2024年6月6日(木)に、「International Wine Challenge(IWC/インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」のSAKE部門における、メダル受賞酒とトロフィー受賞酒が発表されました。速報でお伝えします。
世界的なワイン品評会「IWC」とは?
世界最大級のワインコンテスト「IWC」は毎年ロンドンで行われ、"世界でもっとも大きな影響力をもつワインコンテスト"ともいわれています。
IWCに「SAKE部門」が誕生したのは2007年。以来、SAKE部門の受賞酒は国内外で注目され、IWCは日本酒の海外進出における重要なイベントとして、その価値を高めてきました。
2024年のSAKE部門は「普通酒」「純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「本醸造酒」「吟醸酒」「大吟醸酒」「スパークリング」「古酒」「熟成」の10カテゴリーに分けられ、それぞれの部門でブラインドテイスティングによる審査が行われました。
昨年から、古酒は「Amber Style(古酒)」と「Aged Style(熟成酒)」に分けて審査されていましたが、2024年から、熟成酒からもトロフィーが選出されることになりました。IWCが定めるそれぞれのエントリー条件は、以下となっています。
- Amber Style(古酒):黄色から琥珀色に着色している。貯蔵期間(上槽から出荷まで)は3年以上。貯蔵方法(容器、温度)は問わない。自然な熟成タイプ。
- Aged Style(熟成酒):酸化熟成が進みにくいように貯蔵温度や貯蔵方法を工夫し、蔵内で1年以上熟成させてから出荷。色合いも変化していないクリアに近いタイプ。
審査結果に応じて与えられる評価は「ゴールドメダル」「シルバーメダル」「ブロンズメダル」「大会推奨酒」の4つ。さらに、ゴールドメダルを獲得した出品酒の中で特に優れたものに「トロフィー」が与えられ、その中の1点に、SAKE部門の最高賞として「チャンピオン・サケ」の称号が授けられます。
また、日本での小売価格が税抜で1,200円(四合瓶換算)以下、かつ生産量が四合瓶換算で10万本以上という優れたコストパフォーマンスを持った出品酒に与えられるのが「グレートバリュー」。さらにその中の1点が「グレートバリュー・アワード」に選出されます。
さらに、出品した複数の日本酒すべてが高い評価を得た酒蔵は、「サケ・ブリュワリー・オブ・ザ・イヤー」として表彰されます。
「IWC 2024」SAKE部門 ゴールドメダル受賞酒
2024年のSAKE部門には1,504点が出品され、93点がゴールドメダルに輝きました。
◎普通酒部門(ゴールドメダル受賞数:2)
- 「不動 軽快辛口」鍋店株式会社(千葉県)
- 「RICH 山廃 香住鶴」香住鶴株式会社(兵庫県)
◎本醸造酒部門(ゴールドメダル受賞数:3)
- 「愛宕の松 県内本醸造」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 「喜久水 本醸造 白貴天龍」喜久水酒造株式会社(長野県)
- 「魚沼玉風味」玉川酒造株式会社(新潟県)
◎純米酒部門(ゴールドメダル受賞数:10)
- 「あたごのまつ 特別純米 冷卸」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 「天明 純米火入 オレンジの天明」曙酒造株式会社(福島県)
- 「澤姫 特別純米 真・地酒宣言 プレミアム」株式会社井上清吉商店(栃木県)
- 「高砂 山廃純米辛口」富士高砂酒造株式会社(静岡県)
- 「純米酒生もと造りマルト」黒澤酒造株式会社(長野県)
