月が変わり8月、暑さが身にしみる季節になりました。名古屋ではこの時期、暑さに負けないくらい熱い日本酒イベントが開催されています。

それが、日本酒と美味しい料理の食べ合わせイベント「食べて飲もまい〜うますぎるがや〜」です。今回は、お盆に1日限りで開催される通称「たべのも」を、昨年の様子を踏まえてご紹介します。

日本酒と料理の食べ合わせを楽しめる"たべのも"

イベント名を見て、「"飲もまい"とか"うますぎるがや"ってなに?」と思われた方もいるかもしれません。これは、「飲もまい」は「飲んじゃおう」、「うますぎるがや」は「美味しすぎるよ」という意味の名古屋弁です。

そんな「たべのも」は、美味しすぎて方言が出ちゃうくらい楽しい、名古屋が誇る夏の日本酒イベント。今年で3回目を迎えます。

「名古屋で日本酒って有名なんだっけ?」と侮ってはいけません。「たべのも」は、独特の食文化で有名な名古屋らしいグルメイベント。その大きな特徴は2つあります。

①:日本酒と美味しい料理の食べ合わせが楽しめる

「たべのも」では、たくさんの日本酒を味わえるだけでなく、美味しい料理との食べ合わせも楽しめるのです。イベントに参加する飲食店は、いずれも日本酒好きな店主さんがいるお店ばかり。腕によりをかけた料理で、日本酒との素敵な食べ合わせを提供してくれます。

②:名古屋以外の飲食店まで参加するスケールの大きさ

名古屋の飲食店が主催するイベントでありながら、福岡や大阪、静岡からも日本酒ファン御用達の名店が参加します。ほかのイベントではなかなか見ないようなお店が並ぶため、普段は行けない有名店をハシゴすることも可能です。

「日本酒とお食事 はちどり」×「遊穂」(御祖酒造)

こちらは大阪から出店している「日本酒とお食事 はちどり」と御祖酒造のタッグ。さすが大阪、店員さんも元気いっぱいです。去年は「遊穂」の生酛純米生酒に、さっぱりとどて焼きを合わせました。

「お燗とvinめし くいぜ」×「日置桜」(山根酒造場)

「日置桜」を造る山根酒造場とタッグを組んだ「お燗とvinめし くいぜ」のブースには、強力という酒米を使った一押しの「日置桜」が並んでいました。浴衣姿でのお出迎えが涼しげですね。

「お燗とvinめし くいぜ」が「日置桜」に合わせた「手羽元のナヴァラン風」は、よく煮込まれた手羽元が柔らかくてジューシー。野菜や手羽元から出た旨味とトマトの酸味が、「日置桜」のパンチがある味と一体化する、絶妙な組み合わせでした。

このように、「たべのも」では日本酒に合わせた料理が用意されており、じっくりと食べ合わせを楽しむことができます。昨年も、酒蔵と飲食店が入念な打ち合わせをしていることを感じる仕上がりで、日本酒に対する価値観が広がるような食べ合わせばかりでした。

「日本酒を楽しむきっかけになってほしい」

「米家(まいほーむ)」店長の米重さん(左)、「味肴菜 みち藤」店長の林田さん(右)

「たべのも2019」に先駆けて、イベントの主催者であり、名古屋市千種区の「米家(まいほーむ)」で店長を務める米重さんに、イベントへの思いをうかがいました。

「美味しい日本酒を更に美味しく飲んでいただきたいので、お酒だけでなく、それを引き立てるような"料理との食べ合わせ"を提案することになっています。

私自身は普段"お酒に寄り添う料理"を作ろうと考えているのですが、今回出店しているお店ごとに、"食べ合わせの表現方法"は異なります。イベントに合わせ、店主たちが知恵を絞った渾身の一品を提供することは、なかなか珍しいことだと思いますね」(米重さん)

日本酒好きな店主さんが集まっていますが、それぞれ異なる形で"日本酒愛"を表現しているのですね。

「米家(まいほーむ)」×「丹澤山」「隆」(川西屋酒造店)

