今年で3年目となる「奥能登酒蔵学校」
全4回を予定している2016年度のプログラムが「方舟 アトレヴィ五反田店」からスタートしました! 今回は、その様子をレポートします。
奥能登酒蔵学校とは?
「奥能登酒蔵学校」とは、石川県能登半島の歴史ある酒蔵との交流を通じて、能登の日本酒と食材を学ぶソーシャルプロジェクトです。奥能登にある6蔵と東京の有志で運営され、フィールドワークを含む計4回にわたる講座で構成されています。
【過去のレポート】
・第一回奥能登酒蔵学校に参加しました!
・奥能登丸かじり!第三回奥能登酒蔵学校に参加してきました!
まずは奥能登酒蔵学校に参画する6つの酒蔵をご紹介します。
◎数馬酒造(代表銘柄:竹葉)
弱冠29歳ながら、奥能登酒蔵学校を牽引する存在の数馬嘉一郎さん。今や奥能登に必要不可欠な存在です。
◎松波酒造(大江山)
とにかく飲むのが大好き!という若女将の金七聖子さん。「酒を飲む」ではなく「米を飲む」という発言がなんとも頼もしい!
◎櫻田酒造(初桜)
金七さんと並ぶ大酒飲みと噂の櫻田博克さんは、ムードメーカー的な存在です。
◎白藤酒造店(奥能登の白菊)
製造副責任者の白藤暁子さんは、癒やし系オーラ満載。白い法被(はっぴ)がよく似合います。
◎日吉酒造店(白駒)
輪島の朝市通りに蔵を構える「日吉酒造店」の日吉智さんは、自称人見知りだそう。
※日本最年少蔵元である「中島酒造店」の中島遼太郎さんは残念ながら欠席でした。
難しいことは考えず、蔵元と楽しくお酒を酌み交わす!
昨年までは能登の文化や歴史についての座学が中心でしたが、今回はざっくばらんに蔵元のみなさんとお酒を酌み交わす交流会形式でした。
まずは、奥能登名物「あばれ祭」用に造られた数馬酒造の「鬼にごり」で乾杯!
難しい話は抜きにして、参加者も蔵元もとにかく飲む!
飲むのが大好きな蔵元が多いのも能登の特徴でしょうか。肩肘張って話を聞くのではなく、蔵元のみなさんと対話を重ねることで、奥能登という地域がより身近に感じられます。
ある意味、お酒のスペックへの固執やうんちく話はNG!? とにかく楽しく、美味しく。
まずはとことん奥能登の地酒を体感し、8月開催の現地フィールドワークに向けて気分を高めます!
本イベントのメインは、七夕に解禁される「夏のにごり酒」のお披露目でした。
「夏のにごり酒」のプロジェクトは今年で2年目。石川酒造組合に加盟する全35蔵のうち19蔵で、七夕にちなんだにごり酒を7月7日に一斉発売し、暑気払いとして飲んでもらおうと始まったそうです。
一部は統一ラベルで発売されており、天の川をモチーフにしたデザインが涼を誘います。スペックは純米もあれば大吟醸もあり、各蔵様々です。それぞれの蔵の個性が表れていて楽しいですね。
能登の夏食材をふんだんに使った料理を堪能
奥能登の日本酒に合わせるのは能登の夏食材を贅沢に使用した料理です。北陸4県に特化した「方舟」ならではですね。
【おしながき】
〜先付〜
- 能登島 赤土野菜のピクルス
- 能登鳥 レバーパテ
〜お凌ぎ〜
- 金時草お浸し
- 甘海老塩辛
- 白梅貝汐炊き
- 野呂げんげ南蛮酢
〜お椀〜
- 岩海苔と加賀生麸
〜向付(輪島漁港より)〜
- 本日の鮮 三種盛り合わせ
- 能登鴨のたたき 柚香漬 能登岩牡蠣
〜焼き物〜
- 釣り烏賊ごろ焼き
〜食事〜
- 能登穴子の冷汁飯
能登名物の深海魚げんげや能登鴨など、能登ならではの食材を最適な調理法で楽しめます。
地元の食を知ると、ますます現地に行ってみたくなりますね!
奥能登酒蔵学校のリーダー・数馬嘉一郎さんにお話を伺いました
24歳で蔵元に就任されて以来、学生が原料米の栽培から関わる日本酒プロジェクト「N-project」に全面協力するなど、地元への貢献を中心に活動されてきた数馬さん。数馬酒造の企業理念は、「心和らぐ清酒(さけ)づくり」「心華やぐ会社(いえ)づくり」「心豊かな能登(まち)づくり」。心和らぐ日本酒を造ることで、会社も家庭も繁栄させ、ひいてはそれらが心豊かな能登(まち)の創造に繋がる。力強い眼差しには、地元・能登のことを一番に想う気持ちが伝わってきます。
3年目を迎える奥能登酒蔵学校のプロジェクトについて「例年よりも形式にとらわれず、蔵元と参加者が深く交流できるプログラムにしていきたい。能登の地酒や風土、文化をより身近に感じていただくためには、やはり人との交流が一番だと思うんです」と語ってくれました。
奥能登6蔵の面々は個性派揃いですが、地元・能登を想う強い気持ちはみな同じ。数年前より意見交換や共同での海外営業などを通して、メンバー同士の連携も深めてきました。そんな彼らの魅力が、そのまま能登の魅力を体現しているようにも感じられます。
今年度は、本イベントの会場にもなった「日本酒スローフード 方舟」を運営する(株)セオリーと連携して運営される奥能登酒蔵学校。夏のフィールドワークのあとには、東京でのイベント、さらに酒造りまっただ中の酒蔵を訪れる冬のフィールドワークも予定されています。奥能登6蔵とセオリーがタッグを組むことで、例年以上に魅力的なプログラムになることでしょう。期待が高まりますね!
とにもかくにも、終始笑顔の絶えない交流会でした! リピーターの方も初参加の方も蔵元と交流を深めることができて、大満足の様子でした。
次回は奥能登で一泊二日のフィールドワーク!
8/27,28には現地・奥能登でのフィールドワークが行われます。酒蔵訪問はもちろん、珠洲焼の酒器作り体験、輪島の朝市や風光明媚な千枚田の観光など、盛りだくさんの内容となるそうです。
「醍醐味は、夏の能登の穏やかな海と豊かな食材、そして奥能登の日本酒とのマッチング! 地酒が生まれる背景と共に奥能登という土地を丸ごと味わっていただきたい。」と、白藤さん。
この機会にぜひ、奥能登の魅力にどっぷり浸かってみませんか?
愉快なメンバーと能登の大自然があなたをお待ちしております!
(文/平井遥)
◎イベント概要
- 奥能登酒蔵学校2016夏のフィールドワーク ~マイ酒器作りと蔵元探訪~
- 日程:8月27日(土)10:00能登空港到着ロビー集合~8月28日(日)16:30能登空港解散
- 会費:2万円(1泊4食付き、体験費用込)
- 定員:20名