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栃木県益子町 外池酒造店へお邪魔しました!

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こんにちは、SAKETIMESライターの鈴木 将之です。

普段は某コンサルティング会社で堅い仕事をしていますが、暇さえあれば日本酒会に参加したり酒蔵を訪問しています。日本酒会、酒蔵訪問のレポートや、コンサルタントの視点で日本酒業界を分析できたらと思っています。

本日は、栃木県芳賀郡益子町にある酒蔵、「外池(とのいけ)酒造店」の蔵見学レポートです。栃木県益子町は、窯元は約260、陶器店は50を数え、春と秋には陶器市が開かれる焼き物の街です。そんな街で創業70年を超える日本酒の蔵「外池酒造」へ見学に行ってきました。日本酒初心者の方に行ってほしい、気軽に行ける酒蔵の紹介です。

宇都宮からバスで45分ほど。東京からはなんと秋葉原から直通バスが出ています。こちらの酒造は見学施設が整っており、予約をすれば蔵人さんの説明をお聞きしながら見学可能です。

また、売店やカフェまで揃っており、益子に旅行の際に一息つくのにもよいですね。

■外池酒造店の紹介

1937年、宇都宮市桑島現石井町の造り酒屋「外池荘五郎商店」の5男として生まれた現社長の祖父・外池逸五郎氏が創業しました。

主な日本酒の銘柄は「燦爛」(さんらん)です。飲む人が生き生きと光り輝いてもらいたいとの願いを込めて命名されました。

全国新酒鑑評会金賞受賞など国内はもとより、ロンドンで行われる世界規模のインターナショナルワインチャレンジでの金賞受賞、ジョイ・オブ・サケで金賞など海外で高い評価を得ています。

米焼酎も手がけ、現在は酒蔵を観光に活用しているほか、清酒の発酵技術を使い、リキュールやどぶろく、化粧品など新たな商品開発に取り組んでいます。

■酒蔵へ到着

益子の駅からタクシーで10分弱ほどで蔵に到着。立派な門が出迎えてくれました。

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中にはいると、広々とした敷地内にさっそく売店が。売店の方に声をかけ、見学予約をしていたことを伝えると

案内担当のスタッフさんが登場。さっそく蔵見学へ。蔵に入る前に、蔵の歴史と商品の説明を受けます。日本酒だけではなく、米焼酎、特産品のとちおとめのリキュールもありますね。

米焼酎は、酒造りのなかで磨いて余った米粉を使って醸造するそうです。

米を余すところなく利用されてますね。

■昔の道具を見てみよう

そして酒蔵へ。

日曜日だったため、なんと酒造りは午前中で終了しました…。実際に造っているところは見ることができませんでした。残念!

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写真の新しい緑色の杉玉は、新酒ができました!という意味を表しているものです。夏を超え秋になってくると、色が変わって茶色になってきます。

そうすると熟成が進んで飲み頃になりました、という意味になるそうです。通常は買うことが多いのですが、こちらの杉玉は蔵人さん達の手作りだそうです。

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次に常設している酒蔵資料館を拝見しました。昔の道具類が歴史を感じさせます。木樽を櫂でかき回してみる体験もできますよ。

ここでは、スタッフさんからお酒造りの説明が聞けます。外池酒造店では、岩手県花巻市の南部杜氏である小原公正氏が酒造りの時期に来社されて酒造りをします。その下で、自社社員の下野杜氏(しもつけとうじ)(※1)である蔵人さんをはじめ、地元在住の蔵人さん合計4人で酒造りをされています。(※1 ご参考に日本酒造りにおける杜氏(とうじ)とは?をご覧ください。)

その他にも過去に受賞した賞状が飾ってあったりと見どころがたくさんあります。見学所要時間は30~40分くらいです。

■お待ちかね利き酒タイム!

