イギリスのロンドンで毎年開催されている世界的なワインコンテスト「International Wine Challenge(インターナショナル・ワイン・チャレンジ/以下「IWC」)」のSAKE部門の審査結果が、9月上旬に発表されました。

2025年の最高賞「チャンピオン・サケ」に輝いたのは、山梨銘醸(山梨県)の「七賢 純米大吟醸 白心」。

「七賢 白心 純米大吟醸」山梨銘醸株式会社(山梨県)

また、出品酒のすべてが高評価を得た酒蔵に与えられる「Sake Brewer of the Year(サケ・ブリュワー・オブ・ザ・イヤー)」では、新澤醸造店(宮城県)が4年連続の受賞という快挙を成し遂げました。

そんなチャンピオン・サケをはじめ、IWCの上位入賞酒を楽しめる恒例のイベント「プレミアム日本酒試飲会」が、10月18日(土)、東京・日本橋の「YUITO 日本橋室町野村ビル」にて開催されます。今年で12回目となるこのイベントの魅力を紹介します。

世界中の専門家が審査するコンテスト

IWCは、イギリスのロンドンで毎年開催され、“世界でもっとも大きな影響力をもつワインコンテスト”ともいわれています。

IWCに「SAKE部門」が誕生したのは2007年。以来、SAKE部門の審査結果は国内外で注目され、IWCは日本酒の海外進出における重要なコンテストとして、その価値を高めてきました。

©Keisuke Irie

©Keisuke Irie

2025年のSAKE部門には、海外も含めた387の酒蔵から、合計1,476点が出品されました。

審査は「普通酒」「純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」「本醸造酒」「吟醸酒」「大吟醸酒」「スパークリング」「古酒」「熟成」の10カテゴリーで、ブラインドテイスティングによって行われました。

審査結果に応じて与えられる評価は「Gold(ゴールドメダル)」「Silver(シルバーメダル)」「Bronze(ブロンズメダル)」「Commended(大会推奨酒)」の4種類。ゴールドメダルを獲得した出品酒の中で特に優れたものに「Trophy(トロフィー)」が与えられます。

さらに、各カテゴリーのトロフィー受賞酒の中から1点に、SAKE部門の最高賞として「Champion Sake(チャンピオン・サケ)」の称号が授けられます。

2025年のチャンピオン・サケを受賞した山梨銘醸の代表取締役社長 北原対馬さん(右から2番目)

2025年のチャンピオン・サケを受賞した山梨銘醸の代表取締役社長 北原対馬さん(右から2番目)

加えて、出品酒のすべてが高評価を得た酒蔵は「Sake Brewer of the year(サケ・ブリュワー・オブ・ザ・イヤー)」として表彰されます。

2024年からは、エントリーした複数の酒蔵が優れた総合成績を収めた都道府県に対して「Sake Prefecture of the Year(サケ・プリフェクチュア・オブ・ザ・イヤー)」が授与されています。

世界が認めた日本酒が集結!

10月18日(土)に開催される「プレミアム日本酒試飲会」のもっとも大きな魅力は、世界中のプロフェッショナルが評価した「IWC 2025」の上位入賞酒を試飲することができる点です。

「IWC 2025」のトロフィー受賞酒

「IWC 2025」のトロフィー受賞酒

2025年のチャンピオン・サケに輝いた「七賢 純米大吟醸 白心」をはじめ、スパークリング部門の「賀茂鶴 スパークリング清酒 光壽」や熟成酒部門の「超特撰 純米大吟醸 残響2018」など、高級酒も含めたさまざまな日本酒を楽しむことができます。

