日本酒を知る

日本酒を楽しむ

日本酒を考える

特集

千葉県富津市「和蔵酒造」で酒造りを体験してきました

> > > 千葉県富津市「和蔵酒造」で酒造りを体験してきました
このエントリーをはてなブックマークに追加

千葉県富津市にある和蔵酒造のお酒造りを体験してきました。海が近いせいか地下水が硬水よりで、男酒な日本酒を醸している酒蔵です。

圧巻の限定吸水、迫力の蒸米

まずは洗米から。
1秒ごとにカウントダウンしながら米を洗い、吸水させ、水を切ります。数秒という短時間で米をきれいに洗うのはもちろんのこと、水をかける量までも計算された手際の良さ。
sake_g_wakurasyuzou_01

私も洗米を体験させてもらいましたが、寒空の下、大量の米や冷たい水と格闘するのはとても大変な作業です。私が洗ったものは水がわずかに濁っており、きちんと洗われていないのが一目瞭然でした。
sake_g_wakurasyuzou_02

こちらで使われている酒米は「山田錦」のほか、千葉の酒米「総の舞(ふさのまい)」と食用米の「ふさこがね」。写真のお米は「総の舞」です。
sake_g_wakurasyuzou_03

巨大な釜でお米を蒸します。
sake_g_wakurasyuzou_04

ちなみに、蒸し米を食べてもさほど美味しくありません。これが美味しい日本酒になるのですから、あらためて発酵の力は凄いなぁと思い知らされます。
sake_g_wakurasyuzou_05

蒸し米はほぐしながら急冷されます。実際に触ってみると、思ったよりかためでした。この蒸し米は麹米と掛米になります。
sake_g_wakurasyuzou_06

麹米を布でまとめます。
sake_g_wakurasyuzou_07

緊張の麹室

特別に麹室にも入れてもらいました。
麹室って何だかとても神聖な部屋ですよね。麹菌をふる作業は緊張の瞬間です。麹米をほぐし、適温にし、適量の種麹をていねいにふる。まさに職人技です。
sake_g_wakurasyuzou_13

これは前日に種麹をふったもの。吟醸用で突破精(つきはぜ)です。よく見ると米の内部まできれいに菌が入り込んでいるのがわかります。
sake_g_wakurasyuzou_14

気合の酒母造り

麹米は全て台車に乗せて酒母室へ。
sake_g_wakurasyuzou_08

タンクには酵母がすでに入っており、麹米を加えて混ぜていきます。
杜氏の声がけのもと、3人の息がぴったりと合ってリズミカルに作業が行われていました。和蔵酒造は、すべて協会酵母を用いた速醸造りです。
sake_g_wakurasyuzou_09

掛米は、エアシューターを通って発酵タンクへ。
蒸し米がまんべんなく行きわたるよう櫂を入れますが、これも想像よりずっと重くて、私は1タンク分を混ぜるだけでヘトヘトになりました。
sake_g_wakurasyuzou_10

発酵中のタンクはプスプスとガスが発生していますが、これは搾りが近いもの。表面は落ちついていて、香りも弱めです。
sake_g_wakurasyuzou_11

酸度、酒度、アミノ酸、度数、味わい、そのすべて確認し、一番良い状態を見逃さないように、すべてのタンクを毎日チェックします。
sake_g_wakurasyuzou_12

あらばしり、中取り、責めを飲み比べ!

まずは、醪(もろみ)を試飲させてもらいました。
米のツブツブした食感、まだ荒々しさが残り、味がまとまっていない感じが何とも言えない不思議な風味。個人的には搾りたてより醪のほうが好きです。
sake_g_wakurasyuzou_15

とはいいつつも、搾りたても喜んで試飲させてもらいました。
あらばしり、中取り、責め。こうして同時に味比べができるのは酒蔵ならでは。それぞれを別々に商品化している蔵もありますが、和蔵酒造は全てブレンドして販売しています。
sake_g_wakurasyuzou_16

品評会出品予定のお酒を搾りたてでいただきました。
香りが華やかで余韻も長く、それでいて味のキレは良い。出品用らしい吟醸酒でした。しばらく熟成させると、もっと味が乗ってくるかもしれません。
sake_g_wakurasyuzou_17

最後は、和蔵酒造の全商品を試飲。お燗も温度を変えながら試してみました。
好みだったのは「聖泉 純米 無濾過生原酒」と「聖泉 竹岡 一火無濾過特別純米酒 」。旨みが広がってふくよかなお酒です。しかし、価格の安い本醸造も熱燗にすると燗上がりして実に美味しく、どのお酒もていねいに造られているのだと感じました。
sake_g_wakurasyuzou_18

和蔵酒造は900石と比較的出荷量が多い酒蔵なので、ラベルは機械で貼っているのかと思いましたが、すべて手作業でした。1本1本、心を込めて貼っているのですね。
sake_g_wakurasyuzou_19

6代目蔵元の池田さん。
お人柄も良く、食事とお酒の相性についても普及していきたいと仰っていました。新商品も出しているので、今後の和蔵酒造のお酒がどう変わっていくのか楽しみです。
sake_g_wakurasyuzou_20

(文/まゆみ)

【関連】名水の地は美酒の地!都内から日帰りで酒蔵巡りができる千葉県君津市久留里をご紹介
【関連】都内からたった1時間半の日本酒トリップ!千葉県酒々井町・飯沼本家に行ってきた!【前編】

日本酒の魅力を、すべての人へ – SAKETIMES

このエントリーをはてなブックマークに追加

ライター募集中!

まゆみ

酒匠、料理研究家。1日も欠かすことなく酒を呑み続ける、驚胃の持ち主。郷土料理を大事にし、添加物の無い食卓を心がけている。ブログ「スバラ式生活」は人気。著書に、うち飲みレシピ、スバラ式弁当がある。

ウェブサイト