宿選びは、旅の楽しみのひとつ。宿の雰囲気やインテリアはもちろんですが、日本酒好きにとっては「宿でどのようなお酒がいただけるか」も大事な要素です。

そこで、「人生の豊かさを見直すようなかけがえのない体験」を届けながら、日本各地の宿泊施設を厳選して紹介する宿泊予約サービス「Relux」掲載の宿のなかから、日本酒を存分に楽しめる旅館やホテルをピックアップ。

「Relux」を運営する株式会社Loco Partners 広報担当の岡村万理奈さんに、3つのおすすめの宿を選んでいただきました。

山形の旬な食事と楽しむ「山形座 瀧波」

山形座 瀧波

最初に紹介する宿は、開湯920年を迎えた山形県赤湯温泉にある「山形座 瀧波」です。

母屋は、今から350年前に上杉藩で森林の管理をする「山守」を務めた役人・大庄屋の曲がり屋を移築したもの。チェックインスペースでも活用されるラウンジ「1916」は、黒い梁と柱が印象的な伝統建築で、そこに色鮮やかな北欧のデザイナーズ家具が調和しています。

客室は、蔵をリノベーションした「KURA」、庭と桜が臨める「SAKURA」、山形に縁のある作家の工芸品などを配した「YAMAGATA」の3タイプがあり、全客室にはかけ流しの露天風呂が併設されています。

また、温泉に浸かるだけでなく、玄関を出て右手にある「飲泉処」では、温泉の湯を直接飲むことができます。

「山形座 瀧波」

夕食には、料理長自らが摘んだ山菜や食材など山形の旬の味が楽しめます。オープンキッチンで味わう「米沢牛のいちぼ」や「ランプのロースト」は特におすすめです。

山形座 瀧波

この料理に合わせたい日本酒は、「山廃純米酒 La Jomon 麹三倍増醸酒」。

飲食店限定商品で店頭販売がないため、限られた場所でしか味わえない一品です。通常の3倍の量の麹を使った豊潤な味わいで、上質な甘みと酸が広がり余韻を残します。

◎宿泊施設情報

  • 施設名:「山形座 瀧波
  • 住所: 山形県南陽市赤湯3005
  • アクセス:[電車]JR山形新幹線 赤湯駅から車で約5分・[自動車]東北中央自動車道 南陽高畠ICより車で5分

竹林に囲まれた熊本「秘境 白川温泉 山荘 竹ふえ」

秘境 白川温泉 山荘 竹ふえ

次にご紹介する宿は、熊本県白川温泉にある「秘境 白川温泉 山荘 竹ふえ」。

静かな森の中に佇む約5,000坪の広大な敷地内には、数万本の竹林と12室の離れが点在しています。12室の離れには、それぞれ広々とした露天風呂と囲炉裏を併設。囲炉裏の暖かさを感じながらゆっくりと部屋で食事を楽しめます。

また、客室の露天風呂とは別に、100%源泉かけ流しの貸切露天風呂が敷地内に点在。目の前に広がる竹林を眺めながら、湯船で日本酒を嗜むという至福の時が過ごせます。

秘境 白川温泉 山荘 竹ふえ

竹林に囲まれた庭園「THE GARDEN TAKEZONO」にはバーやカフェが併設され、冬期以外の夜にはヴァイオリンなどの演奏会が行われることもあります。

秘境 白川温泉 山荘 竹ふえ

竹林が作り出す四季折々の景観を眺めながら飲みたいおすすめの日本酒は、熊本県・花の香酒造の「花の香 純米大吟醸 桜花」です。

花のように香り高く米の旨味が広がりながらも、後味のキレがよい透明感あるお酒。新鮮な魚介類や熊本県産のお肉など幅広い料理と相性が良く、料理の味を引き立てます。

◎宿泊施設情報

  • 施設名:「秘境 白川温泉 山荘 竹ふえ
  • 住所:熊本県阿蘇郡南小国町大字満願寺5725-1
  • アクセス:[車]熊本ICから約1時間40分、湯布院ICから約1時間、日田ICから約1時間

酒蔵をリノベーションした「NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち」

NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち

最後に紹介するのは、JR奈良駅から徒歩約12分にある「NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち」です。

創業150年を迎えた奈良豊澤酒造の元酒蔵をリノベーションして、2018年にオープンしたブティックホテル。蔵や茶室など日本家屋の美しさと伝統を残しながらも、現代的な快適さも兼ね備えています。趣きを存分に活かした全8室からは、随所に職人の意匠が感じられます。

NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち

食事は、母屋の土間を改装したダイニングで。高い天井やむき出しの梁から、酒造りが行われていた当時の雰囲気が感じられ、カウンター式のテーブルからは、目の前で魚が焼き上がる音や木を燻す香りなどが楽しめます。

NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち

「SAKE HOTEL」をコンセプトに掲げる「NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち」では、奈良豊澤酒造の日本酒と、地産地消のフュージョン料理のペアリングが楽しめます。

おすすめの日本酒は、奈良豊澤酒造の「豊祝 大吟醸 氷温一年熟成」。山田錦を35%まで精米し、さらに氷温で1年熟成することにより米の上品な旨みを引き出した、香り高く風味豊かな大吟醸酒です。

このお酒は、目の前で杉板に火をつけココットの中で瞬間燻製する「大和雌牛 杉板焼き 3種の薬味」とのマリアージュが絶品。杉板と大吟醸の豊かな香り、熟成による酒の旨味と大和牛の旨味が調和し、奥深い味わいが広がります。

◎宿泊施設情報

日本酒好きの旅の醍醐味は、その土地の食材を使った料理と一緒に、その土地で造られた日本酒を楽しむこと。それを美しく快適な宿で楽しめたなら、他にいうことはありません。

非日常の体験がどれだけ素晴らしいものかを身を持って実感した今、次の旅では日本酒と一緒に楽しめる旅の予定を組んでみてはいかがでしょう。

(文:SAKETIMES)

◎取材協力

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