見学が終わると、併設しているギャラリーカフェへ。こちらでは無料で利き酒が楽しめます。

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まず日本酒を6種類ほど純米、本醸造を中心にいただきました。全体的に中庸で、香りはあまり立たないですが、味はすっきりでした。甘露のようなふんわりと残る甘みは伏見のお酒に通じるものがあるでしょうか。酒米は主に「五百万石」栃木は五百万石の産地でもあり、地産地消のお酒です。

その中でも純米吟醸生原酒は、新酒ながらもどっしりとしたボディにフレッシュさがありました。新酒ですのでこれからどんどんおいしくなると思いまして、購入して保存しています。秋になったら開けてみよう!

 

次にリキュールは3種類。いちご、ゆず、トマト。いちごは栃木が誇る「とちおとめ」を使用しており、いちごの甘さを引き出しつつも甘すぎずにすっきりとしていました。アイスにかけてもおいしそうです。

面白かったのはトマト。

酸っぱさは控え目で、トマトの青い香りがほんのりと。トマトが苦手な同行人もおいしいと飲んでいました。ピザやカルパッチョに非常に合いそうです。

お酒の合間に、和らぎ水として、仕込み水もいただけます。これが実においしい。この水が日本酒に変わるのかと思うと、おいしさも頷けます。

■カフェでお菓子とスペシャルな日本酒を

無料の利き酒とは別に、有料で利き酒を楽しむこともできます。

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器はもちろん益子焼。地元の焼き物で地元のお酒を飲むとよりおいしさが増しますよね。本日は大吟醸と純米大吟醸 雫取りをいただきました。

大吟醸は、正しくおいしいお酒、という印象。香り高く、バランスがよい味わいです。純米大吟醸 雫取りの「雫取り」(※2)とは、もろみに圧を掛けずに自然滴下によって集めたお酒のこと。旨味がのり、芳醇な味わいですが、透明感のあるやさしい味に仕上がっていました。(※2ご参考に「日本酒の斗瓶取り(とびんどり)とは?」をご覧ください。)

そしてデザートに、カフェメニューである酒粕パンケーキ

こちらは大吟醸酒の酒粕入りパウンドケーキです。日本酒の香りが漂いつつも、ふんわりとした食感でした。甘さも控え目で、仕込み水で淹れたコーヒーととても合います。

お酒が飲めない運転手の方も、カフェで一息つけますね!

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■お土産もしっかりと

試飲したお酒で気に入ったものがあれば、もちろん購入することができます。試飲しなかった中で興味を引いたのは「吟ぎんが」。小原杜氏が、地元の岩手の自宅農地で育てている酒米を使って仕込んでいる限定品です。また、お酒だけではなく、益子焼をはじめとした益子の物産も販売しています。

そんななか目を引くのが化粧品!

酒粕エキスなど日本酒ならではの米由来の成分を配合した化粧水、乳液、石鹸やハンドクリームなどさまざまな商品がありました。日本酒が飲めない方へのお土産としてよいですね。

 

■取材後記

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酒蔵ってハードルが高いイメージがありませんか?日本酒に興味はあるけど知識は少ないのに行ってもいいのかな?そんな思いを持つ方もいらっしゃるのではないかと思います。外池酒造店は酒蔵の案内、カフェやお土産も充実し、実に気軽に寄れる観光地として整備されていました。

そんななか、私達が訪れた際には、近所のご家族がカフェでゆったりお茶を飲みながら本を読んでいる光景に出会いました。田植え体験や、暖かい時期には「ポン酒ガーデン」という酒蔵の敷地で飲むイベントなど、地元の方と触れ合う機会も多く、ただ観光として外からのお客を集めるだけでなく、地元と一緒に盛り上げていこうという気持ちを感じました。

地元にも愛される、観光蔵。

益子を訪れた際には、お酒の飲める方、飲めない方でも気軽に立ち寄って、日本酒の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

特に初めて酒蔵に行ってみようと思った方にはオススメです!

 

外池酒造店

栃木県芳賀郡益子町大字塙333番地

Tel 0285-72-0002

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鈴木 将之

普段は某コンサルティング会社で堅い仕事をしていますが、暇さえあれば日本酒会に参加したり酒蔵を訪問しています。大きな蔵から小さな蔵まで、造り手の思いと共に、日本酒の様々な魅力を熱く伝えます。