日本有数の米どころ、庄内地方は羽黒山の門前町に竹の露酒造場はあります。安政5年(1858年)創業。大正13年に法人化されました。東北の霊場として羽黒山は修験道羽黒派として全国に名を知られていました。蔵の前身も、修験僧たちの年中行事に提供する酒を醸した造り酒屋のひとつでした。

切れ良くなおかつ旨みある「豊潤淡麗」

sake_hakurosuisyu1 (1)

蔵の目指す酒質は「豊潤淡麗」いわゆる旨みがあるのに切れが良い酒です。麹造りには重きを置き、一升枡麹蓋法という杉材製の麹蓋で一升ずつ手間暇かけて精麹します。この方法で育った麹は酵素力が強く、低温長期発酵にもへこたれず完全発酵を実現し、蔵の個性を作り出します。

すべて自社栽培、地元産の酒米使用

出羽三山地区の自然環境を最大限に活用し「地産地消」にもこだわりがあります。仕込み水は蔵の地下300mから引く硬度22度という天然弱アルカリ無菌超軟水「出羽三山深層水」を使用。雑味のない吟醸系の酒を醸すには最高の水質で、美肌にも効くと評判で販売もされているほどです。酒米も蔵元、杜氏、蔵人ともに酒米作りを行っており、また「羽黒酒米研究部会員」とともに県内有数の酒米産地となっています。現在は県を代表する酒米「出羽燦々」ほか「美山錦」「改良信交」「亀の尾」「出羽の里」など7種を生産しています。

いつまでも呑み続けてしまう逸品

sake_hakurosuisyu2 (1)

この純米大吟醸は、出羽燦々を39%まで精米して醸されています。この酒米は個人的に香り華やかで派手な印象がありますが、このお酒はフルーティーな出羽燦々らしさが出ているものの、香味は穏やかで上品。大吟醸らしいエレガントさもありながら、スマートですっきりとした味わい。

後口もあくまで上品にスッと切れていきます。いつまでも呑み続けられる逸品です。インパクトはありませんが素直に「旨い」酒と言えます。料理に寄り添って、互いのポテンシャルを引き出しあう究極の名脇役と言えるでしょう。

 

日本酒の魅力を、すべての人へ – SAKETIMES