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音楽 × 日本酒のコラボレーション!ストレイテナー・ホリエアツシ、lovefilm・石毛輝と巡る木戸泉酒造

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音楽と酒。

"切っても切れないもの”として語られることの多い両者ですが、それはライブの打ち上げで飲まれるビールや、硬派なハードリカーをイメージすることが多く、こと「日本酒」においてはなかなか音楽という文脈で語られることはないように思います。

しかし、一流ミュージシャンの中にも、大の日本酒党がいるんです。

ひとりは、2003年のメジャーデビュー以降、日本のロックシーンを牽引し続けてきた人気バンド「ストレイテナー」のフロントマン・ホリエアツシさん。

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もうひとりは「the telephones」でシーンを席巻し、現在は新バンド「lovefilm」にて活躍中の石毛輝さん。

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いずれも日本を代表する大物アーティストですが、両名とも「ライブの打ち上げではだいたい日本酒の美味い店を選ぶ」というほどの日本酒好きなのだそう。

今回、人気メンズコスメブランドBLUK HOMMEが運営するオウンドメディア「BLOG HOMME」の企画・協力のものと、ホリエさん・石毛さん両名とSAKETIMESとのコラボレーションが実現! 日本酒の魅力をもっとディープに感じていただくべく、SAKETIMES代表の生駒とともに千葉県いすみ市の木戸泉酒造を訪ねました。

木戸泉酒造は、東京駅から特急「わかしお」で約1時間10分の大原駅近くにあり、都心からのアクセスは抜群。そんな木戸泉酒造の五代目蔵元・杜氏でいらっしゃる荘司勇人さんと、蔵人のポッツ・ジャスティンさんが「酒蔵訪問ははじめて」だというおふたりをご案内します。SAKETIMESの生駒も同行し、日本酒業界の現状について解説していきます。

造りの流れに沿って木戸泉の酒蔵を見学

荘司さんに案内され、まずは蒸米設備を見学。夏場のこの時期は残念ながら酒造りをしていない木戸泉酒造ですが、古い醸造設備が残る蔵内は見応え充分!

蒸米に使う大きな木製のこしきについて、荘司さんは「今はもう作っていないもの。こしき自体をつくれる職人がほとんどいないんです」と説明してくださいました。そんな状況にも関わらず木製のものを使い続ける理由は「結露しないため、米に余計な水分がいかない」ことなのだそう。

かなりマニアックな話かな・・・と思いますが、食入いるように荘司さんのお話を聞く両名。これはどうやら相当お詳しいようです。

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荘司さんの話を真剣な表情で聞くホリエさん・石毛さん

続いて麹室を見学。造りの期間中は蔵人以外立ち入れないという場所に、やや緊張した面持ちで中に入る一同。

室に漂う麹の香りに「すんごいいい香りですねー」とホリエさん。石毛さんは自らのスマートフォンで蔵内の写真をパシャリ。おふたりの日本酒愛が伝わってきます。

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木戸泉の真髄に触れる酒母室

麹室の次は酒母室へ。ここは酒造りの要のひとつで「酛(酒母)」と呼ばれる、文字通りお酒のもとをつくる工程。蒸米・麹・水を混ぜてタンクに入れ、そこにアルコール発酵に欠かせない酵母を加えて大量に増やしていきます。

木戸泉の酒造りにおける最大の特徴が、この酒母造りにあります。

「木戸泉の酒母は、全量『高温山廃』という造り方をしています。これは酵母の繁殖に必要な乳酸菌を自然発生させ、酒母造りの過程で乳酸にかえる『山廃造り』をベースにしたものです。一般的な山廃との違いは、乳酸菌を自然発生させるのではなく、自家培養した生の乳酸菌を利用している点。昭和31年からずっと変えずに使い続けています」と荘司さん。

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木戸泉では、すべての酒をこの「高温山廃」という方法で製造しています。さらに、「米を40%以上磨く吟醸酒は造らない」など、先代のころから続く独自のこだわりを貫き続けているのです。

そんな姿勢に、石毛さんからは「パンクだし、変態ですね!」と感嘆の声が。続いて「音楽の世界ではどちらも褒め言葉。他がやっていない独自のこだわりを貫く姿勢はカッコいい」とホリエさん。息のあったおふたりの掛け合いに、自然と会話が盛り上がります。

生駒も「今、個性的で新しいことに挑戦する酒蔵も増えてきているが、木戸泉はそんな流れに右往左往せず、ぶれない酒造りを続けているところがすごい」と、木戸泉の魅力を語りました。

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酒造りは体力勝負!? 木造建築としても価値の高いタンク室

製造したお酒を発酵・貯蔵するタンク室は、築100年以上ながら今なお変わらぬ姿を残す風情ある建屋となっています。ですが、「造りの時期の作業は、昼夜を問わない。15キロの蒸米をもってタンクを何回も登り降りする」という厳しい環境に、驚く一同。

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今年1月から木戸泉の蔵人として働くジャスティンさんも、「酒造りがこんなに大変だとは思っていなかった。知っているのと、実際にやるのではこんなにも違うのかと驚きました」と苦笑い。

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それでも酒造りを続ける理由を「日本の発酵文化は、世界でも類を見ないほど奥深くて魅力的。そんな中でも日本酒は人と人をつなげる力がすごい。僕が感動した日本文化をもっともっと伝えたい。そのためには、もう造るしかないなと思ったんです」と教えてくれました。

