日本酒の「どぶろく(にごり酒)」と韓国の伝統酒「マッコリ」。どちらも白濁していて、見た目がとても似ていますが、どんな違いがあるのでしょうか。

今回は、日本酒のどぶろくとマッコリの違いについて、造り方や楽しみ方、ルーツの観点から説明いたします。

どぶろくもマッコリも「醸造酒」

日本酒「(にごり酒)」の原料となるのは米

世の中に存在するお酒は、その製造方法によって、「醸造酒」「蒸留酒」などのカテゴリーに大別されます。

日本酒のどぶろく(にごり酒)とマッコリは、同じ「醸造酒」のカテゴリーです。基本的な造り方は同じですが、使用する原料に大きな違いがあります。

日本酒の原料は基本的に、米のみ。一方のマッコリも主な原料として米を使用しますが、それ以外にも、ジャガイモやサツマイモ、トウモロコシなどの穀物を使うこともあります。これは、食糧不足が続いた時代に、米以外の穀物を代用していた名残といわれているそうです。

  • どぶろく(にごり酒)の原料は、基本的に米のみ
  • マッコリの原料は主に米だが、ジャガイモやサツマイモ、トウモロコシなどが使われることもある

酸味と炭酸がより強いマッコリ

にごり酒

次に、味の違いを比べてみましょう。どちらも濃厚で酸味のある味わいが特徴的ですが、マッコリのほうがどぶろくよりも酸味が強い傾向にあります。さらに、マッコリは発泡性が強く、シュワシュワとした感じがどぶろくよりも強いです。

また、それぞれのアルコール度数をみてみると、どぶろくが15〜16度であるのに対して、マッコリは6〜8度。ずいぶんと違うんですね。

どちらのお酒も基本的にはストレートで飲むのが一般的です。マッコリは冷やして飲むことがほとんどですが、日本酒は冷やしても温めても美味しく飲めるお酒。飲むときの温度帯には、違いがあります。

どぶろくとマッコリのルーツ

14世紀の酒造りを再現した甕仕込み

現代におけるほとんどの日本酒は、にごりのない澄んだもの。しかし昔は、白濁したにごり酒が一般的でした。どぶろくの歴史については、こちらの記事をご覧ください。

マッコリは朝鮮半島で長い歴史のあるお酒です。朝鮮半島で造られてきた伝統的なお酒の沈殿物に水を混ぜて飲んだのが始まりといわれています。日本統治時代には、すでに醸造方法が定まっていたようです。戦後、マッコリは韓国全体のアルコール消費量の約80%を占めていたともいわれています。

現在は、リンゴ・梨・マンゴー・イチゴなどの果物や、松茸・高麗人参・ナツメが入ったものなど、 バラエティ豊かなマッコリが販売されています。

どぶろく(にごり酒)もマッコリも、それぞれの国でお酒の歴史を語る上では欠かせません。造り方や飲み方の違いはもちろん、そのルーツに触れることも、お酒の楽しみ方のひとつでしょう。

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