新潟県にある日本海最大の離島、佐渡島。四方を海で囲まれているため、魚介類が豊富に獲れることでも知られています。そのなかでも、いかは特に漁獲量が多く人気。佐渡を代表する海の幸です。
そんな佐渡にある「いか徳利(とっくり)」をご存知でしょうか。いか徳利は名前の通り、いかでできた徳利。おつまみコーナーで見かける"するめいか"が、徳利の形に加工されているんです。
佐渡に行かなくても買える!
「いか徳利」は佐渡に行かなくても購入することが可能。新潟駅から車で約10分、朱鷺(とき)メッセという大きなコンベンションセンターの隣にある、佐渡汽船新潟港ターミナル内の売店で販売しています。
近くの立体駐車場は1時間以内であれば無料で駐車できるので、サクッと買い物をするくらいならじゅうぶん。車社会の新潟にとって、無料駐車場はありがたい存在です。
車を停めてターミナルに向かうと、さまざまな国の言葉で「佐渡へようこそ」と書かれた看板がありました。佐渡に行くわけではないのに、なんだかワクワクしてきますね。丸くてかわいい窓が、船内にいるような気持ちにさせてくれます。
床には佐渡が描かれていました。アルファベットの S や Z に似ていると言われることもある佐渡島。なんとも不思議な形ですね。
売店に入ると、たくさんの日本酒がズラリと並んでいました。さすが清酒王国・新潟。
そして、お酒の隣にありました!こちらが「いか徳利」です。
かわいい手書きのポップ。いか徳利の加工にはとても手間がかかるため、佐渡島内でもつくっている人はごくわずかだそう。1,620円という少々高めの価格にも納得です。
用意するお酒はもちろん佐渡の地酒
さて、いか徳利を試してみましょう。せっかくなので佐渡のお酒を選びました。
ロバート・デ・ニーロが訪れたことでも有名な北雪酒造の「甚九郎」。新潟県内で初めての試みとなる、不耕起自然栽培米コシヒカリ(化学肥料・農薬不使用)を100%使用したお酒です。
不耕起自然栽培とは、耕さない自然なままの田んぼで栽培すること。耕す工程がないぶん簡単なのでは...思いきや、米農家いわく、耕されていない田んぼでの栽培はかなり難しいのだとか。
まずはそのまま呑んでみましょう。米の甘い香りがしますね。しっかりとした味わいですが、口に残るようなべったり感はありません。米の旨味を感じられる、キレの良いお酒です。
つづいて、袋の後ろに記載されている手順に沿って、いか徳利を楽しみます。まずは、湯のみを用意。
縦長の少し大きい湯のみに立ててみたらピッタリでした!
あたためたお酒を注ぐと、いかの香りが一気に広がります。
説明通り、2,3分待ってからお猪口に注いでみました。徳利のフチが歪んでいるので注ぎにくいかと思いきや、すぼまった部分もあるので意外とスムーズ。お酒を注ぐと、いかの香りがさらに引き立ちます。
いざ実食!いか徳利、その味は?
いか徳利に入れた燗酒を飲んでみましょう。
・・・これは美味しい!
お猪口に口をつけると、いかの味がしっかり感じられます。まるで、ソルティ・ドッグのグラスについた塩のよう。思わずかじりたくなってしまいました。お酒を呑みながら同時にいかも味わえるなんて、一石二鳥ですね。
さらに、付属のゲソを炙って入れてみました。塩気がちょうど良く、イカの香ばしさが口いっぱいに広がります。
しばらくすると、いか徳利が柔らかくなってきました。中のお酒がうっすらと透けて見えますね。
いかの成分が溶け出したのか、いか徳利に入れておいたお酒は色がついていました。
お酒を飲みきった後は、そのままむしゃっと。がっつりとお酒の染みたいか。美味くないわけがないでしょう!ひれ酒やあご酒を飲んだ経験はありますが、いか酒もなかなか良いですね。
ちなみに、今回使用したいか徳利、実はすこし前に購入したものなんです。
新たに買ったいか徳利はこちら。
以前は付いていた「いか猪口」がなくなってしまいました。ちょっと寂しい。
商品説明を読むと、"夜中に作業をしたり、火加減を見たりと大変手間のかかる珍品です"とのこと。お猪口がなくなったのも仕方ないのかもしれませんね。
ちなみに、ゲソは健在ですよ!
いか徳利は3ヶ月ほど日持ちするそうなので、インパクトがバッチリなお土産としても喜ばれそうです。新潟にお越しの際は、日本酒とともにいか徳利を購入してみてはいかがでしょうか。
(文/茜)