日本酒好きが高じて、大阪、天満で『純米酒専門店 酒肴屋かわむら』を営んでいる川村です。私の日本酒の考え方やお店での取り扱いを簡単に伝えさせていただき、あなたの日本酒ライフがより楽しくなればと思ってます。今回は『日本酒の味を見ているところ』を伝えさせていただきます。
友人や恋人と飲みに行って、同じお酒を飲んだ時に味わいの意見が違うことはないでしょうか?
例えば、自分は『このお酒甘いなぁ・・・』と思っても相方が『そんなに甘くないなぁ・・・』と違う意見が出たことはないでしょうか?
そんな時は『どっちが正解?』と思ったことはありませんか?
例えば、雑誌などで著名人やタレントがテイスティングした味わいで
『バナナやマスクメロンの様な香りが立ち、フレッシュ感と余韻が心地よくスッと切れる味わい』
と書いてあると、そう思わなければいけない。
完熟したリンゴを想像したけど、バナナやマスクメロンじゃないとダメなのか?
ふんわりと余韻が続いてるのにな。とか書いているテイスティングのイメージと違う。
そんなことはないですか?
味わいの正解とは
実は『すべて正解』なのです。
同じお酒を飲んで、違う感想が出てもそれぞれ正解です。
バナナとマスクメロンと完熟のリンゴをイメージしても正解です。
スッと切れる味わいと、ふんわりと余韻が続いてるも正解です。
人には基準にしている『味』があります。
幼いころから蓄積された味覚があるのです。
生きてきた環境でその味覚は個々に違います。
甘い香りと言われて、バナナやマスクメロンを想像する人もいれば
完熟のリンゴを想像する人もいます。
また、ショートケーキを想像する人もいるでしょうし、クチナシの花を想像する人もいるのです。
テイスティングした人の味わいの表現なので、自分と違って当然なのです。
さらに、食事をしながらだと料理との相乗効果もあり違う味になることも当然です。
そして甘いと言っても、その人の基準の『甘い』に対して、甘いのか甘くないのかを判断します。
だから何を言っても正解なのです。
あなたが思った味わいが正解なのです。
それぞれの感じ方
私は店で初めての来店の方には『注ぎ方の違いで味が違う』を体験していただいてます。
『みんなが知らない日本酒の秘密、教えます!実は「注ぎ方」で味わいが変化する!?』
お酒の銘柄は見せません。「先入観なしに楽しんでください」と伝えます。
『ブラインドテイスティングで新しい発見を!五感で味わう日本酒』
料理に合わせて3杯程提供してから、『料理に合わてお酒を提供させていただきました。どのお酒が好きですか?』と聞きます。
「1杯目」とか「いやいや私は2杯目がよかった」とか「3杯目はちょっとしっかりしてこっちがよかった」とかさまざまな味わいの感想が出ます。
もちろん食べている料理が違うので、それに合うようにして提供しているのでそれぞれおいしいと言っていただけますが、共通している意見は、『全て違うお酒』じゃないのか?
実は、すべて同じお酒を提供していることを伝えるとみなさん驚きます。
同じお酒ですので、お酒の中心の味は変えることが出来ません。
料理に合わせるために、少しだけ微調整をするのです。
少しキレを引き出した。
少し余韻を引き出した。
少しボディーを引き出したなどなど。
全てお酒が違うと言った方は、その少し引き出した味わいの変化を見ているのです(感じている)。
また極まれに、『同じお酒』ですね。と言われる方もいます。
その人が見ているのは、お酒の中心の味なのです。
少し引き出した味わいはもちろん感じていて、中心の味まで見ている(感じている)のです。
お酒は見ているところで味の意見が違って当たり前なのです。
みなさん。どんどん自分の思った味わいを言ってください。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今日のまとめ
○テイスティングした味わいは十人十色なので、人と違って当たり前。
○自分の味の基準と人の基準は違う。
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