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幅広い世代が集まった酒蔵ユニット「岡山ZARU」4 年目の挑戦に迫る!

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こんにちは、日本酒指導師範&酒伝道師の空太郎です。

本日は岡山県の酒蔵の蔵元(社長&後継者)5人が結成した酒蔵ユニットをご紹介します。
その名は「岡山ZARU(おかやま・ざる)」です。
猿ではありませんよ(笑)。
お酒をたくさん飲む人を「彼は笊(ざる)だ」というのと、スペイン語で乾杯を意味する「サルー」などを意識して、命名したのだそうです。
参加しているのは十八盛酒造(じゅうはちざかり)/倉敷市の石合敬三さん、熊屋酒造/倉敷市の庵谷晴男さん、ヨイキゲン株式会社/総社市の渡邊信行さん、三宅酒造/総社市の小澤佑二さん、菊池酒造/倉敷市の菊池大輔さんの5人です。

少数精鋭で取り組む高梁川の水を使った日本酒ブランドORIGIN

結成は2011年夏。
呼びかけ人は十八盛酒造の石合さんでした。
その以前から「岡山県産酒を推奨する会」という組織はあったのですが、27蔵もが参加して機動力に欠けるきらいがあったため、石合さんは「近隣の酒蔵に絞って、技術向上や酒PRを密に一緒にやろう」と声をかけて5蔵が集まりました。

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1年目は共同でイベントを開いたにとどまりました(伝説の大失敗だったそうです)が、2年目には酒造りをやろうと合意。
5人はその前に「岡山の母なる川である高梁川」の源流を訪ねました。
そして、源流に近い場所で汲んだ水を一部の仕込み水に使って、各蔵でお酒を造って共通ブランド名をつけて商品化することを決めました。
そのブランド名は「川の源流の水」「酒造りの原点に帰る」「日本の米の原点(最古)に近い朝日という米で造る」との意味を込めて「ORIGIN(おりじん)」としました。
2年目も同様の企画とし、3年目は造りの工程を各自が分担してひとつのお酒を造ることにして、十八盛酒造で純米吟醸酒の直詰酒を造りました。

4年目となる今度の冬の造り(2015~16)も蔵の場所を変えて共同醸造をすることも検討したのですが、共通のテーマで酒質を競った方が話題作りになる、との判断から各蔵でお酒を造ることにしました。

4年目はフレッシュをテーマに酒造り!5蔵の意気込みとは

この冬のテーマは「フレッシュ」です。
お米や精米歩合などで縛るのではなく、抽象的なイメージを各蔵で具体化してみるという手法を採用しています。
使う米は岡山県産ではあるものの、各蔵がかぶらないように異なる米で造ります。

今回は5蔵のガチンコ勝負の色が強く、メンバーもやる気満々です。
各蔵の造りの計画と、どんな酒を造ろうとしているのかの意気込みを伺いました。

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まずはヨイキゲン(総社市)の渡邊信行さん。
「うちは山田錦を親に持つ吟のさとの55%精米で行きます。今回は搾ったお酒をすぐに瓶詰めする直詰めなので、吟のさとらしいすっきりとした味わいのお酒を造ろうと思っています。」

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続いて、熊屋酒造(倉敷市)の庵谷晴男さん。

「蔵で一番たくさん使っている岡山産山田錦の55%精米で醸します。直汲みのお酒は初めてやることになるので、いままでのうちのお酒と違うものが出来上がると思います。うちが造っているお酒のコンセプトは、味があるのにキレがある、です。そこにフレッシュが加わるとどんなことになるのか、期待してください。」

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次は三宅酒造(総社市)の小澤佑二さん。

「うちの蔵だけが使っている都(みやこ)という酒米の55%精米のお酒を造ります。都という米は味が出るのが特徴です。

味がたっぷりあるところにフレッシュ感を付与したらどんな酒が出来上がるのか。自分で予想している酒質通りになるのか、はたまた異なるのか、とっても楽しみです。」

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4番手は菊池酒造(倉敷市)の菊池大輔さん。
「岡山固有のお米ともいえる朝日の55%精米で造ります。朝日は亀の尾と同じぐらい古いお米ですが、亀の尾ほど有名ではなくて、残念に思っています。こうした活動を通して朝日が少しでも名が売れることも期待しています。

朝日は22年目からの酒造りでも使ってフレッシュなお酒を造ってきました。今回も基本線は変えずにフレッシュでフルーティーな生原酒を目指します。若い人に飲んでもらって、喜んでもらえればと思っています。」

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最後は十八盛酒造の石合さん。
「岡山産雄町の55%精米で行きます。僕は雄町を徹底的に使いこなしていきたいと日ごろから考えています。今回もしっかり、味を出していきたいので、山廃酒母に挑戦します。山廃というと熟成というイメージがあってフレッシュとは対極のように思われるかもしれませんが、それをあえて、きれいですっきりしたフレッシュな山廃酒を狙っていきます。」

世代を超えて繋がる岡山ZARUのこれからに期待!

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岡山ZARUのみなさんは、年齢的には30歳前半から50代まで世代は散らばっていますが、活動を始めて4年経過していることもあり、みなさんが和気藹々と冗談交じりに楽しく語らいながら酒造技術の向上を目指している光景は見ていて、自分も仲間に入れてもらいたくなるほどです。

5蔵が造ったお酒は来年(2016年)3月ごろに出来上がります。5本を飲み比べたい人のために、セット販売も検討しているそうです。岡山ZARUの今後がますます楽しみになってきました。

 

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空太郎

日本酒指導師範(菊正宗認定)&酒伝道師です。1年365日、日本酒を飲んでいます。10人未満で丁寧にお酒を醸す銘酒小蔵がたくさん存在することが、日本酒の多様性と魅力を維持するのには欠かせないと思っています。そんな酒蔵の活動や、それを応援する酒販店や居酒屋の動きをお伝えしていきます。