- 「十六代九郎右衛門 純米 ひとごこち」株式会社湯川酒造店(長野県)
- 「恵那山 純米」はざま酒造株式会社(岐阜県)
- 「作 穂乃智」清水清三郎商店株式会社(三重県)
- 「雁木 純米 ひとつび」八百新酒造株式会社(山口県)
- 「玉泉純米清酒」台湾タバコ酒類株式会社 桃園ワイナリー(台湾)
◎純米吟醸酒部門(ゴールドメダル受賞数:11)
- 「天明 純米吟醸火入 黒ラベル」曙酒造株式会社(福島県)
- 「セトイチ音も無く」株式会社瀬戸酒造店(神奈川県)
- 「松尾 純米吟醸 上水内」株式会社 高橋助作酒造店(長野県)
- 「越弌 Episode3.2」株式会社越後鶴亀(新潟県)
- 「羽根屋 純米吟醸 富の香」富美菊酒造株式会社(富山県)
- 「恵那山 純米吟醸 ひだほまれ」はざま酒造株式会社(岐阜県)
- 「都美人 太陽」都美人酒造株式会社(兵庫県)
- 「播州一献 純米吟醸 愛山」山陽盃酒造株式会社(兵庫県)
- 「仁喜多津 純米吟醸酒 さくらひめ酵母」水口酒造株式会社(愛媛県)
- 「宗政純米吟醸ー15」宗政酒造株式会社(佐賀県)
- 「七田 純米吟醸 50 雄町」天山酒造株式会社(佐賀県)
◎純米大吟醸酒部門(ゴールドメダル受賞数:31)
- 「陸奥八仙 まっしぐら40」八戸酒造株式会社(青森県)
- 「奥州ノ龍 純米大吟醸」岩手銘醸株式会社(岩手県)
- 「純米大吟醸 天寿」天寿酒造株式会社(秋田県)
- 「東光 純米大吟醸袋吊り 十八」株式会社小嶋総本店(山形県)
- 「SAKE HUNDRED 百光 別誂 | BYAKKO BESPOKE」株式会社Clear/楯の川酒造株式会社(山形県)
- 「伯楽星 純米大吟醸 ひかり」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 「超特選 純米大吟醸 残響2021」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 「超特選 純米大吟醸 残響2022」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 「NIIZAWA 2021」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 「NIIZAWA 2022」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 「NIIZAWA KIZASHI 2021」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 「NIIZAWA KIZASHI 2023」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 「蔵の華 純米大吟醸 鳳陽」合資会社内ヶ崎酒造店(宮城県)
- 「来福 純米大吟醸 超精米」来福酒造株式会社(茨城県)
- 「君萬代 純米大吟醸酒」株式会社田中酒造店(茨城県)
- 「木曽路 純米大吟醸 金紋錦」株式会社湯川酒造店(長野県)
- 「蓬莱 純米大吟醸 極意傳」有限会社渡辺酒造店(岐阜県)
- 「蓬莱 純米大吟醸 心白18」有限会社渡辺酒造店(岐阜県)
- 「四海王 純米大吟醸 夢幻」福井酒造株式会社(愛知県)
- 「作 槐山一滴水」清水清三郎商店株式会社(三重県)
- 「作 竒瑞」清水清三郎商店株式会社(三重県)
- 「作 雅乃智 中取り」清水清三郎商店株式会社(三重県)
- 「城陽 純米大吟醸40(山田錦)」城陽酒造株式会社(京都府)
- 「聚楽第 純米大吟醸 リミテッドエディション」佐々木酒造株式会社(京都府)
- 「純米大吟醸 雨後の月 れい」相原酒造株式会社(広島県)