「IWC 2025」のトロフィー受賞酒

  • 純米酒の部
    ・純米トロフィー:「浅間山 IBUKI」浅間酒造株式会社(群馬県)
    ・兵庫・樽酒トロフィー:「菊正宗 純米樽酒」菊正宗酒造株式会社(兵庫県)
    ・兵庫・純米トロフィー:「松竹梅白壁蔵「然土」」宝酒造株式会社(兵庫県)
    ・広島・純米トロフィー:「特別純米 雨後の月 十三夜」相原酒造株式会社(広島県)
  • 純米吟醸酒の部
    ・純米吟醸トロフィー:「大雪渓 純米吟醸 D 雄町」大雪渓酒造株式会社(長野県)
    ・神奈川・純米吟醸トロフィー:「セトイチかくかくしかじか」株式会社瀬戸酒造店(神奈川県)
    ・長野・純米吟醸トロフィー:「十六代九郎右衛門 純米吟醸 愛山」株式会社湯川酒造店(長野県)
  • 純米大吟醸酒の部
    ・純米大吟醸トロフィー:「七賢 純米大吟醸 白心」山梨銘醸株式会社(山梨県)
    ・栃木・純米大吟醸トロフィー:「純米大吟醸 新たな」菊の里酒造株式会社(栃木県)
    ・千葉・純米大吟醸トロフィー:「甲子 純米大吟醸 山田錦50」株式会社飯沼本家(千葉県)
    ・兵庫・純米大吟醸トロフィー:「播州一献 純米大吟醸 山田錦」山陽盃酒造株式会社(兵庫県)
    ・鳥取・純米大吟醸トロフィー:「千代むすび純米大吟醸強力30」千代むすび酒造株式会社(鳥取県)
  • 本醸造酒の部
    ・本醸造トロフィー:「愛宕の松 県内本醸造」株式会社新澤醸造店(宮城県)
    ・宮城・本醸造トロフィー:「愛宕の松 別仕込本醸造」株式会社新澤醸造店(宮城県)
    ・にごり・本醸造トロフィー:「喜久水 本醸造 白貴天龍」喜久水酒造株式会社(長野県)
  • 吟醸酒の部
    ・吟醸トロフィー:「陸奥八仙 ピンクラベル」八戸酒造株式会社(青森県)
  • 大吟醸酒の部
    ・大吟醸トロフィー:「長崎美人 大吟醸」福田酒造株式会社(長崎県)
    ・群馬・大吟醸トロフィー:「プレミアム大吟醸 秘幻」浅間酒造株式会社(群馬県)
    ・埼玉・大吟醸トロフィー:「菊泉 大吟醸」滝澤酒造株式会社(埼玉県)
  • 古酒の部
    ・古酒トロフィー:「寿萬亀 純米古酒」亀田酒造株式会社(千葉県) ※イベントでの提供はありません。
    ・奈良・古酒トロフィー:「談山 貴醸酒 累醸酒」西内酒造(奈良県)
  • 熟成酒の部
    ・熟成酒トロフィー:「超特撰 純米大吟醸 残響2018」株式会社新澤醸造店(宮城県)
  • 普通酒の部
    ・普通酒トロフィー:「華秋田」株式会社北鹿(秋田県)
    ・栃木・普通酒トロフィー「鮮」北関酒造株式会社(栃木県)
  • スパークリングの部
    ・スパークリングトロフィー:「賀茂鶴 スパークリング清酒 光壽」賀茂鶴酒造株式会社(広島県)
    ・山形・スパークリングロゼトロフィー:「米鶴 スパークリング・ロゼ」米鶴酒造株式会社(山形県)
    ・山口・スパークリング生酒トロフィー:「雁木 スパークリング 純米大吟醸」八百新酒造株式会社(山口県)

※県名トロフィー/地名トロフィー:トロフィーの次点の出品酒に授与される賞
※樽酒トロフィー:樽酒の素晴らしさを表現した出品酒に授与される賞
※にごりトロフィー/ロゼトロフィー/生酒トロフィー:審査員の声によって、それぞれ「にごり」
「ロゼ」「生酒」という特徴が際立って優れているため、トロフィー名に表記を残しました。

個性の豊かなトロフィー受賞酒を紹介!

