揃いのガレージ倉庫
そんなこんなで着座して、改めて周りを見回すと
その品揃えも量も、圧巻。
流石、酒屋の倉庫!こんなに沢山の一升瓶に見下ろされながら呑む機会は中々ない気がします。
大将に、そのとき呑みたい気分の日本酒の雰囲気(きりっとした、とか、甘めのとか)や西日本の日本酒、東北のお酒 と言った地域などざっくりお伝えするだけで、とっびきりの美酒を数本チョイスしてきてくださいます。
揃い踏みしている銘酒は、100ccのグラス盛り切りで310円から高くても570円と言う驚きの安さ。
座って呑める角打ちは膝にもお財布にも優しいのです。
「これは飲み屋さんで見かけたら絶対呑んでおいた方がよいよ~」の人気沸騰、三重の銘酒「而今」に始まり
福島の銘酒なれど、名は『奈良萬』。
蔵から眺める山々にかかる雲が鯨が海を泳いでいる様であったと命名された、岐阜の銘酒「鯨波」。
会津の風土を酒に落とし込めた銘酒「飛露喜」。
そして、最後に、「これは本当になかなか手に入らないから」と勧められた埼玉の銘酒「花陽浴(はなあび)」。
一切の圧を加えず、ぽたぽたと滴った部分を斗瓶に集めたその味は気品溢れるフルーティーな香りが印象的な淡麗な味わいのお酒でした。
おつまみも自家製の塩辛や合鴨のスモークなどオール260円で、持ち込みも可能だそう。
今の季節開け放ったガレージは、まるでオープンカフェのようで気持ちも良くて、紹介して下さる銘酒も素敵過ぎてついつい長居してしまいたくなる角打ちでした。夕刻に酒場へと姿を変える、ガレージ。門前仲町、夜の散策の際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
それではまた、明日もみなさまに良い酔い1日が舞い降りますように。
◎店舗情報
- 店舗名:「角打ち せ・ぼん」
- 住所:東京都江東区牡丹2-4-5
- TEL:03-5245-2977
- 営業時間:15:00~20:00
- 定休日:土曜、日曜、祭日