こちらは、「丹澤山」「隆」を造る川西屋酒造店とタッグを組んだ「米家(まいほーむ)」のブース。昨年はお店でも大人気の手作り蒸し餃子と「丹沢山」「隆」を合わせて、いち早く完売していました。

続いて、米重さんにおすすめの「たべのも」の楽しみ方をうかがいました。

「いろいろな食べ合わせを試してみたり、店主に食べ合わせの考え方を聞いてみたり、酒蔵さんに晩酌のお供にはなにを合わせるのがよいかを聞いみたり......新たな発見ができるチャンスが多いことも、『たべのも』の醍醐味です。

今年は12店の飲食店さんが、12酒に合わせた12食を提供するので、みなさんの好みの食べ合わせが見つかるとうれしいです。昨年から参加している飲食店さんでも、今回はタッグを組む酒蔵さんが変わるので、また違った印象になると思います。

私は『磐城壽』で有名な鈴木酒造店さんとコラボします。毎年参加している方でも、変化があって楽しめる内容になっている自信がありますね。このイベントが、日本酒をより美味しく、そして楽しく飲んでいただくきっかけになればうれしいです」(米重さん)

日本酒が大好きな方だけでなく、初心者でも自分の好みを見つけられるのは魅力的です。すべてのブースをまわってみたくなりますね。

「味肴菜 みち藤」×「独楽蔵」(杜の蔵)

「米家」とおなじく名古屋から参戦した「味肴菜 みち藤」では、八丁味噌入りの角煮と、しっかりとした味わいの「独楽蔵」の純米酒を合わせていました。

「醸造科oryzae(おりぜー)」×「神亀」「ひこ孫」(神亀酒造)

東京から出店した「醸造科oryzae(おりぜー)」。スパイスがしっかりと効いている、お店で大人気のスープカレーに合わせたのは、「神亀」の山廃仕込みの純米酒。意外な組み合わせですが、これがまた合うんです。

今年の「たべのも」は8月16日に開催!

2019年の「たべのも」は、昨年とは会場を変えて、お盆期間中の8月16日(金)に開催されます。各部の定員は250名で、前売り券も数量限定で販売中。前売り券が売り切れた場合は当日券が販売されないため、気になる方はお早めに。

夏本番となるこの季節に、名古屋で開催される熱い日本酒イベント。渾身の食べ合わせを味わい、素敵な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

◎イベント概要

  • イベント名:食べて飲もまい〜うますぎるがや〜 2019
  • 開催日:8月16日(金)
  • 会場:エルダンジュ名古屋(愛知県名古屋市中村区名駅南4-1-3)
  • 時間:
    【第1部】12:00〜14:00(11:30受付開始)
    【第2部】15:00〜17:00(14:30受付開始)
  • 参加費:
    【当日券】3,500円
    【前売り券】3,000円 (※ともに飲食チケット1,000円分とお猪口付き)
  • チケット購入方法:参加飲食店、またはイープラスにて

◎参加飲食店・酒蔵

  • 「米家」×「磐城壽 」(株式会社鈴木酒造店)
  • 「味肴菜 みち藤」×「杜の蔵」(株式会社杜の蔵)
  • 「お燗とvinめし くいぜ」×「久米桜」(久米桜酒造)
  • 「小料理Bar 結」×「小左衛門」(中島醸造株式会社)
  • 「肴糀醸 やしろ」×「木曽路」(株式会社湯川酒造店)
  • 「和み酒 鬼灯」×「長珍」(長珍酒造株式会社)
  • 「旬肴地酒 寅八」×「米宗」(青木酒造株式会社)
  • 「月のほほえみ」×「るみ子の酒」(合名会社森喜酒造場)
  • 「お燗と中華 華音」×「杉錦」(杉井酒造)
  • 「食と酒 なかむた」×「旭菊」(旭菊酒造株式会社)
  • 「日本酒とお食事 はちどり」×「白隠正宗」(高嶋酒造株式会社)
  • 「醸造科 oryzae」×「竹泉」(田治米合名会社)

(文/spool)

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