日本酒の仕込み方に「三段仕込み」と呼ばれるものがあります。
今回は、三段仕込みについてご説明しようと思います!

 

1. 三段仕込みとは?

三段仕込みとは、醪(もろみ)を仕込むときの製法のことをいいます。

醪はタンクに酒母(しゅぼ)・麹(こうじ)・蒸米(むしまい)・水をいれて仕込みます。
醪を仕込む前にできあがっていた酒母を先にタンクに入れた後、麹・蒸米・水を数回に分けてタンクに入れます。麹・蒸米・水を3回に分けて入れるのが一般的な仕込み方で、これを三段仕込みといいます。三段仕込みは4日間で行われます。

 

2. なぜ3回に分けて入れる必要があるの?

view_tank

日本酒は微生物などの複雑な発酵過程を経てできあがります。この発酵は複雑ゆえに繊細であるため、日本酒造りに悪影響を及ぼす微生物(雑菌)から影響を受けないようにしなければなりません。
このとき、日本酒の発酵の特性を活かし、他の微生物からの侵食を防いでいます。
この日本酒の発酵の特性とは『日本酒造りに使われる微生物は、他の微生物が弱いはずの「酸性」にはとても強い』というものです。

酒母を最初に造るとき、この特性を活かし「酸性」になっています。
醪を仕込むときもこの酸性を保ったままでなければ、安全な仕込みができません。しかし、麹・蒸米・水は酸性ではありません。ですので、酸性の酒母に、酸性ではない麹・蒸米・水を一度にタンクへ投入してしまうと酸性が薄まってしまうのです。そこで、麹・蒸米・水を3回に分けて投入することで一度に酸性が薄まることをさけ、安全に醪が発酵していけるというわけです。

つまり、三段仕込みをする理由とは酸性を保って安全な醪の仕込みをするためです。

 

3. 三段仕込み以外にもある!

4日間で3回に分けて行う三段仕込みは、ほとんどの酒蔵が採用している仕込み方です。「10日間で8回に分ける」や「3日間で2回に分ける」などの仕込み方は、ほぼされていません。

しかし、三段仕込み以外でも4段仕込み・6段仕込みなど書かれている日本酒を飲んだことはありませんか?
これらは三段仕込みが終わった後に、蒸米を足して造られています。三段仕込み + 1回蒸米投入なら4段仕込み、三段仕込み + 3回蒸米投入なら6段仕込みということになります。

三段仕込みに加えて4段さらには6段仕込みになると味わいは甘くなります。
(6段仕込み以上の仕込み方もあります。)

そもそも日本酒は、
麹がお米(蒸米)のデンプンを糖分に変え、
酵母(酒母)がそのデンプンをアルコールにする
という発酵がされています。

つまり、お米は糖分のもとであり、お米の糖分がアルコールになります。

しかし、三段仕込みが終わった時点で、酵母(酒母)は、みずから生み出したアルコールによって死滅してしまいます。ということは、糖分がいくらあってもその糖分をアルコールに変えることができないのです。酵母(酒母)が死滅した後に糖分を足しても、そのままお酒に蓄積されていくことになります。

よって、三段仕込みが終わったタンクの中にいくら糖分のもとである蒸米を投入しても、糖分としてお酒に残るので甘いお酒に仕上がります。

 

4. まとめ

三段仕込みとは、醪の仕込み方法です。
酒母を先にいれたタンクに、麹・蒸米・水を3回に分けて投入します。

3回に分けて投入する理由は酸性を保って安全な醪の仕込みをするためです。

関連記事