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蔵人を目指す方にオススメ。清酒製造技術講習~製造実習編~

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こんにちは。兵庫県の酒蔵で「女性蔵人」をやっていました。現在は東京都在住、3兄弟の母親でもあります、あつこです。

東京都北区滝野川にあります、独立行政法人酒類総合研究所で行われる「清酒製造技術講習」。

「製造実習」「官能評価(利き酒)」「分析」「講義」と、主に4つに分類される分野のうち、今回は「製造実習」について、当時私が経験したことを紹介します。

参加者は全国から集まる酒蔵の若手蔵人16名だったのですが、4つの班に分かれ、それぞれの班で1, 総米100㎏の仕込み、2, 酒母(しゅぼ)造り、3, 麹造り:製麹(せいきく)、その他に各個人で4, 総米1kg小仕込みを行います。

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1, 総米100㎏仕込み

日本酒の仕込みは、「米」「米麹」「酵母」「水」を使って行います。

4つの班のうち、2つの班が酒造りによく使用されている醗酵の泡立ちが旺盛な「協会7号」酵母、別の2つの班が泡立ちのない「協会701号」酵母を使って仕込みます。

酵母には上記の通り泡立ちのあるもの、ほとんどないもの、の2種類があり、泡立ちの多いものだと、うっかりするとタンクからあふれ出るものもあり、それぞれ酒蔵によって使い分けています。

ちょっと話がそれましたが、研修では4人が協力し合い、洗米、仕込み、朝夕の温度管理を行います。出来上がったものを、醪(もろみ)と言い、その後、上槽(じょうそう:醪を絞って清酒と酒粕に分ける工程)、ろ過、瓶詰め、火入れを行い、全員で各班の仕上がった清酒の利き酒をして見合います。

同じ工程を経て行っても、それぞれ班によって味も違うのでとても勉強になりますし楽しい実習です。

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2, 酒母(しゅぼ)造り

「生酛(きもと)」とラベルに書かれた清酒が販売されていますが、これはお酒の「もと」となる酒母の製造に必要な雑菌を防ぐ乳酸菌を育てるところから作り出す方法です。

実習では、「生酛」と書かれていない、酒蔵ではよく使われる乳酸を加える普通速醸と呼ばれる方法で行います。こちらは、容量が少ないので、少しの温度変化が出来上がりに影響します。

そこで「暖気樽(だきだる)」と言われる湯たんぽのようなステンレス製のものの中に、お湯や氷を入れ穏やかに品温管理をします。実習では、出来上がりが12Lと容量が更に少ないので、1Lのショット瓶で代用しました。出来上がった酒母を分析し、容量を計り、目標とする数値と比較します。

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3, 麹造り:製麹(せいきく)

次に蒸米に麹菌(こうじきん)を振り掛けて「米麹(こうじ)」を造る実習です。
こちらは手で混ぜる作業以外は、機械に温度管理を任せる方法と、吟醸酒でよく行われているお盆のような形の蓋と呼ばれる木箱に分け入れ、その蓋を積み重ねて温度管理をする2種類の方法を行います。

酒蔵と同じく夜中に混ぜる作業があるので、工場の仮眠室で1泊ずつ泊りました。実習は4人の班なので協力して行えますが、実際酒蔵では1人で作業を行うことが多いので、責任重大な仕事なんですよ。

4, 総米1㎏小仕込み

1〜3は班単位での作業でしたが、次に各個人で総米1㎏の仕込みを行います。新しいお酒を商品開発するとき、醗酵経過や出来上がりの予測を知る上で小仕込みは有効な方法です。

本生産前のテスト製造ですね。実習では、各個人が市販されている梅酒を仕込むような4L瓶で仕込みます。私も、以前勤めていた酒蔵で古代米を使用した新商品を考えたとき、小仕込みでテストを行っていました。

当実習では、使用米の量が少ないのでお米を蒸す作業を省き、一度蒸して乾燥させたα化米(アルファ化米)と乾燥麹で水を加えるだけと簡易的に行いました。それでも、ちゃんとアルコール度数20度の清酒が出来上がりました。

実習は、徹底した室温管理の状況の下行われているので、経験の浅い参加者にもわかりやすい実習でした。実際、酒蔵では、室温管理も気温次第というところがありますので、状況に合わせた温度管理が必要になってきます。

次回は、官能評価(利き酒)について紹介します。

※本年度の募集は終了しておりますが、実習参加のご興味のある方は。こちらのページから募集要項を参照できます。
ぜひご覧ください。

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