国内No.1のシェア(※)を誇るワインセラーメーカー・さくら製作所。「お客様のニーズに応えたセラーを」という思いのもと、妥協しないモノづくりを行っています。

そんなさくら製作所は、2020年1月に日本酒セラー「ZERO CHILLED」を発売しました。「2温度管理」「0℃〜22℃の低温管理」「温度の上昇を防ぐ特許技術」など、いつでも最高の状態で飲める機能を追求した次世代のセラーとは、どのようなものなのでしょうか。その開発秘話と、製品に込められたこだわりに迫ります。

※ 2018年~2019年(1月~12月) ワインキャビネットメーカー別販売数量シェア・販売金額シェア全国有力家電量販店の販売実績集計/GfKJapan調べ

"日本にマッチするセラー"を作るために

さくら製作所の設立は2014年。「セラーメーカー」というと老舗を想像しがちですが、実は新興企業です。

代表の穂積亮雄さんは、もともと大手商社でワインセラーを担当していました。独立したきっかけは、「赤ワインと白ワインで保管温度を分けたい」という多くのお客様の声だったといいます。

穂積亮雄さん

さくら製作所 代表・穂積亮雄さん

「ワイン好きのお客様は、『赤と白を異なる温度で楽しみたい』という方がほとんど。しかし、当時のセラーメーカーは、『ワインは熟成させるものだから、赤も白も15℃くらいで管理してほしい』と伝えていました。

そんな状況を見て、『多くのお客様は熟成させたいのではなく、すぐに楽しみたいだけ』なのかもしれないと思ったんです。でも、1台で2温度管理できるワインセラーはない。それなら自分で作ろうと思い、独立を決めました」

そこで穂積さんが意識したのは、"日本にマッチするセラー"。欧米のように広くない部屋に馴染み、四季の温度変化に対応すべく温度調節もできるもの。ユーザーのニーズはもちろん、日本の環境も考えた結果、省スペースや静音、2温度管理、優れた冷却機能などの特徴を実現させました。

日本に住むユーザーのことをとことん考え抜いて作り上げたワインセラーは、予想以上の売れ行きを見せます。生産が追いつかず、発売早々に数ヶ月待ちになったほどでした。

このように、お客様の声に耳を傾け、それをモノづくりに生かしているさくら製作所。その姿勢は、日本酒セラー「ZERO CHILLED」においても一貫しています。

難しいからこそ、やる意義がある

2020年1月に発売されたばかりの「ZERO CHILLED」。そもそも、どうしてワインセラーメーカーであるさくら製作所が、日本酒セラーを開発したのでしょうか。

「ZERO CHILLED」

「ZERO CHILLED」(左:OSK9、右:OSK20)

「これもお客様の声がきっかけでした。『ワインと日本酒をいっしょに保存している』とおっしゃる方が多かったのです。また『日本酒をもっと低い温度で保管できたらいいのに』というご意見も多く、日本酒セラーの開発を決めました」

しかし、日本酒セラーの開発は、穂積さんの想像以上に難しいものだったといいます。

エアコンは「空気」を冷やしますが、セラーは「液体」を冷やします。「エアコンで部屋の温度は下がっても、コップの水は冷えませんよね」と話す穂積さん。技術的には、液体を冷やす方が圧倒的に難しいのだそう。

その上、日本酒の一升瓶もセラーに入れるとなれば、これまでのワインセラーよりも液体の割合がぐっと上がります。そんなセラーをさらに低い温度まで冷やすとなると……これはかなりの難問でした。

加えて、穂積さんにはモノづくりへの強い思いがあります。省スペース・静音・省エネ・デザインなど、すべての面において、従来のセラーより優れたものを目指していました。

穂積亮雄さん

「お客様には、常に最高のモノをお届けしたいのです。それに、簡単に実現できるのではおもしろくないでしょう。簡単にできることは簡単に真似されてしまいますから。難しいからこそ私たちが取り組む意義があり、お客様にも必ず喜んでもらえると信じていました」

冷却力を強くすれば音がうるさくなり、音を抑えようとすると電力が必要となり、省エネを考えれば冷却力が下がる……。開発は、各所のバランスを取ることが肝でした。

日本酒の品質を保つ特許技術

特に苦労したのは、セラーの要である冷却システムだったそう。冷蔵庫は低温冷却で発生した霜をとり、冷気がスムーズに循環するように、ヒーターを動かして「冷やす→温める→冷やす」というサイクルで動いています。