- 「純米大吟醸 雨後の月 愛山」相原酒造株式会社(広島県)
- 「わかむすめ 燕子花」新谷酒造株式会社(山口県)
- 「桂月 にごり 純米大吟醸50」土佐酒造株式会社(高知県)
- 「菊美人 純米大吟醸 雫(しずく)」菊美人酒造株式会社(福岡県)
- 「天吹 純米大吟醸 愛山」天吹酒造合資会社(佐賀県)
- 「鍋島 純米大吟醸 赤磐雄町米」富久千代酒造有限会社(佐賀県)
◎吟醸酒部門(ゴールドメダル受賞数:3)
- 「陸奥八仙 ピンクラベル」八戸酒造株式会社(青森県)
- 「飛露喜 吟醸 山田錦」株式会社廣木酒造本店(福島県)
- 「渓流 150周年吟醸」株式会社遠藤酒造場(長野県)
◎大吟醸酒部門(ゴールドメダル受賞数:11)
- 「酔仙」酔仙酒造株式会社(岩手県)
- 「羽陽錦爛 大吟醸 雪女神33」錦爛酒造株式会社(山形県)
- 「大吟醸やまと桜 金ラベル」合名会社佐藤佐治右衛門(山形県)
- 「初孫 大吟醸」東北銘醸株式会社(山形県)
- 「惣誉 大吟醸」惣誉酒造株式会社(栃木県)
- 「夜明け前 大吟醸」株式会社小野酒造店(長野県)
- 「越後桜 première 大吟醸」越後桜酒造株式会社(新潟県)
- 「大吟醸 立山」立山酒造株式会社(富山県)
- 「宮の雪 大吟醸」株式会社宮﨑本店(三重県)
- 「福寿 大吟醸」株式会社神戸酒心館(兵庫県)
- 「大吟醸 極醸 喜多屋」株式会社喜多屋(福岡県)
◎古酒部門(ゴールドメダル受賞数:8)
- 「古昔の美酒 1997 喜久盛」喜久盛酒造株式会社(岩手県)
- 「國盛 秘蔵吟醸古酒」中埜酒造株式会社(愛知県)
- 「夢乃寒梅 古酒2000年」鶴見酒造株式会社(愛知県)
- 「酒呑童子 純米吟醸熟成酒 2014BY」ハクレイ酒造株式会社(京都府)
- 「談山 貴醸酒 累醸酒」西内酒造(奈良県)
- 「龍力 熟成古酒 玄妙」株式会社 本田商店(兵庫県)
- 「華鳩 貴醸酒8年貯蔵」榎酒造株式会社(広島県)
- 「KURA 2020/2021」Kanpai London Craft Sake(England)
◎熟成部門(ゴールドメダル受賞数:10)
- 「超特選 純米大吟醸 残響2020」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 「NIIZAWA 2020」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 「NIIZAWA KIZASHI 2019」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 「純米吟醸 辰ラベル No.3」合資会社辰泉酒造(福島県)
- 「大吟醸 熟露枯 秘蔵10年」株式会社島崎酒造(栃木県)
- 「渓流 大古酒」株式会社遠藤酒造場(長野県)
- 「梵・天使のめざめ」合資会社加藤吉平商店(福井県)
- 「VINTAGIENCE 碧雨」株式会社キャリアカーサービス/森本仙右衛門商店株式会社(三重県)
- 「SAKE HUNDRED 現外 | GENGAI」株式会社Clear/沢の鶴株式会社(兵庫県)
- 「八継 刻50 本醸造」沢の鶴株式会社(兵庫県)
◎スパークリング部門(ゴールドメダル受賞数:4)
- 「出羽桜 AWA SAKE」出羽桜酒造株式会社(山形県)
- 「Lovers XO スパークリング」富美菊酒造株式会社(富山県)
- 「雁木 スパークリング 純米大吟醸」八百新酒造株式会社(山口県)
- 「喜多屋 スパークリング アワサケ」株式会社 喜多屋(福岡県)
「IWC 2024」SAKE部門 トロフィー受賞酒
2024年のSAKE部門には1,504点が出品され、25点がトロフィーに輝きました。
