新型コロナウイルスの影響により、「家飲み」に対する需要が高まっている現在。以前は居酒屋に立ち寄っていたところを、家でゆっくりとお酒を楽しむようになった方も多いのではないでしょうか。

そんな中、家飲みをワンランクアップさせてくれるアイテムとして人気を博しているのが、さくら製作所の日本酒セラー「ZERO CHILLED(ゼロチルド)」です。「0℃〜22℃まで設定できる温度帯」「温度の上昇を防ぐ特許技術」などが備わっており、日本酒をよりおいしく楽しむことができます。

「ZERO CHILLED」

近年は生酒などの流通拡大により、セラーの大きな特徴のひとつである「低温保管」の重要性をよく耳にするようになりました。しかし、「低温保管をすることで、なぜ日本酒の品質を保つことができるのか」といった点はあまり知られていません。

今回は、日本酒の品質に関する現象として一般的な「老香(ひねか)」にスポットライトを当て、醸造学を研究する専門家の方にお話を伺いました。低温保管の観点から見た、「ZERO CHILLED」の魅力と合わせてお伝えします。

老香の原因となる成分「DMTS」

日本酒に限らず、飲み物や食べ物を保管しておくと、少しずつ味わいや香りが変化していきます。その中でも、日本酒は特に香りの変化が大きいと言われています。

日本酒を飲んでいて、たくあんのような好ましくない香りを感じたことはないでしょうか。この香りが老香であり、酒蔵が意図していない香りである場合がほとんどです。

今回お話を伺うのは、東京農業大学 醸造科学科・數岡孝幸(かずおか・たかゆき)准教授です。まずは老香と、その成分について教えていただきました。

東京農業大学 醸造科学科・數岡孝幸 准教授

東京農業大学 醸造科学科・數岡孝幸 准教授

「一般的に好ましくない香りとされている老香は、さまざまな成分から構成される複合的な香りです。主成分は『ジメチルトリスルフィド(以下、DMTS)』という硫黄を含んだ物質で、これがたくあんのような香りの元になっています」

では、「DMTS」はどのように発生するのでしょうか。実は、「DMTS」の生成機構はまだ完全には判明していないのだそう。ただ、上槽直後の日本酒にはほとんど含まれておらず、貯蔵中の化学変化によって発生することがわかっているといいます。

「現在わかっている範囲だと、『DMTS』の生成には『1,2-dihydroxy-5-(methylsulfinyl) pentan-3-one(以下、DMTS-P1)』という物質が関係しています。この『DMTS-P1』は『DMTS』の元となる物質で、これが貯蔵中に化学変化を起こして『DMTS』が生成されます」

資料の写真

「その後の研究により、『DMTS-P1』は発酵中に増加することから、酵母が関係していると明らかになりました。また、酵母がメチオニンを代謝するときの経路である『メチオニン再生経路』から生じる物質と『DMTS-P1』の構造が似ており、『DMTS-P1』の生成にはこの経路が関係していると考えられています」

最近では、この「メチオニン再生経路」に着目し、「DMTS-P1」をほとんどつくらない酵母の研究も進められているのだそう。「DMTS-P1」が少なければ「DMTS」の生成も少なくなるため、そのような酵母で醸した日本酒は老香が発生しにくいと予想されます。そうなれば、より安定した品質で日本酒を楽しむことができるかもしれません。

また、「『DMTS』の発生を抑える醸造方法の研究も進められている」と、數岡先生は話を続けます。

資料の写真

「酒類総合研究所の研究により、『滓引きによる酵母除去』や『早めの火入れ』などが『DMTS』の抑制につながると考えられています。多くは酒蔵側でコントロールする内容ですが、飲み手としてできることだと『低温保管』が挙げられますね。『DMTS』は貯蔵中に生成されるので、飲み手の保管環境も重要です」

化学反応は高温になるほど促進され、低温であるほど緩やかになります。これに漏れず、低温保管をすることで「DMTS」の生成速度もゆっくりになるため、結果的に老香の抑制につながるのです。

ちょうどいいバランスの「0℃保管」

「DMTS」の存在から、老香を抑制する方法のひとつに低温保管があることがわかりました。

ただ、一言で低温保管と言っても、家庭で再現できる低温には限度があり、保管場所によってもさまざま。マイナス温度帯まで設定できるセラーもある一方、一般的な冷蔵庫であれば冷蔵室の温度は3℃〜5℃ほど。そして、「ZERO CHILLED」が設定できる最低温度は0℃です。

この「ZERO CHILLED」の温度帯について、數岡先生は「家庭用にはちょうどいい」と話します。

東京農業大学 醸造科学科 准教授・數岡孝幸先生

「たしかに、低温であればあるほど『DMTS』の生成速度は遅くなります。ただ、飲む観点から考えると、あまりにお酒が冷えていては味わいを感じづらい側面もある。冷やして飲むお酒が前提になりますが、外に出してから飲みごろになるまでの時間は、マイナス温度帯保管よりも0℃保管のほうが短いので、複数の銘柄を少しずつ楽しむ際などにも適しています。

また、セラーから出したあとに生じる結露も、0℃保管のほうが少ない。部屋に馴染むデザインも相まって、日常的に使うにはぴったりなセラーではないでしょうか」

「低温」と「日常使い」を兼ね備えた、ちょうどいいバランスの保管温度。それが0℃だと、數岡先生は話してくれました。

「ZERO CHILLED」の庫内

また、「一般的な冷蔵庫よりも安心感がありますね」とも。この「安心感」の理由は、「ZERO CHILLED」に搭載されている特許技術「セラーデフロストコントロール」にありました。

セラーデフロストコントロールとは、庫内の霜を取る際に、日本酒の液体温度の変化を最小限に抑える技術。一般的な冷蔵庫では、一定の周期でヒーターを動かして霜取りをするため、その熱で庫内の温度が高まります。一方、「ZERO CHILLED」では庫内の状況を感知し、ヒーターの動作時間を調節することで、一般的な冷蔵庫よりも庫内の温度変化を抑えることが可能です。

これにより、日本酒の液体温度の変化が最小限で済むため、「DMTS」の抑制、ひいては老香の抑制につながります。ほかのセラーにはない、「ZERO CHILLED」ならではの技術です。

「日常使い」に適したセラー

「ZERO CHILLED」

老香の発生を抑えるために、飲み手としては低温保管を心がけたいもの。特に、劣化が進みやすい生酒は、0℃以下での保管がベストとされています。日本酒セラーを導入することで、より日本酒の味わいを長く保つことが可能です。

中でも、「ZERO CHILLED」はスタイリッシュなデザインと機能から、日常使いにぴったりなセラー。品質を心配することなく、並行してさまざまな日本酒を楽しむのに適しているのは「ZERO CHILLED」ならではといえるでしょう。家飲みをもっと豊かにしてくれるその魅力に、ぜひ触れてみてください。

(取材・文:藪内久美子/編集:SAKETIMES)

◎商品概要

  • 商品名:「ZERO CHILLED」(OSK9)
  • カラー:ブラック/ホワイト
  • 価格:70,000円(税込)
  • 収納本数:一升瓶2本+四合瓶6本(四合瓶のみだと9本)
  • 温度管理の種類:1温度
  • 設定温度:0〜22℃
  • 商品名:「ZERO CHILLED」(OSK20)
  • カラー:ブラック/ホワイト
  • 価格: 110,000円(税込)
  • 収納本数:一升瓶6本+四合瓶12本(四合瓶のみだと20本)
  • 温度管理の種類:2温度
  • 設定温度:0〜22℃

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