国内・国外ともに日本酒市場を牽引する「獺祭」。

今回はそんな「獺祭」のラインナップから、通年商品として販売されている7種類を厳選し、SAKETIMES編集部で飲み比べ、官能評価をしました。それぞれ、どのような味わいなのでしょうか。

『純米大吟醸 スパークリング45』

純米大吟醸 スパークリング45 720ml

テイスティングコメント

まず印象的なのは、米の旨味を充分に感じられる厚みのある香り。炭酸はほどよい強さで、泡は細かく、クリーミーな甘みを感じますが、べたついてはいません。

むしろグレープフルーツのような爽やかな甘みがあり、味わいに厚みがある反面、とても飲みやすいです。しっかりと旨味を感じさせながらも透明感をキープするのはさすがの技術。ガス感がほどよいので、飲み込む際のひっかかりも少ないです。

◎商品詳細

  • 商品名:『純米大吟醸 スパークリング45 720ml』
  • アルコール度数:14%
  • 精米歩合:45%
  • 販売価格(税込):2,046円
  • 特徴:瓶内二次発酵
  • 購入リンク:獺祭Store WEB店

『純米大吟醸45』

獺祭 純米大吟醸45

テイスティングコメント

グラスに注いで最初に感じるのは、甘みの強い華やかな吟醸香。マスカットやリンゴのようなジューシーな果実を想起させます。グラスを回してみると、白玉粉を思わせる米由来の旨味も感じられました。

口当たりはなめらか。グラスから立ち上がる吟醸香の印象と比べると、口内から抜ける吟醸香はやや穏やかで、どちらかというと、生米のような輪郭のはっきりとした旨味が優勢でした。

甘みと旨味のバランスが良く、余韻にアルコールの苦味が感じられ、全体を引き締めています。ラインナップの中ではもっとも旨味の印象が強かったです。

◎商品詳細

  • 商品名:『純米大吟醸45 720ml』
  • アルコール度数:16%
  • 精米歩合:45%
  • 販売価格(税込):1,650円
  • 特徴:2019年4月1日より『純米大吟醸50』からリニューアル
  • 購入リンク:獺祭Store WEB店

『磨き三割九分』

獺祭 磨き三割九分

テイスティングコメント

「純米大吟醸45」と同じニュアンスの華やかな吟醸香がありますが、旨味の印象はより穏やかで、全体的にスマートで引き締まった香りに感じられました。瑞々しい果実を想起させる香りは、「純米大吟醸45」よりもツヤと透明感があり、柑橘系の果物を思わせるニュアンスもありました。

飲んでみると、口当たりはさらになめらかで軽快。中盤から余韻にかけて優しい甘みとともに、アルコール由来の心地よい苦味をわずかに感じます。しかし、全体的なクリアで透明感のある印象は変わらずありました。

◎商品詳細

  • 商品名:『磨き三割九分 720ml』
  • アルコール度数:16%
  • 精米歩合:39%
  • 販売価格(税込):2,541円
  • 購入リンク:獺祭Store WEB店

『磨き三割九分 遠心分離』

獺祭 磨き三割九分 遠心分離

テイスティングコメント

「磨き三割九分」と比べて、洗練されたシャープな吟醸香です。甘みの強い果実というよりは、スウィーティーなど、柑橘類のニュアンスを感じます。

味わいはさっぱりしていて、「磨き三割九分」よりもさらになめらかな口当たり。アルコール由来の苦味が少なく、心地良い穏やかな甘みが、口当たりから余韻まで長く続きました。

◎商品詳細

  • 商品名:『磨き三割九分 遠心分離 DXカートン 720ml』
  • アルコール度数:16%
  • 精米歩合:39%
  • 販売価格(税込):3,965円
  • 特徴:遠心分離搾り
  • 購入リンク:獺祭Store WEB店

『磨き二割三分』

獺祭 磨き二割三分

テイスティングコメント

グラスに注いですぐに感じるのは、とても上品で繊細な吟醸香。ゆっくりとグラスを回すと、奥に隠れていた、微弱でもはっきりと感じられる旨味を感じられます。高揚感のある香りです。

ひと口飲んでみると、なめらかな甘みがありながら、驚くほどクリアな味わい。舌の上で転がすと甘みや旨味がじわっと感じられます。アルコール感はほとんどなく、甘みの余韻が長いので、しずかにゆっくりと味わいたい一本です。

◎商品詳細

  • 商品名:『磨き二割三分 720ml』
  • アルコール度数:16%
  • 精米歩合:23%
  • 販売価格(税込):5,390円
  • 購入リンク:獺祭Store WEB店

『磨き二割三分 遠心分離』

獺祭 磨き二割三分 遠心分離

テイスティングコメント

「磨き二割三分」にもこれ以上ない透明感がありましたが、こちらはさらにその上。「磨き二割三分」には余韻にわずかなアルコール感があったが、こちらは透き通った甘みと穏やかな旨味以外の成分を見つけるのが困難でした。

「磨き二割三分」と比べると、香り・味わいともに、甘みのほうがやや優勢。「磨き三割九分」でも同じことを感じましたが、遠心分離のほうが、甘みが爽やかな印象。口当たりから余韻まで上品な甘みが持続しました。

◎商品詳細

  • 商品名:『磨き二割三分 遠心分離 720ml DXカートン入』
  • アルコール度数:16%
  • 精米歩合:23%
  • 販売価格(税込):8,497円
  • 特徴:遠心分離搾り
  • 購入リンク:獺祭Store WEB店

『磨き二割三分 早田』

獺祭 磨き二割三分 早田

テイスティングコメント

抜栓の時点で「ポン」と音がしました。フレッシュ感のある一本です。

香りは、フレッシュで若々しい青りんごのような吟醸香。「磨き二割三分」「磨き二割三分 遠心分離と比べると、もっとも旨味が強く感じられ、クリアながら飲みごたえがあります。編集長の小池はこれがいちばん好みでした。

◎商品詳細

  • 商品名:『磨き二割三分 早田 720ml 木箱入』
  • アルコール度数:16%
  • 精米歩合:23%
  • 販売価格(税込):11,000円
  • 特徴:二酸化炭素マイクロナノバブル技術を利用した特殊な火入

「獺祭」7種類を飲み終えて

獺祭の飲み比べ

こうして飲み比べてみると違いがはっきりとしますが、全商品に共通して感じられたのは、洗練された上質な吟醸香と透明感のある繊細な甘み。それらの要素こそが「獺祭」のアイデンティティなのかもしれません。

日本酒初心者からコアなファンまで、世界中の幅広い層に受け入れられる「獺祭」の魅力に触れられた気がしました。

紹介したお酒は、全国の獺祭正規取扱店でも購入することができます。ぜひ、お気に入りの一本を探してみて下さい。

(文/SAKETIMES編集部)

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