新潟県・越後湯沢の白瀧酒造。その看板商品と言えば、若者を中心に広く支持を得ている「上善如水」です。「スッキリフルーティーな日本酒」を打ち出し、業界内外を騒然とさせた衝撃のデビューから、今年で25年。
このたび、そんな上善如水の25周年を記念した限定商品が発売となりました。「上善如水 純米大吟醸 山田錦25%精米 発売25周年記念ボトル」と「上善如水 純米大吟醸 50%精米 発売25周年記念醸造」。黒と白のコントラストが美しい本商品は、通常の上善如水と同様、素材と製法にこだわっているのはもちろん、パッケージも高級感ある特別仕様で展開されています。
そして注目すべきは、「50%精米」の商品においては、国産の酒造好適米を使用し、高い品質はそのままに、四合瓶で1,200円(税別)という驚くほどの低価格で提供されること。25周年の節目に、なぜこのような商品を打ち出したのか……上善如水25周年記念商品の魅力と、その想いへと迫ります。
黒白のコントラストが美しい、「上善如水」25周年記念商品
今回打ち出した25周年記念商品は、「25%精米」と「50%精米」の2種類。黒と白の対象的なボトルが印象的な両者はどちらも純米大吟醸ですが、精米の割合が異なります。
「25%」という精米歩合は白瀧酒造の中でも前例がなく、上品な香りとまろやかさのある優しい味わいが特徴です。彫刻加工を施したボトルは飲み終わった後もインテリアとして残しておける、まさに25周年記念にふさわしいメモリアルな商品。
一方、透明感のあるパッケージが印象的な「白」は精米50%で、上善如水のすっきりとした飲みやすさはそのままに、従来品よりもボディのしっかりとした風味が特徴と言えます。
そして、何と言っても注目すべきは1本1,200円という驚くほどの低価格。取引先からは25,000本超の予約注文があったとか。元々のファンはもちろん、上善如水を飲んだことがない方も”一飲の価値あり”な商品と言えそうです。
おどろきの低価格は、ファンへの感謝の気持ち
今回の25周年記念商品は、酒質からパッケージまでこだわりぬいた渾身の一瓶。しかし、手間ひまかけて造った高品質なお酒を1,200円という破格での発売に踏み切りました。一体なぜこんなにも安く提供することにしたのでしょうか。
記念商品を思い切った価格で発売することになった経緯について、商品企画担当の原澤さんは「できるだけ多くの方のもとへ届けたかった」と話します。
「今回の記念商品発売は、25年もの間、上善如水を支持し、愛し続けてくれたお客さま、料飲店、酒販店、卸さんへの感謝の気持ちを表したものでした。ですので、できるだけたくさんの方に飲んでいただきたかったのです」
25年間ご愛顧いただいた方々への感謝の気持ちを語ってくれた原澤さん。1,200円という低価格での提供は、ファンへの恩返しでした。
「上善如水」らしさを残しつつ、特別なものを。杜氏に聞く醸造秘話
25周年という節目に発表されたメモリアルな記念商品。上善如水の歴史に名を残す商品の醸造をするうえで、どんなところに心を砕いたのでしょうか。
「精米25%に関しては、何が起こるかわかりませんでした」
そう話してくれたのは、醸造の最高責任者である山口杜氏。酒造メーカーとして長い歴史を誇る白瀧酒造においても、精米25%というのは初の試みだったそう。
出来上がりのイメージとしてあったのは、”今まで以上に雑味のない綺麗な純米大吟醸酒”。しかし、米を25%まで磨き、栄養分が少なくなってしまった環境での低温発酵管理は困難を極めます。今回の試みについて「大変苦労しました」と語る杜氏の言葉からも、熟練の技を以てしても、一筋縄ではいかない難しさが伝わってきました。
試行錯誤の末、ようやく完成した精米25%の「上善如水」は角のとれた美しい味わいに。純米大吟醸らしい米の甘みを感じるピュアな風味の実現は、上善如水の、ひいては白瀧酒造の歴史に名を残す大きな出来事になったようです。