純米トロフィー:「浅間山 IBUKI」浅間酒造株式会社(群馬県)

「浅間山 IBUKI」浅間酒造株式会社(群馬県)

地元の浅間山に吹く風を表現した一本です。先入観なく飲んでほしいという想いから、アルコール度数以外の情報は非公開としています。穏やかな香りときれいな甘味で、料理とお酒の双方が引き立つ絶妙なバランスが魅力です。

純米吟醸トロフィー:「大雪渓 純米吟醸 D 雄町」大雪渓酒造株式会社(長野県)

「大雪渓 純米吟醸 D 雄町」大雪渓酒造株式会社(長野県)

「地元の人に愛される酒を、より旨く」を掲げる酒蔵。地元・安曇野産の酒米を使用し、完熟したオレンジのような瑞々しい甘味・酸味、さらに爽やかなキレと心地良い苦味が特徴です。

純米大吟醸トロフィー:「七賢 純米大吟醸 白心」山梨銘醸株式会社(山梨県)

「七賢 白心 純米大吟醸」山梨銘醸株式会社(山梨県)

酒蔵曰く「白州の地が生んだ最高傑作」とのこと。地元産の酒米を精米歩合27%まで磨き、さらに1年熟成した逸品です。上品な透明感のある甘味と、重厚でありながらもやわらかい旨味が心に響きます。

本醸造トロフィー:「愛宕の松 県内本醸造」株式会社新澤醸造店(宮城県)

「愛宕の松 県内本醸造」株式会社新澤醸造店(宮城県)

創業以来、地元で親しまれている本醸造酒です。新澤醸造店の他の商品と同様にマイナス5℃の貯蔵管理を徹底しています。後口のキレが抜群の飲み飽きしない食中酒で、冷やしても常温でも温めても楽しめます。

吟醸トロフィー:「陸奥八仙 ピンクラベル」八戸酒造株式会社(青森県)

「陸奥八仙 ピンクラベル」八戸酒造株式会社(青森県)

第一印象は、メロンやバナナのような甘い香り。芳醇な旨味を感じますが、後味はスッキリと軽快。フルーティーな甘味と爽やかな酸味のバランスが良く、冷やしても常温でも魅力を発揮します。

大吟醸トロフィー:「長崎美人 大吟醸」福田酒造株式会社(長崎県)

「長崎美人 大吟醸」福田酒造株式会社(長崎県)

日本最西端の酒蔵で、創業者の『酒造りは、心でつくり、風が育てる』を大事にしています。長崎県産の山田錦を低温でじっくりと発酵させた大吟醸酒で、華やかな香りと心地良い酸味が魅力です。

古酒トロフィー:「寿萬亀 純米古酒」亀田酒造株式会社(千葉県)

「寿萬亀 純米古酒」亀田酒造株式会社(千葉県)

1976年に醸造された、琥珀色が美しい古酒。複雑でありながらも軽やかでなめらかな味わいで、上品な熟成感があります。年2本しか販売しない貴重な一本で、価格はなんと、720mLで55万円。

熟成酒トロフィー:「超特撰 純米大吟醸 残響2018」株式会社新澤醸造店(宮城県)

「超特撰 純米大吟醸 残響2018」株式会社新澤醸造店(宮城県)

宮城県産の酒米・蔵の華を約350時間かけて精米歩合7%まで磨き、さらにマイナス5℃で長期貯蔵した特別な一本です。マスカットやラ・フランスを思わせる上品な甘味と、雑味のない透明感が特徴です。

普通酒トロフィー:「華秋田」株式会社北鹿(秋田県)

「華秋田」株式会社北鹿(秋田県)

吟醸酒の酵母を使用した普通酒。米由来の豊かな旨味を感じる飲み応えがありながらも、華やかな香りとスッキリとした味を楽しめます。なめらかで飲みやすく、日常の晩酌にぴったりなおいしさです。

スパークリングトロフィー:「賀茂鶴 スパークリング清酒 光壽」賀茂鶴酒造株式会社(広島県)

「賀茂鶴 スパークリング清酒 光壽」賀茂鶴酒造株式会社(広島県)

約5年をかけて開発されたスパークリング日本酒。広島県産の山田錦を精米歩合28%まで磨き、米の旨味を感じながらも澄んだ味わいです。瓶内二次発酵の細かな泡が心地良く、上質な時間を演出してくれます。

酒蔵との交流を楽しもう!

