日本酒好きが高じて、大阪、天満で『純米酒専門店 酒肴屋かわむら』を営んでいる川村です。私の日本酒の考え方やお店での取り扱いを簡単に伝えさせていただき、あなたの日本酒ライフがより楽しくなればと思ってます。今回は『原酒の割水』を伝えさせて頂きます。
日本酒を水で割る??
実は一般的な日本酒は水で割っているのです。
出来立てのお酒のアルコールは20度近くあります。
(中には原酒で15度ぐらいのもあります)
そのお酒を水でアルコール度数を15~16度ぐらいにするのです。
この作業を加水調整と言います。
15~16度ぐらいのアルコール度数がおいしくて飲みごろと言われています。
また昔の酒税も関係があったのかと思われます。
(アルコール度数が上がると税金が増える)
現在では割水をしていない原酒が多く販売されています。
濃厚で力強い味わいと、旨味があります。
蔵人が醸した日本酒本来の味だと思います。
ただ、お酒が強い人はその原酒を飲み続けることが出来ますが、あまり強くない人はすぐ酔いますね。
そんな時は、水で割って下さい。
「え? だったら加水してるお酒と同じやん」って思ってませんか?
実は違うのです。
加水してるお酒との違い
蔵で加水調整しているお酒は、お酒と水が馴染むまで寝かせています。
直前で加水するのは、逆に馴染んでいないのです。
アンコで言うと蔵で加水しているのは『こしあん』です。
直前で加水するのは『粒あん』なのです。
同じアンコでも食べると食感や味わいが違うと思います。
それがお酒でも同じことが言えます。
口の中でお酒を転がすと、『こしあんのお酒』は同じ味なのに対して、『粒あんのお酒』は味の変化が楽しめます。
(咀嚼することで変化するお酒の味わいについては、過去に執筆した『ブラインドテイスティングで新しい発見を!五感で味わう日本酒』にて言及しているので、ご覧ください。)
加水はアルコール度数を15~16度ぐらいが、飲み頃と言われていますが、ダラダラ飲みたい時などはワインと同じように12度ぐらいまで下げても楽しめます。
この12度ぐらいの燗酒がまた最高です。
また、加水は水で割るだけでななく、氷を浮かべてロックも楽しめます。
キリッと冷やされ、キレと酸が際立ちます。氷が解けくるとアルコール度数が下がり軽快に楽しめますね。
炭酸で割ると、シュワシュワと炭酸の泡でさわやかに楽しめます。
お酒によって加水しすぎると味がボケるのもあるので、おいしい加減を見つけるのも楽しいです。
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
今日のまとめ
○原酒は加水してOK
○加水の違いは『こしあん』と『粒あん』
○加水は水だけじゃない。
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