コンビニで手軽に買えるカップ酒。家飲みが増えて、目に入る機会が増えてきた方もいるのではないでしょうか。
今回は、コンビニで購入できるカップ酒を8種類、SAKETIMES編集部で飲み比べました。それぞれ、どのような味わいなのでしょうか。
- 『上撰 ワンカップ大関』
- 『白鶴 サケカップ まる』
- 『月桂冠 エコカップ』
- 『松竹梅 蔵出ししぼり』
- 『日本盛 超盛300』
- 『沢の鶴 1.5カップ 濃いめ』
- 『菊正宗 しぼりたてギンカップ』
- 『ふなぐち菊水一番しぼり』
『上撰 ワンカップ大関』
─ テイスティングコメント
べっこう飴やはちみつを思わせるような、もったりとした厚みのある甘い香りを感じます。
口に含むと、甘味と旨味が強いものの、ベタついた感じではありません。中盤から余韻にかけてはキレが良く、ドライな味わいです。ぴりぴりとしたアルコールの刺激が残り、全体的にボリュームがあって、飲みごたえがあります。飲み比べた中では、口に含んだときの甘味がもっとも強い印象でした。
◎商品概要
- 商品名:『上撰 ワンカップ大関』
- アルコール度数:15%
- 容量:180ml
- 購入価格:239円(税込)
『白鶴 サケカップ まる』
─ テイスティングコメント
べっこう飴のような、もったりとした甘い香りも感じられますが、爽やかな酸味の印象が強いです。グレープフルーツを思わせる、爽快感のあるジューシーな酸味です。
口当たりは、きれいでクリア。序盤から中盤にかけて、ボリュームのある甘味や旨味が感じられますが、酸味のおかげで全体的にすっきりとしています。飲み比べた中でもっとも酸味の強い味わいでした。
◎商品概要
- 商品名:『白鶴 サケカップ まる』
- アルコール度数:14%
- 容量:200ml
- 購入価格:169円(税込)
『月桂冠 エコカップ』
─ テイスティングコメント
炊いた米や米麹を思わせる、ふくよかで甘味のある香りです。青竹のような爽やかな香りも強く感じます。
口当たりが非常にやわらかく、じゅわっと身体に染み込んでいきます。なめらかでクリアな飲み心地で、優しい味わい。中盤は米の旨味がしっかりと感じられ、甘味や旨味の余韻も長く、アルコール感があまり強くないため、飲みやすいです。
◎商品概要
- 商品名:『月桂冠 エコカップ』
- アルコール度数:14%
- 容量:210ml
- 購入価格:167円(税込)
『松竹梅 蔵出ししぼり』
─ テイスティングコメント
炊いた米や米麹を思わせる、ふくよかで安心感のある香り。青竹のような香りもわずかに感じられます。
口当たりがやわらかく、なめらかな舌触りです。中盤の甘味・旨味のボリュームはやや抑えめですっきりとしていますが、余韻はアルコール感をやや長く感じます。月桂冠と同じく、やわらかく優しい味わいですが、全体的に味の要素がシンプルで、よりクリアな印象です。
◎商品概要
- 商品名:『松竹梅 蔵出ししぼり』
- アルコール度数:14%
- 容量:200ml
- 購入価格:152円(税込)
『日本盛 超盛300』
─ テイスティングコメント
炊いた米のような、ふくよかな甘味のある香りです。口当たりは透明感があって、きれいでなめらか。全体的に甘味が少なく、ドライな印象を受けます。味の要素がシンプルで、バランスが良い味わいです。
飲み比べた中ではもっともバランスが良く、アルコールの苦味などのクセがほとんどないので、大容量でも美味しく飲みきれそうです。
◎商品概要
- 商品名:『日本盛 超盛300』
- アルコール度数:15%
- 容量:300ml
- 購入価格:234円(税込)
『沢の鶴 1.5カップ 濃いめ』
─ テイスティングコメント
米の旨味とアルコールをガツンと感じる力強い香り。第一印象は、強い旨味です。アルコールの味を強く感じるため、濃い味のつまみが欲しくなるお酒です。力強くインパクトのある味ですが、アルコールのキレが良く、全体的にはドライな味わいでした。
◎商品概要
- 商品名:『沢の鶴 1.5カップ 濃いめ』
- アルコール度数:15.5%
- 容量:270ml
- 購入価格:228円(税込)
『菊正宗 しぼりたてギンカップ』
─ テイスティングコメント
普通酒とは思えない強い吟醸香があります。また、甘味の余韻を長く感じる香りです。
口当たりはきれいで、まるで吟醸酒のよう。口に含んだ後、厚みのある甘味が広がります。吟醸香を楽しむためには、キンキンに冷やして、味をシャープにしたほうが良いでしょう。吟醸香のインパクトが強いお酒で、クリアで透明感のある味わいです。
◎商品概要
- 商品名:『菊正宗 しぼりたてギンカップ』
- アルコール度数:15.5%
- 容量:180ml
- 購入価格:217円(税込)
『ふなぐち菊水一番しぼり』
─ テイスティングコメント
香りは、青りんごなど、もぎたての若い果実のようなフルーティーさで、フレッシュで若さを感じつつ、米っぽい香りも感じられます。
口当たりは、フレッシュでジューシーな甘味。ピチピチとしたフレッシュさがあります。アルコール度数が19度と高く、甘味・旨味・酸味がそれぞれ強く感じられ、他の商品と比べて要素の多い味わいですが、バランスの良いお酒です。
◎商品概要
- 商品名:『ふなぐち菊水一番しぼり』
- アルコール度数:19%
- 容量:200ml
- 販売価格:315円(税別)
8種類のカップ酒を飲み終えて
「カップ酒」とひとくくりにされることが多いですが、実際に飲み比べてみると、商品ごとの味わいの違いは想像以上に明確でした。しかし、全体を通して、ボリュームのある味わいで飲みごたえのあるものが多く、塩気の強いおつまみや料理との相性が良さそうな印象です。
コンビニなどでよく販売されているカップ酒は、いつでもどこでも、安定した高いクオリティで私たちを満足させてくれます。美味しい日本酒をリーズナブルに、かつ安定的に供給してくれるメーカーの企業努力を感じたテイスティングでした。
(文/SAKETIMES編集部)