「それに、味も美味しいしね」と笑うジャスティンさんに、「もしかしたら、ジャスティンのほうが日本の魅力をよく分かっているのかもしれないね」と石毛さん。

蔵人とミュージシャン、まったく異なる職業の両者が互いに日本酒の魅力を語り合うこの瞬間に、ジャスティンさんの言う“人と人をつなげる日本酒の力”が感じられました。

bulkhomme_kidoizumi_07雰囲気抜群のタンク室の前で記念撮影!とても絵になるふたりです

いよいよ試飲タイム! 個性豊かな木戸泉のお酒を堪能

蔵見学のあとは、木戸泉のお酒をたっぷり試飲!試飲したのは全部で7銘柄。荘司さんがひとつずつ、丁寧に解説してくださいました。

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木戸泉のお酒は、自家培養した乳酸菌を活かした「独特の酸味」が特徴。料理と合わせることで、そのポテンシャルが最大限に発揮されます。

しかし、少し前まで日本酒のトレンドといえば“スッキリした飲みやすいお酒”でした。「ようやく時代が追いついてきましたが、当時は誰も受け入れてくれませんでしたよ」と笑う荘司さん。時代や流行に流されることなく、こだわりの酒造りを続けてきた木戸泉酒造の代表銘柄のひとつが「afs(あふす)」です。

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カンパイ!

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ネーミングからは「最近できたお酒なのかな?」と思われるかもしれませんが、実は45年前にできた銘柄で、安達・古川・荘司という開発者3名の頭文字をとったものなんです!これだけでも相当に“時代を先取りした感覚”を持っていたことが伺えますが、味もまた個性派。木戸泉の真骨頂とも言える酸味とどっしりとした甘みあり、日本酒というより白ワインと思えるほど。しかし、あとに残るしつこさはなく、スルリと飲み進めることができる逸品です。

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その味わいを石毛さんは「ボディプレスのよう!」と独特の言い回しで表現。ホリエさんは「スキマのない味。食前に呑むのもよさそう」とさすが日本酒玄人と思わせる一言。両名とも“さすがアーティスト”と思わせてくれる表現力です。

さらに、甘みを抑えて食中酒としてもおすすめの「自然舞スパークリング」、生酒だが燗でもおいしいという「純米生原酒 白玉香」、ど定番の「木戸泉 純米醍醐」、無農薬・無化学肥料の自然農法で育てた米を原料にした「自然舞 純米酒」、現蔵元杜氏の荘司勇人さんが開発された「木戸泉 純米瓶囲い」、ブレンド古酒の「古今」という実にバリエーション豊かな計7本銘柄を試飲。

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特に古酒は木戸泉でも力を入れているカテゴリーで、ホリエさんに「今までは飲みにくいイメージがあり苦手だったけど、これはウイスキーのように濃厚なのに日本酒の骨格がきちんとあって後味はスッキリ。古酒の概念が変わった」と言わしめたほど。

荘司さんは「小手先の技術ではなく、文化のバトンをつなげていきたい。だからこそ、先代がこだわった酒造りを大切にしたいんです」と造りへの想いを語ってくれました。

それに対して石毛さんは「音楽にも通ずるところがある。最近ではコンピューターによっていくらでも音を修正できてしまうが、やはり“きちんと弾いた音”は違う。だからこそ最近は“弾くことの大切さ”を残したいと思っています」と答えます。

蔵人とミュージシャン、一見すると相容れないように思える両者ですが、実はどちらも「こだわりを表現するアーティスト」。共感する部分も大きいようです。

“創造で感動させる” ―― 音楽と日本酒に通じるもの

実はおふたりとも「最初から日本酒が好きだったわけじゃない」のだそう。しかし、美味しい日本酒に出会ったことをきっかけに、どんどん日本酒が好きになっていったとか。

さらにホリエさんは、日本酒の好きなところを「日本酒は地域性が面白い。各土地で味の雰囲気が違うし、たくさんの個性があるのが魅力的」と語ってくださいました。なんと、ライブの打ち上げのお店の相談はホリエさんご自身に来るのだとか!

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この日が初めての蔵見学だったおふたり。「想像していたよりも古くて情緒があった。“伝統”の重み・魅力を感じました」と石毛さん。

ホリエさんは「ただの工場見学ではなく、酒造りのこだわりを聞かせてもらえてよかった。これだけ知れば、木戸泉のことを好きにならずにはいられないですね」と嬉しいコメントをくださいました。

そんな二人に対して、SAKETIMESの生駒は「『多様性に価値がある』ことは日本酒も音楽も同じだと感じました。音楽好きの人たちも、きっと日本酒の魅力に気づいていただけると思います。 ぜひ、おふたりのファンの方にも日本酒の幅広い個性に触れてほしいですね!」と、ジャンルを超えたコラボレーションに手応えを感じたようです。

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最後に荘司さんは「日常では接点のないミュージシャンの方々ですが、今日お話させていただいて、かなり共通した部分があるなと思いました。クリエイターというか、お互いに創造したもので感動させるというか。そこにシンパシーを感じました」と語ります。

音楽と日本酒。カタチの違う両者ではありますが「創造で人を感動させたい」という想いは同じ。一流ミュージシャンであるホリエさん・石毛さんフィルターを通して、改めて日本酒の奥深い魅力が感じられたように思います。

(取材・文/SAKETIMES)

◎企画ディレクション
BULK HOMME

◎photographer
Hiroki Ota

◎BLOG HOMMEでは今回見学に行った3名の鼎談の様子が記事になっていますので、ぜひ御覧ください!
SAKETIMES連動 対談企画 「音楽もお酒も 作り手の意志がやがて その先の世界を開く鍵になる」

《Artist info》

◎ストレイテナー
9th Album「COLD DISC」発売中。

COLD DISC

今年も各地夏フェスに出演。秋からはツアー「Step Into My World TOUR」後半戦がスタート。 詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。

◎lovefilm

lovefilm1st Album 『lovefilm』
2016年8月3日(水) 発売
lovefilm_album~ lovefilm 1st tour "livefilm”~

詳細はこちら
lovefilm Official HP

 

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