春らしくポカポカとした陽気の4月14日は、熊本地震からちょうど1年目を迎えた日。「CRAFT SAKE WEEK 六本木」8日目のテーマは「九州男児の日」として、被災地応援の意味も込め、九州の蔵元10蔵が集まりました。

  • 「鍋島」富久千代酒造有限会社(佐賀)
  • 「前」古伊万里酒造有限会社(佐賀)
  • 「ちえびじん」有限会社中野酒造(大分)
  • 「瑞鷹」瑞鷹株式会社(熊本)
  • 「六十餘洲」今里酒造株式会社(長崎)
  • 「東一」五町田酒造株式会社(佐賀)
  • 「田中六五」有限会社白糸酒造(福岡)
  • 「庭のうぐいす」合名会社山口酒造場(福岡)
  • 「鷹来屋」浜嶋酒造合資会社(大分)
  • 「大賀」大賀酒造株式会社(福岡)

九州男児がこだわる地元産米!米の旨みに酔いしれる

美味しいお酒と料理が魅力の本イベント。九州男児である酒蔵のみなさんに、日本酒や蔵のことなどをお聞きしました。

「前(さき)」(古伊万里酒造/佐賀)


古伊万里酒造専務の前田悟氏

-「前(さき) 」はどんなお酒ですか?
蔵人みんなが酒造りの目標を共有し、毎日意見を交わしながら、仲良く造ったお酒です。飲む人みんなに笑顔になってもらいたいですね。

-本日のテーマ「九州男児の日」について、ひとことお願いします。
九州にも美味しいお酒がたくさんあることを知ってほしいですね。なかでも、佐賀は日本酒で乾杯を推進する条例を制定している県です。「佐賀ん酒」をどうぞよろしくお願いします。

「ちえびじん」(中野酒造/大分)

-イチオシのお酒を教えていただけますか?
「ちえびじん」の代名詞とも言える、地元・杵築(きつき)市の山田錦で造った「ちえびじん 純米吟醸 山田錦」です。パーカーポイントで90点以上をいただくことができました。限定品ではなく通年販売のお酒ですので、仕事終わりなど日常酒として楽しんでいただけるのではないかと思っています。

-蔵の自慢はどんなところでしょうか?
地下200mから汲み上げる蔵の仕込み水です。軟らかく甘みのある水の特徴を大事にしながら、優しい甘味と綺麗な酸のあるお酒を造っています。

-本日のテーマ「九州男児の日」について、ひとことお願いします。
日本酒を通じて九州の元気をアピールしたいです。また大分の「ちえびじん」を、多くの方に飲んでほしいです。

「瑞鷹(ずいよう)」(瑞鳳株式会社/熊本)


瑞鷹株式会社取締役の吉竹氏

-蔵イチオシのお酒を教えていただけますか?
化学肥料・農薬を一切使わず自然農法栽培で育てた八代産の酒米「吟のさと」で仕込んだ「純米吟醸酒 崇薫(すうくん)」です。食中酒として飲んでほしいお酒です。

-本日のテーマ「九州男児の日」について、ひとことお願いします。
弊社も昨年の地震で被害にあっており、今日は地元の熊本でも復興イベントが行われています。ご支援をいただいたおかげで、なんとか造りも出荷もできるようになりました。復旧はまだ途上ですが、酒造りを頑張って、熊本から全国のみなさんに、美味しいお酒を届けたいと思っています。

「田中六五(たなかろくじゅうご)」(白糸酒造/福岡)


白糸酒造の田中氏

-「田中六五(たなかろくじゅうご)」はどんなお酒ですか?
なめらかな米の旨みを感じる、やさしい喉越しのお酒です。

-蔵の自慢はどんなところでしょうか?
糸島は山田錦の産地。蔵は山田錦の水田に囲まれています。素晴らしいお酒、日本酒を愛してください!

「六十餘洲(ろくじゅうよしゅう)」(今里酒造/長崎)

-蔵イチオシのお酒を教えていただけますか?
「六十餘洲 純米吟醸 山田錦」です。上品な吟醸香と綺麗な旨み、そしてバランスの良さが特徴です。

-蔵の自慢はどんなところでしょうか?
地元の米で、手作りにこだわって造っています。九州以外の地域でも、九州のお酒を飲んでほしいです。

「東一(あずまいち)」(五町田酒造/佐賀)

-蔵の自慢はどんなところでしょうか?
すべて地元産の原料を使って造っています。

-お酒の特徴を教えていただけますか?
蔵人が自分たちで育てた米を使い、米の旨みを出すように造っています。料理にも合うお酒です。味のしっかりしたお酒が好きな方はぜひ飲んでみてください。

ミシュラン一つ星レストランとのマリアージュを堪能

「九州男児の日」ということで、佐賀県伊万里市生まれの吉武広樹氏がオーナーシェフを務める、フランスのミシュラン一つ星レストラン「Restaurant Sola」がフードブースを出店。「華見鳥の直火焼きと白アスパラ」と、古伊万里酒造の「前(さき)」をいっしょにいただきました。肉の旨みと、やや甘みのある「前(さき)」の旨みが合わさって、口の中に幸せが広がります。

日本酒セラー「The Cellar “Sake Master”」お披露目!

中田英寿氏が開発に関わった、日本酒セラ―「The Cellar“Sake Master”」の展示もこの日から始まりました。セラーは3部屋の構造になっていて、上部のタッチパネルで、各部屋ごとに-5~15℃まで温度帯を設定することができます。4合瓶で合計36本、1升瓶で16本の収納が可能です。

六本木という街のおかげか、それともお洒落な会場のおかげか、日本酒がスタイリッシュにかっこ良く見えました。今まで日本酒に馴染みがなかった方にとっても、日本酒を楽しむきっかけを感じさせてくれるイベントだったのではないでしょうか。

(文/小林健太)

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