「プレミアム日本酒試飲会」では、蔵元や蔵人が日本酒を提供してくれるブースもあるため、造り手の話を直接聞くことができます。酒蔵の方々との交流を通して、商品の背景にあるストーリーを知ることで、さらにおいしく感じられるかもしれません。

試飲会は90分間ずつの2部制。第1部は、試飲会の前に開催されるトークセッションへの参加券が付いたチケットも販売されています。

トークセッションでは、IWCのアンバサダー・平出淑恵さんと、2025年の純米吟醸トロフィーを獲得した大雪渓酒造の代表・薄井惠梨カさんをゲストに、SAKETIMES編集長の小池が、IWCの意義や酒造りの哲学などについて話をおうかがいします。

日本の中心から、日本酒文化を発信!

「プレミアム日本酒試飲会」の会場となる「YUITO 日本橋室町野村ビル」は、野村不動産が運営する都市型の商業施設。レストランなど、プレミアムなサービスを提供するさまざまな店舗が集まっています。

野村不動産の担当者に「プレミアム日本酒試飲会」についてのコメントをいただきました。

2024年の「プレミアム日本酒試飲会」の様子

「野村不動産は、IWCのSAKE部門の公式スポンサーとして、日本酒を通して、全国の酒蔵や地域を応援しています。この『プレミアム日本酒試飲会』では、参加者のみなさまに、世界基準で評価された全国各地の日本酒を楽しんでいただきたいです。

これまでに参加した方々からは『酒蔵の方々と話せる貴重な機会で、日本酒がさらに好きになった』『多種多様な日本酒を自由に飲み比べすることができ、日本酒好きとしてたまりませんでした』『古酒やスパークリングなど、普段は飲む機会の少ない日本酒を飲めて楽しかった』など、たくさんの嬉しい声をいただいています。

酒蔵の方々との交流を通して日本酒の魅力に触れていただき、世界が認めた全国の酒蔵や銘柄を知っていただくことで、日本酒をさらに身近に感じるきっかけになればと考えています。

会場となるYUITOでは、開業以来、『日本(江戸)の伝統文化の継承』を大事にしてきました。これからも、日本酒の伝統や文化のさらなる発展に貢献したいと思います」(野村不動産の担当者)

2024年の「プレミアム日本酒試飲会」の様子

東京メトロの三越前駅から徒歩1分(A9出口直結)という好アクセスも魅力的な「プレミアム日本酒試飲会」。日本酒をたっぷりと楽しんだ後は、YUITO内の飲食店で食事をしたり、日本橋周辺の散策を楽しんだりするのも良いかもしれません。

世界中のプロフェッショナルが評価した日本酒を楽しめる貴重な機会に、ぜひ参加してみてください。

(文:SAKETIMES)

◎イベント概要

  • 名称:プレミアム日本酒試飲会
  • 日時:2025年10月18日(土)
    ・日本酒トークセッション 12:45〜14:00
    ・第1部 14:00〜15:30
    ・第2部 16:30〜18:00
    ※各部入れ替え制。開始時間の30分前から受付。
  • 会場:YUITO 日本橋室町野村ビル 野村コンファレンスプラザ日本橋 6階
    ※受付は5階。
  • チケット種類(料金)
    ・日本酒トークセッション&第1部(4,800円)
    ・第1部のみ(4,800円)
    ・第2部のみ(4,800円)
    ※前売券のみの販売となります。当日券の販売の予定はありません。
  • チケット販売ページ
    e+(イープラス)
    ※定員に達し次第、締切となります。
  • 注意事項:
    ・20歳未満の方はご参加いただけません。
    ・車でのご来場はご遠慮ください。
    ・体調のすぐれない方のご参加はご遠慮ください。
    ・出展銘柄など、イベントの内容は変更になる場合がございます。
    ・「IWC 2025」のすべてのトロフィー受賞酒が提供されるわけではありません。
    ・新型コロナウィルスなどの感染状況によっては、イベントを急遽または予告なく中止・変更させていただく場合があります。
  • 主催:野村不動産株式会社
  • お問い合わせ:03-3277-8200(YUITO運営事務局

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