2025年5月27日(火)に、「International Wine Challenge(IWC/インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」のSAKE部門における、トロフィー受賞酒が発表されました。速報でお伝えします。

世界的なワイン品評会「IWC」とは?

世界最大級のワインコンテスト「IWC」は毎年ロンドンで行われ、“世界でもっとも大きな影響力をもつワインコンテスト”ともいわれています。

IWCに「SAKE部門」が誕生したのは2007年。以来、SAKE部門の受賞酒は国内外で注目され、IWCは日本酒の海外進出における重要なコンテストとして、その価値を高めてきました。

IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2025

©Keisuke Irie

2025年のSAKE部門は「普通酒」「純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「本醸造酒」「吟醸酒」「大吟醸酒」「スパークリング」「古酒」「熟成」の10カテゴリーに分けられ、それぞれの部門でブラインドテイスティングによる審査が行われました。

2023年から、古酒は「Amber Style(古酒)」と「Aged Style(熟成酒)」に分けて審査されていましたが、2024年から、「Aged Style(熟成酒)」からもトロフィーが選出されることになりました。IWCが定めるそれぞれのエントリー条件は、以下となっています。

  • Amber Style(古酒):黄色から琥珀色に着色している。貯蔵期間(上槽から出荷まで)は3年以上。貯蔵方法(容器、温度)は問わない。自然な熟成タイプ。
  • Aged Style(熟成酒):酸化熟成が進みにくいように貯蔵温度や貯蔵方法を工夫し、蔵内で1年以上熟成させてから出荷。色合いも変化していないクリアに近いタイプ。

審査結果に応じて与えられる評価は「Gold(ゴールドメダル)」「Silver(シルバーメダル)」「Bronze(ブロンズメダル)」「Commended(大会推奨酒)」の4つ。

さらに、ゴールドメダルを獲得した出品酒の中で特に優れたものに「トロフィー」が与えられ、その中の1点に、SAKE部門の最高賞として「Champion Sake(チャンピオン・サケ)」の称号が授けられます。

また、日本での小売価格が四合瓶換算で1,500円(税抜)以下、かつ生産量が四合瓶換算で10万本以上という優れたコストパフォーマンスを持った出品酒に与えられる賞が「Great Value Sake(グレート・バリュー・サケ)」。その中の1点が「Great Value Champion Sake(グレートバリュー・チャンピオン・サケ)」に選出されます。

加えて、エントリーした複数の出品酒すべてが高い評価を得た酒蔵は「Sake Brewer of the year(サケ・ブリュワー・オブ・ザ・イヤー)」として表彰されます。

さらに、エントリーした複数の酒蔵が優れた総合成績を収めた都道府県に対して「Sake Prefecture of the Year(サケ・プリフェクチュア・オブ・ザ・イヤー)」が授与されます。

「IWC 2025」SAKE部門 トロフィー受賞酒

2025年のSAKE部門には1,476点が出品され、32点がトロフィーに輝きました。

※県名トロフィー/地名トロフィー:トロフィー受賞にはわずかに及ばなかったものの、トロフィー受賞酒と産地が異なる次席の出品酒に授与される賞
※樽酒トロフィー:樽酒の素晴らしさを表現した出品酒に授与される賞
※にごりトロフィー/ロゼトロフィー/生酒トロフィー:審査員の声によって、それぞれ「にごり」
「ロゼ」「生酒」という特徴が際立って優れているため、トロフィー名に表記を残しました。

◎普通酒部門

  • 普通酒トロフィー:「華秋田」株式会社北鹿(秋田県)
  • 栃木・普通酒トロフィー:「鮮」北関酒造株式会社(栃木県)

◎本醸造酒部門

  • 本醸造トロフィー:「愛宕の松 県内本醸造」株式会社新澤醸造店(宮城県)
  • 宮城・本醸造トロフィー:「愛宕の松 別仕込本醸造」株式会社新澤醸造店(宮城県)
  • にごり・本醸造トロフィー:「喜久水 本醸造 白貴天龍」喜久水酒造株式会社(長野県)

◎純米酒部門

  • 純米トロフィー:「浅間山 IBUKI」浅間酒造株式会社(群馬県)
  • 兵庫・樽酒トロフィー:「菊正宗 純米樽酒」菊正宗酒造株式会社(兵庫県)
  • 兵庫・純米トロフィー:「松竹梅白壁蔵「然土」」宝酒造株式会社(兵庫県)
  • 広島・純米トロフィー:「特別純米 雨後の月 十三夜」相原酒造株式会社(広島県)