この「温める」という部分がポイントになります。ヒーターの動作時間が長くなれば庫内の温度は上昇し、日本酒の品質が変化してしまいます。そこを解決すべく開発した技術が、「セラーデフロストコントロール」です。

セラーデフロストコントロールの説明の様子

「セラーデフロストコントロール」とは、庫内の状況を感知して、ヒーターの動作時間を最低限にする、さくら製作所の特許技術。この技術が庫内の温度変化を最低限に抑え、日本酒の品質を保つセラーを実現しました。

日本酒のための冷却システムを確立し、妥協しない開発を続けること約2年。ようやく完成したのが、「ZERO CHILLED」です。

「ZERO CHILLED」

業務用基準で開発した圧倒的な冷却力と、庫内の上下で0℃から22℃までを別々に設定できる2温度管理(OSK20のみ)、家庭での利用を考えた静音性・省エネ性・デザイン性が特徴です。まさに、業務用と家庭用の"いいとこ取り"をした日本酒セラー。スタイリッシュなデザインは、部屋のどこに置いても馴染みます。

また、驚くのはその価格です。セラーというとかなり高額なイメージがありますが、「ZERO CHILLED」は四合瓶を9本収納できるモデルが8万円(税別)から手に入ります。20本を収納できる大きなサイズでも12万5,000円(税別)と、かなりリーズナブル。

「これまでのワインセラーの経験がなければ、『ZERO CHILLED』は生まれませんでした。あらゆることが実を結んだセラーだと自負しています」

機能、デザイン、そして価格。すべてにこだわり抜いた日本酒セラーは、さくら製作所の自信作です。

日本酒をさらにおいしく、もっと楽しく

「ZERO CHILLED」の楽しみ方について、穂積さんに伺いました。

穂積亮雄さん

「『ZERO CHILLED』の大きな特徴は、温度帯を2つに分けることができること。さらに、より日本酒の保管に特化した冷却方式を搭載した結果、従来機種と比較して、0℃付近の温度の『安定性』が最も高くなっています。ぜひここを活用していただきたいですね。

例えば、0℃と10℃に設定して、温度別に日本酒を楽しんでいるお客様も多いです。また、特に近年の人気銘柄は0℃程度で冷やして保管すると、グラスの中で徐々に温度が上昇して、味わいの変化をより一層楽しめます。ぜひいろいろな温度を試して、お好みを見つけてみてください」

炭酸水や水を入れておき、お酒といっしょに飲む人も多いのだとか。また、瓶を立てて収納できるので、お気に入りのラベルのクラフトビールを入れて、インテリア代わりにしている人もいるそう。日本酒ファンに限らず、さまざまな用途で楽しむことができます。

「ZERO CHILLED」

最後に、現在開発中のセラーについても教えていただきました。

「お酒もIoT(Internet of Things)管理ができればおもしろいと考えているんです」と話す穂積さん。「IoT」とは、モノをインターネットとつなげることで、私たちの生活をさらに便利にしてくれるという考え方です。お酒がインターネットとつながるとは、どういうことなのでしょうか。

「例えば、ワインは長期保存を前提とするお酒です。ただ、本当に適正な温度管理のもとで10年も20年も保存されていたのか、正直なところ誰にもわかりません。それを解決できるのがセラーだと思うのです。

セラーを通じて過去の保存状態を知ることができれば、ワインの価値も上がりやすくなり、より流通に安心感が生まれますよね。それが当たり前になれば、日本酒にも『保存』という楽しみ方が一般的になって価値が上がり、日本酒の発展に貢献できるのではないかと考えています」

セラーを通じて、日本酒の楽しみ方が広がる。新しい日本酒文化が、ここから始まるのかもしれません。

「ZERO CHILLED」

日本酒は、保存状態によって味が変化するもの。安定して低温保存できるセラーがあれば、いつでも最高の状態で日本酒を味わうことができます。さらに「まだ飲みきっていないから」という心配をせず、新しいお酒と出会うこともできるようになりますね。

「スペースをとる」「高額」など、これまでのセラーのイメージを覆したさくら製作所。日本酒をさらにおいしく、そしてもっと楽しくしてくれる「ZERO CHILLED」を、ぜひチェックしてみてください。

◎「ZERO CHILLED」の詳細はこちら

(取材・文/藪内久美子)

sponsored by さくら製作所株式会社

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