※県名トロフィー/地名トロフィー:トロフィー受賞にはわずかに及ばなかったものの、トロフィー受賞酒と産地が異なる次席の出品酒に授与される賞
◎普通酒部門
- 普通酒トロフィー:「RICH 山廃 香住鶴」香住鶴株式会社(兵庫県)
- 千葉・普通酒トロフィー:「不動 軽快辛口」鍋店株式会社(千葉県)
◎本醸造酒部門
- 本醸造トロフィー:「愛宕の松 県内本醸造」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 新潟・本醸造トロフィー:「魚沼玉風味」玉川酒造株式会社(新潟県)
◎純米酒部門
- 純米トロフィー:「恵那山 純米」はざま酒造株式会社(岐阜県)
- 長野・純米トロフィー:「十六代九郎右衛門 純米 ひとごこち」株式会社湯川酒造店(長野県)
◎純米吟醸酒部門
- 純米吟醸トロフィー:「都美人 太陽」都美人酒造株式会社(兵庫県)
- 長野・純米吟醸トロフィー:「松尾 純米吟醸 上水内」株式会社高橋助作酒造店(長野県)
- 福島・純米吟醸トロフィー:「天明 純米吟醸火入 黒ラベル」曙酒造株式会社(福島県)
◎純米大吟醸酒部門
- 純米大吟醸トロフィー:「東光 純米大吟醸袋吊り 十八」株式会社小嶋総本店(山形県)
- 広島・純米大吟醸トロフィー:「純米大吟醸 雨後の月 れい」相原酒造株式会社(広島県)
- 佐賀・純米大吟醸トロフィー:「天吹 純米大吟醸 愛山」天吹酒造合資会社(佐賀県)
- 山口・純米大吟醸トロフィー:「わかむすめ 燕子花」新谷酒造株式会社(山口県)
◎吟醸酒 部門
- 吟醸トロフィー:「渓流 150周年吟醸」株式会社遠藤酒造場(長野県)
◎大吟醸酒部門
- 大吟醸トロフィー:「宮の雪 大吟醸」株式会社宮﨑本店(三重県)
- 長野・大吟醸トロフィー:「夜明け前 大吟醸」株式会社小野酒造店(長野県)
- 山形・大吟醸トロフィー:「大吟醸やまと桜 金ラベル」合名会社佐藤佐治右衛門(山形県)
◎古酒部門
- 古酒トロフィー:「華鳩 貴醸酒8年貯蔵」榎酒造株式会社(広島県)
- 愛知・古酒トロフィー:「夢乃寒梅 古酒2000年」鶴見酒造株式会社(愛知県)
- 奈良・古酒トロフィー:「談山 貴醸酒 累醸酒」西内酒造(奈良県)
◎熟成部門
- 熟成酒・トロフィー:「NIIZAWA KIZASHI 2019」株式会社新澤醸造店(宮城県)
- 福島・熟成酒・トロフィー:「純米吟醸 辰ラベル No.3」合資会社辰泉酒造(福島県)
- 三重・熟成酒・トロフィー:「VINTAGIENCE 碧雨」株式会社キャリアカーサービス/森本仙右衛門商店株式会社(三重県)
◎スパークリング部門
- スパークリングトロフィー:「出羽桜 AWA SAKE」出羽桜酒造株式会社(山形県)
- 山口・スパークリングトロフィー:「雁木 スパークリング 純米大吟醸」八百新酒造株式会社(山口県)
グレートバリューサケ受賞酒
日本での小売価格が税抜で1,200円(四合瓶換算)以下、かつ生産量が四合瓶換算で10万本以上という優れたコストパフォーマンスを持った日本酒に与えられる賞です。
- 「一ノ蔵 特別純米酒 辛口」株式会社一ノ蔵(宮城県)
- 「不動 軽快辛口」鍋店株式会社(千葉県)
- 「渓流 朝しぼり 出品貯蔵酒」株式会社遠藤酒造場(長野県)
- 「菊正宗しぼりたて純米キンパック」菊正宗酒造株式会社(兵庫県)
「チャンピオン・サケ」は7月9日に発表!
「グレートバリューアワード」と「サケ・ブリュワリー・オブ・ザ・イヤー」、そしてSAKE部門の最高栄誉である「チャンピオン・サケ」は、7月9日(火)に発表されます。今年のチャンピオン・サケに選ばれるのはどの銘柄なのか、期待が高まります。
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(文:SAKETIMES編集部)