また、精米50%の「上善如水」は、ノウハウが既にあった分、「純米大吟醸という酒質で『上善如水』の軽快感と飲みやすさをいかに表現するか」というところにこだわって醸造したとのこと。
「上善如水の最大の特徴とも言えるフルーティーな味わいを左右する、麹づくりやもろみ管理に細心の注意を払って製造をすすめました。幅のある味わいがやわらかく広がり、上善如水らしいテイストを感じられると思います」
そう語ってくれた杜氏の自信は、苦心の日々に裏打ちされていたように思えます。
――上善如水の良さを残しつつも、25周年にふさわしい特別なものを。
25周年の集大成が一瓶一瓶に詰まっています。
渾身の一杯をひと足先に! SAKETIMES編集部テイスティングレビュー
造り手たちの想いや苦労がぎゅっと詰まった一杯を飲みたくならないわけがありません。ということで、SAKETIMES編集部では、皆さんよりもひと足先に50%精米の記念商品を飲ませていただきました。
◎「上善如水 純米大吟醸 50%精米 発売25周年記念醸造」テイスティングレビュー
■ 香り
ふわっと立ち上がる甘い香りが印象的。白玉粉のような穀物由来の香りが優勢だが、爽やかな吟醸香も感じる。全体的なイメージとしてフルーツポンチを想起。
■ 味わい
テクスチャーはやわらかく、なめらか。すっと体に染みこんでいく。余韻は短く、シャープなキレがある。
■ お酒の特徴
この上品な味わいを1,200円(720ml)で堪能できる圧倒的コスパの良さ。お酒単体で飲めてしまいそうな逸品。キンキンに冷えた状態のシャープな味わいから、常温に戻っていく過程で香りの華やかさが際立ってくるので、グラス一杯の変化が楽しめる。
■ 合わせたい料理
冷やしトマト、イカの刺身(少量の塩とライムで)、豚バラと豆腐の雪見鍋
四合瓶で1,200円という価格は信じがたいほど、掛け値なしの美酒。25周年の重みに恥じない味わいだと感じます。ぜひとも、ご賞味いただきたい逸品です。
「時代の変化に寄り添いながら、100年続くブランドへ」
最後に、25周年の節目を記念して、高橋社長にお話を伺うことに。今後、「上善如水」をどんなブランドにしていきたいですかという質問に、高橋社長はこう答えてくれました。
「引き続き、本格的な日本酒の入門編としての位置づけを守っていきたいです。時代時代の変化に対応しながら、日本酒をまだ飲み慣れていない若い方や、女性に広く支持されるようなブランドでありたいですね」
柔軟性を大切にしつつも、本格的な日本酒を幅広い層に知ってもらいたいという想いはブランド立ち上げ当初から変わっていないようです。
また、今後チャレンジしていきたいこととして、「スキンケア商品、酒粕を原料とした機能性食品の発売など、日本酒以外での商品開発に力を入れたい」と意気込みを見せてくれた高橋社長。
日本酒の味わいの面に関しても、「現状に満足することなく、昔ながらの製法である『生もと造り』や『山廃仕込み』で上善如水らしく現代風な味わいを再現したい」と語ってくれました。
世間が求めるニーズを丁寧に汲み取りつつも、本格的な日本酒を提供することに妥協することのなかった白瀧酒造。そんな企業としての”生き様”が25周年の集大成として、今回の記念商品になったように思います。上善如水を長く愛し続けた人もそうでない人も、この機会にぜひ白瀧酒造こだわりの真髄に触れてみてはいかがでしょうか。
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※ 一部売り切れのようですので、検討中の方はお早めにお買い求めください
(取材・文/佐々木ののか)
sponsored by 白瀧酒造株式会社
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