こんにちは、イタリア在住のSAKETIMESライター永野薫と申します。

SAKETIMES読者の方々へ日本酒の味わいや魅力、そしてヨーロッパの方々から見た日本酒という視点も併せてお届けしたいと考えております。

今回は、新しいタイプの日本酒「稼ぎ頭」をイタリア人に飲んでもらった時の彼らの感想、そしてイタリア、ヨーロッパの文化にも自然に入っていけそうなこのお酒の特徴を紹介したいと思います。

日本酒ビギナーに最適

鮮やかなブルーのボトルが目を引きますが、口に含むと広がるチェリーの風味が、ボトルの色とは一転、暖色系のフルーツの彩りを彷彿とさせます。

日本酒には日本食、という考えを持っていた方や、日本酒に苦手意識を持っている方にも試してもらいたい1本。

まるで白ワインのような華やかな酸味が、イタリア料理や、桃やりんご、ベリー系のフルーツととても相性が良く、酸味が引いた後にお米の甘さと旨みを味わうことができるのは、日本酒ならではのおいしさです。

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いつの時代も革新者、「月の桂」の増田德兵衞商店

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斬新な日本酒ではありますが、紹介銘柄「稼ぎ頭」を醸すのは、延宝三年(1675年)創業、酒づくりで有名な京都伏見の酒蔵の中でも長い歴史を持つ、増田德兵衞商店にごり酒と古酒の元祖蔵元ということで、昔ながらの製法と季節感を大切にする酒造りをモットーにしながらも、今も昔も固定概念を覆すようなお酒を造っています。

『新しい感覚や発想に導いてくれる人こそが現代の稼ぎ頭です。』というところから名付けられた「稼ぎ頭」。日本酒ツウにも、新たな日本酒の概念を与えてくれる1本です。

稼ぎ頭の特設HPでは、お水や炭酸水で割ったり、ベリー系のフルーツを落としてカクテルのように飲む方法も紹介されています。

パーティーに、デザートに、ワイングラスと合わせて

「雪冷え」と言われる5~8℃に冷やすといっそうおいしくいただけます。さらにワイングラスで頂くと、香りを逃がさず、低温を保てるのでおすすめです。

立食パーティー、ホームパーティーなど、華やかなシーンでお料理を片手に試していただきたいですね。吟醸酒やスパークリング清酒など、華やかな場面に沿う日本酒はほかにもありますが、低アルコール(8度)のため、アルコール度数が気になる方にも身近な一本に為り得るはず。オリーブオイルとレモンの香るカルパッチョや、タパスなどとも相性抜群。

セイヨウカリンの風味?

欧米では、食前酒の文化が浸透しています。私の住むイタリアでも、夕食前に、オリーブや生ハムなどをつまみ、おしゃべりをしながら軽く1杯を愉しみますが、そんなシーンにもってこいの稼ぎ頭。日本酒に慣れていないイタリア人たちにテイスティングをしてもらいましたが、イタリアの食材とも相性が良いと好印象。

ワインのテイスティングに慣れている彼らからすると、チェリーのほかに、セイヨウカリン(見た目はビワに似た果実)の味を感じるとの意見でまとまりました。セイヨウカリン、まだ食べたことがないので想像が膨らみます。フルーティーな日本酒を飲む際には、どんな果物の味がするのか考えながら味わうのもまた1つの楽しみかもしれません。

 

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