現在AI(人工知能)の領域は、自動運転や画像解析など多種多様な分野で開発が進み、日進月歩の進化を遂げています。

そんな中、人工知能「SENSY」を開発するカラフル・ボード㈱が、三菱食品㈱と提携し、食の人工知能プロジェクトを開始。プロジェクトの一環として、消費者の好みに合わせて人工知能が日本酒を選んでくれるという「AI利き酒師」が、期間限定で三越伊勢丹新宿店の和酒売り場に設置されました。

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店頭のタブレット端末に搭載された「AI利き酒師」は、味わいの異なる3種の日本酒を試飲して、感じた味わいを入力すると、およそ30種類の日本酒の中から自分好みの1本を選んでくれるというものです。

まずは味わいの異なる3種の日本酒を試飲

試飲したのは、下記の3種類。いずれも知名度の高い銘柄ですね。

  • 石本酒造 「越乃寒梅 白ラベル」 (新潟県)
  • 菊水酒造 「節五郎 出品酒」 (新潟県)
  • 大七酒造 「大七 純米生もと」 (福島県)

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まずは、一番ライトと思われる「越乃寒梅」から試飲しました。
飲んでみると、「これぞ新潟の酒!」と言いたくなる淡麗辛口、スッキリした味わい。しかし、じっくり味わうと程よい香りと米の甘みも感じられ、とてもバランスの良いお酒だと感じました。

次に飲んだのは「大七」。
「生酛と言えば大七」と言われるほど、全生産量に占める生酛の比率が高く、燗酒も絶妙に旨い、地元でも県外でも広く愛されている福島県の地酒ですね。生酛らしい力強い酸と深いコクが特徴的で、乳酸の穏やかな香りと余韻が感じられます。

そして最後は「節五郎」を頂きました。鑑評会出品を目指して造られた大吟醸酒です。大吟醸らしい華やかな香りと、驚くほど雑味のない上品な味わいで、ハレの日に飲みたい極上のテイスト。比較的甘みが強く、酸味はあまり感じませんでした。

6つの基準で味の好みを分析

さて、全ての試飲を終え、いよいよ味の評価に移ります。

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評価する味の基準は6項目あり、「甘味」「酸味」「旨味」「余韻」「芳醇(コク)」「好み(の度合い)」をそれぞれ5段階で評価していきます。

すると、自分の味覚の特徴がチャートで現れます。

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これは面白いですね!
チャートによると、私は特に「旨味」と「コク」に鋭い感覚があるという結果が出ました。確かにいつも「○○のような旨味とコクが~」ということばかり言っているような…。

そして、最終的に「日本酒と一緒に味わいたい食事」を選ぶことによって、好みの日本酒を判断してくれます。

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佃煮、胡麻豆腐、ちりめんじゃこ、漬物、焼き鳥、刺身(白身・赤身)などがありましたが、私は「魚の粕漬け」を選択して、いよいよ待ちに待った結果発表。自分好みの1本が選ばれます。

選ばれたのは「天狗舞 山廃仕込み純米酒」

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これはやられたり・・・。
「天狗舞」の山廃は昔から大好きな銘柄だったので、あまりの的確さにびっくりしました。AI利き酒師、恐るべし。

開発元のカラフル・ボード㈱ 広報担当の石井さんによると、おすすめの1本を選ぶための判断基準は、主に消費者のレビューに基づいているそうです。膨大なレビューのデータを蓄積させることでAIが成長し、精度も向上していくとのこと。これは、同社の人工知能「SENSY」の、パーソナルな感性を抽出する技術(パーソナル感性解析)を、味覚の分野に応用したものです。

「AI利き酒師」は、今後も期間限定の実証実験がおこなわれ、将来的には飲食店で活用や、スマホアプリへの応用も計画されているそうです。日本酒に詳しいスタッフがいないお店でも、「AI利き酒師」を導入することで、お客さんの好みにあわせた日本酒の提案が可能になるかもしれないですね。

なお、三越伊勢丹新宿店では、9月14日からワイン売り場に「AIソムリエ」が登場しています。さらに、「AI利き酒師」の第二回・三回の設置予定も決まっています。日本酒好きの方、ワイン好きの方、この機会にぜひ売り場に足を運び、その実力を確かめてください!

「食の人工知能」の今後の展開に、ますます目が離せませんね。

◎「AI利き酒師」「AIソムリエ」の今後の展開予定

人工知能が日本酒を提案「AI利き酒師」

  • 第二回:9/28(水)~10/4(火)
  • 第三回:11/2(水)~11/8(火)

人工知能がワインを提案「AIソムリエ」

  • 第一回:9/14(水)~9/27(火)

(文/平井遙)