◎純米吟醸酒部門

  • 純米吟醸トロフィー:「大雪渓 純米吟醸 D 雄町」大雪渓酒造株式会社(長野県)
  • 神奈川・純米吟醸トロフィー:「セトイチかくかくしかじか」株式会社瀬戸酒造店(神奈川県)
  • 長野・純米吟醸トロフィー:「十六代九郎右衛門 純米吟醸 愛山」株式会社湯川酒造店(長野県)
  • 高知・純米吟醸トロフィー:「Boken Ringo」高木酒造株式会社/BOKEN Sake(高知県)

◎純米大吟醸酒部門

  • 純米大吟醸トロフィー:「七賢 白心 純米大吟醸」山梨銘醸株式会社(山梨県)
  • 山形・樽酒トロフィー:「SAKE HUNDRED 思凛 | SHIRIN」奥羽自慢/Clear(山形県)
  • 宮城・純米大吟醸トロフィー:「NIIZAWA KIZASHI 2021」株式会社新澤醸造店(宮城県)
  • 栃木・純米大吟醸トロフィー:「純米大吟醸 新たな」菊の里酒造株式会社(栃木県)
  • 千葉・純米大吟醸トロフィー:「甲子 純米大吟醸 山田錦50」株式会社飯沼本家(千葉県)
  • 兵庫・純米大吟醸トロフィー:「播州一献 純米大吟醸 山田錦」山陽盃酒造株式会社(兵庫県)
  • 鳥取・純米大吟醸トロフィー:「千代むすび純米大吟醸強力30」千代むすび酒造株式会社(鳥取県)

◎吟醸酒部門

  • 吟醸トロフィー:「陸奥八仙 ピンクラベル」八戸酒造株式会社(青森県)

◎大吟醸酒部門

  • 大吟醸トロフィー:「長崎美人 大吟醸」福田酒造株式会社(長崎県)
  • 群馬・大吟醸トロフィー:「プレミアム大吟醸 秘幻」浅間酒造株式会社(群馬県)
  • 埼玉・大吟醸トロフィー:「菊泉 大吟醸」滝澤酒造株式会社(埼玉県)

◎古酒部門

  • 古酒トロフィー:「寿萬亀 純米古酒」亀田酒造株式会社(千葉県)
  • 新潟・古酒トロフィー:「越後美人 古酒 H16」上越酒造株式会社(新潟県)
  • 奈良・古酒トロフィー:「談山 貴醸酒 累醸酒」西内酒造(奈良県)

◎熟成部門

  • 熟成酒トロフィー:「超特選 純米大吟醸 残響2018」株式会社新澤醸造店(宮城県)
  • 宮城・熟成酒トロフィー:「NIIZAWA 2018」株式会社新澤醸造店(宮城県)

◎スパークリング部門

  • スパークリングトロフィー:「賀茂鶴 スパークリング清酒 光壽」賀茂鶴酒造株式会社(広島県)
  • 山形・スパークリングロゼトロフィー:「米鶴 スパークリング・ロゼ」米鶴酒造株式会社(山形県)
  • 山口・スパークリング生酒トロフィー:「雁木 スパークリング 純米大吟醸」八百新酒造株式会社(山口県)

「Great Value Sake」受賞酒

  • 「華秋田」株式会社北鹿(秋田県)
  • 「愛宕の松 別仕込本醸造」株式会社新澤醸造店(宮城県)
  • 「鮮」北関酒造株式会社(栃木県)
  • 「喜久水 本醸造 白貴天龍」喜久水酒造株式会社(長野県)
  • 「菊正宗 純米樽酒」菊正宗酒造株式会社(兵庫県)
  • 「特別純米 雨後の月 十三夜」相原酒造株式会社(広島県)

「Sake Brewer of the year」候補

  • 平和酒造株式会社(和歌山県)
  • 株式会社新澤醸造店(宮城県)
  • 山梨銘醸株式会社(山梨県)

「Sake Prefecture of the Year」候補

  • 宮城県
  • 福島県
  • 長野県
  • 兵庫県

「チャンピオン・サケ」は、9月9日に発表!

「グレートバリュー・チャンピオン・サケ」、そしてSAKE部門の最高栄誉である「チャンピオン・サケ」は、ロンドン現地時間の9月9日(火)に発表されます。今年のチャンピオン・サケに選ばれるのはどの銘柄なのか、期待が高まります。

「IWC 2025」SAKE部門のトロフィー受賞酒の一覧は、公式サイトをご覧ください。

(文:SAKETIMES編集部)

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