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国内製造トップシェア!鏡開きなどで利用される「菰樽」岸本吉二商店インタビュー!

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利き酒師の片桐新之介です。

大きな神社などでお馴染みの光景。それを作っている会社のお話です。

皆さんは「酒樽」というものはご存知かと思います。ところが、「菰樽」と聞くと、知っているというより、読めない人もいるのでは。
でも1度は目にしているはず。樽の外側に酒の銘柄が書かれている部分がありますよね。
それは酒樽を保護し、外装を整えるために、表に印し(銘柄)を刷り込んだ菰莚(むしろ)を酒樽に巻き、立縄や横縄の縄類で締め上げているのです。
今回は、その「菰樽(こもだる)」の国内製造トップシェアを誇る会社、兵庫県尼崎市の「岸本吉二商店」4代目社長の、岸本敏裕さんに、「菰樽」の歴史と、新しい取り組みの数々について聞いてみました。

尼崎市で生産が盛んな理由と創業の経緯を教えてください。

江戸時代から、尼崎市・伊丹市近辺では、農家の農閑期の余業として、自分の家で取れた藁を菰に織ったり、縄にくくったりしていました。その菰縄を集めて、蔵元に売る商いがありました。
当家でも、その商いをしておりました。そして、曽祖父の岸本吉二が明治30年代に岸本吉二商店を立ち上げ、創業いたしました。

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尼崎という場所で菰をつくるのがなぜ続けられたのか。

元々、江戸時代から尼崎には菰縄を仲買して、蔵元に売る商いがありました。当時は最盛期で100万丁を超える菰樽を江戸へ送っておりました。
なぜ、尼崎に?となるとですが、伊丹・灘の周辺地域で農業地帯であったのと、仲買人グループがあったというのが理由だと思われます。
(筆者注:今でこそ住宅地ですが、かつて尼崎から伊丹のあたりは一面田んぼだったようです。また、伊丹を中心として酒を江戸へ送る流通網が確立されていました。尼崎もその酒造業と流通業の重要な拠点の1つだったのです。また、資料によると江戸時代中期、尼崎城下に縄やむしろを農家から買取り、酒造家へ卸売をする商業者が数多く存在したことが分かっています。)

製造のピークはいつくらいでしょうか?

製造のピークは12月です。お正月に鏡開きをされる需要、神社の飾り樽の交換などで12月が最盛期になります。その最盛期を円滑に対応する為に、通常時に準備しております。

職人の数と一人前になるまでの年数を教えてください。

現在、荷師という菰樽を巻く職人は5人です。2~4年で一人前になります。

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樽(殆どはディスプレイ用ですので、中身は発泡スチロールの場合が多いです)に、むしろを巻きつけて、縄で縛っていきます。淡々とやっておられますが、とても難しそう!

いつごろからさまざな企画樽をつくり始めたのですか。

ミニ菰樽(お酒の入る1.8L菰樽)は昭和38年ごろに作られました。
ミニ鏡開きセットは平成16年に新発売されました。
デザイナーとコラボした商品は平成22年頃より始めました。
(筆者注:ミニ菰樽は大手百貨店などでも販売されたりして、多くの人の目を引きつけています。また、デザイン菰樽も展示会で多くの注目を浴びています。伝統的な技の継承、そして日本酒文化の発展のため、菰樽製造会社として新しい取り組みを積極的に行っておられます。酒樽による鏡開きを模したパーティー用品、「ドンパ」などは、関西らしい遊び心に満ちた商品です。)

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展示会の様子。カラフル、かつ斬新です。

海外の展示会の反響はどうだったでしょうか?

米国と台湾で展示会に出展しました。
米国は展示会で売買契約を結んで商品を輸出しましたが、なかなか再注文がない状態です。
台湾は日本への知識も深く、菰樽を知っている方も多く、展示会自体も好評で、その後の商流も続いております。
外国人の方でも、日本に興味がある、日本酒に興味があるという前提の中では評判がいいが、それ以外の方にはなかなか受け入れられないように思います。

 

今回は日本酒文化の側面を支える岸本吉二商店さんにお話を伺いました。新しい視点からもお酒の歴史や面白さについて考える、知ることは非常に面白いですね。

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とある百貨店での催事の様子。ミニサイズ、可愛いですね。贈り物として今後人気が出そうです。ぜひ、岸本吉二商店さんのホームページもご覧下さい!

鏡開き・菰樽専門メーカーめでたいな.com

 

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