埼玉県幸手(さって)市に蔵を構える、天保11年(1840年)創業の石井酒造。プロジェクトの設立から米作り、醸造、デザインまでのすべてを20代で取り組んだ「二才の醸」や、大手家電メーカーのシャープ株式会社とタッグを組んだ商品開発など、これまでの常識にとらわれない取り組みで注目を浴びています。

現在、石井酒造では営業職と製造職で新たなメンバーを募集中。前回の記事では、代表取締役社長の石井誠さんに人材募集の経緯や石井酒造が目指す未来を伺いました。

石井酒造の石井誠社長

石井酒造の代表取締役社長・石井誠さん

今回は実際に現場で働く蔵人の方々にインタビューし、日々の仕事から石井社長の人柄まで、その本音をお伝えします。

職場はいつも和やかな雰囲気

現在の石井酒造では、営業活動を担う石井社長のほか、杜氏とそれを支える数名の製造メンバーが働いています。話を伺ったのは、酒造りに携わるふたりです。

杜氏の深堀龍一さんと製造メンバーの若林福成さん

杜氏の深堀龍一さん(右)と若林福成さん(左)

ひとりは杜氏を務める深堀龍一さん。他の酒蔵で経験を積んだ後に石井酒造へ入社し、2年目を迎えます。もうひとりは若林福成さん。日本酒バーを経営していた時に石井社長と知り合い、その縁で入社したのだそう。自分で酒蔵を経営することが目標で、現在は酒造りの修行中とのこと。

ふたりの仕事を見学していると、「これでどうだろう」「もう少し待ってみたら?」など、気軽にコミュニケーションをとっている姿が印象に残りました。

「常に意見を交わしながら仕事をしています。どんなに忙しくても、ピリピリした空気になることはないですね。社長が酒造りをすることもありますが、雰囲気は変わりません」と深堀さん。たしかに、蔵の中には和やかな空気が漂っていました。

それでは、話を伺っていきましょう。

常識にとらわれない自由な酒造りができる

─ 石井酒造の特徴はどんなところでしょうか。

深堀:なんといっても、社長の発想が斬新。いつも「どんな酒にしたいか」を大事に考え、それを実現するための製法にはこだわらない。だからこそ、新しい手法をいろいろと試すことができるんです。杜氏としてはおもしろい経験ですね。

若林:ワインでいうテロワールのように、「埼玉産」にこだわっている点も特徴だと思います。代表銘柄である「豊明(ほうめい)」は、米や酵母も地元産にこだわっていますから。

石井酒造の代表銘柄「豊明」

石井酒造の代表銘柄「豊明」

─ ふたりから見て、石井社長はどんな印象ですか。

深堀:良い意味で適当ですね(笑)。「完成した酒が狙いどおりならOK」なので、そこまでの計画が予定どおりに進まなくても、プレッシャーをかけられることはありません。予定どおりに進まないことを見越して、必ず計画に余裕がありますしね。

若林:細かく注意されることはないので、蔵人を心から信頼して任せてくれているんだと思います。ただ、任されているぶんの責任はありますよ。「指示に従っていればいい」という職場ではないので、自分の頭で考えて動くことが求められます。

必要なのは、柔軟な思考

─ 仕事で大変なことはありますか。

深堀:社長は「こんな酒を造ってほしい」とだけ言い、あとはすべて任せてくれます。そこはやりがいでもあり、大変でもありますね。前例がないことに挑戦するのは、一筋縄ではいきませんから。構想を練っている時はとても楽しいんですが、いざそれを実現させるとなると、想像もしていなかった問題が起こったり......失敗を重ねて、何度も挑戦するしかありません。

杜氏のフカホリさんと製造メンバーのワカバヤシさん

若林:最初は、社長のスピード感についていくのが大変かもしれませんね。「このアイデアをすぐに形にしてほしい」「前回とは方法を変えてほしい」など、素早い対応を求められることも。社長のそういう柔軟な発想があるからこそ、石井酒造の酒造りはおもしろいのですが、たまに大変だと思うこともあります(笑)。

深堀:たしかに、石井酒造で働くには柔軟さが必要だと思います。同じやり方でずっと打ち込むのではなく、「あれもこれもやってみたい」と思える人が向いているのではないでしょうか。

石井社長の素早い意思決定とそれを形にする蔵人の姿からは、さながらベンチャー企業のような雰囲気さえ感じられます。さまざまな仕事を経験できるため、蔵人としてだけでなく、人間的な成長も期待できそうです。

ゼロから酒を造りたい方へ

「社長についていくのが大変!」と笑いながら話してくれたふたり。それを言葉にできることに、石井社長との強い信頼関係を感じました。

石井酒造の外観

石井酒造の大きな特徴は、社長と率直な意見を交わせることや、新しいアイデアをすぐ試せること。指示通りに動くだけではなく、自分で考えて仕事を進めていきたい人には、絶好の環境かもしれません。ゼロから形にしていくことは簡単ではありませんが、そのぶん大きな喜びを得られるでしょう。

石井酒造では現在、営業職と製造職をそれぞれ1名ずつ募集しています。気になった方は、ぜひ石井酒造に問い合わせてみてください。

◎お問い合わせ

(取材・文/藪内久美子)

sponsored by 石井酒造株式会社

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