2019年6月15日(土)・16日(日)の2日間にわたり、岡山県倉敷市で「宴joy(エンジョイ)備中地酒フェス」が開催されました。
このイベントは、岡山県内の醸造所の半数が集中し、古くから備中杜氏の歴史がある備中地域の魅力を味わってもらおうと企画されたもの。「地元の人に地元の日本酒を楽しんでもらうこと」をテーマとしています。
14の醸造所と10の飲食団体が倉敷市芸文館に集合し、2日間にわたってブース出展が行われました。
会場は、倉敷市美観地区にほど近い、倉敷市芸文館の広場です。入場チケットの購入は不要で、各ブースにて日本酒や料理を現金で購入します。
試飲酒はプラカップで提供されますが、先着300名が購入できる記念グラスを使うこともできます。日本酒は1杯60ml程度で、価格帯は200~300円程度。気軽にさまざまな種類のお酒を楽しむことができ、とてもお得感があります。購入した日本酒や料理は、屋台ブースの向かい側にあるテントスペースでいただくことができました。
各蔵の個性が光る岡山・備中酒
1日目の6/15(土)は、あいにくの雨模様。天気の影響もあってか、屋台ブースでは待つことなく注文することができ、飲食用のテントの座席にも余裕がみられました。お客さんもまばらではありましたが、雨をしっかり避けつつ、のんびり座って日本酒と料理を楽しむことができました。
2日目の6/16(日)は、前日の悪天候から一転、朝から気持ちの良い晴れの天気。風もそよぎ、適度に冷えた日本酒を屋外でくいっと飲むには最高のコンディションです。
屋台ブースは行列が続出、飲食用テントも常時満席です。
さっそく、各酒蔵ブースを回ってみました。
デニムの産地として有名な倉敷市児島の酒蔵「三冠酒造」。
1日目は、熱燗を振舞って荒天の寒さを癒してくれるという粋なはからい。2日目は、冷やで飲んでほしいという主力ラインナップでブースを盛り上げていました。
倉敷市にある当イベント会場から徒歩数分の場所に蔵を構える「森田酒造」。お土産に最適な大きさの500ml瓶の日本酒をはじめ、どれを選ぶか悩みがつきない魅力的なラインナップでした。
岡山県総社市の「ヨイキゲン」。主力銘柄「碧天」を中心としたラインナップもさることながら、岡山県産フルーツを使ったリキュールカクテルが人気でした。日本酒の合間に飲みたい、フルーティでさわやかなお酒です。
岡山県高梁市の「芳烈酒造」。しなやかで柔らかい口当たりの日本酒が特徴的でした。
岡山県倉敷市の「渡辺酒造本店」。主要銘柄の「夢倉敷」が中心のラインナップです。
岡山県総社市の「三宅酒造」。意外にも主要銘柄「粋府」ではなく、地元の人も初めて味わうであろう、蔵の新たなチャレンジ酒が並べられていました。
岡山県井原市の「山成酒造」。主要銘柄を中心に、大胆なラベルデザインが目を引きます。
岡山県倉敷市の「熊屋酒造」。主要銘柄の「伊七」は、倉敷市のお土産としてよく見かける日本酒です。
岡山県高梁市の「白菊酒造」。主要銘柄は「大典白菊」です。
岡山県倉敷市の「菊池酒造」。主要銘柄は「燦然」です。
岡山県浅口市の「嘉美心酒造」。主要銘柄は「嘉美心」です。
2018年に起きた西日本豪雨水害の被災地・真備町から出店した「真備竹林麦酒醸造所」のクラフトビールも、行列が絶えないブースでした。
日本酒をまんなかに地域の人々が笑顔で集う
1日目の悪天候にもかかわらず、2日間合わせて1,600人もの来場があった「宴joy備中地酒フェス」。
アンケートをみると、県外からの来場者は約1割程度。イベントのテーマに掲げていた「地元の人に地元の日本酒を楽しんでもらうこと」への結果は残せたといえるでしょう。
入場無料で未成年の来場制限を設けていないことが、地域のお祭りのような雰囲気をつくったのかもしれません。そのおかげか、日本酒イベントには普段訪れない人たちも気軽に立ち寄れるイベントになりました。特に、2日目の会場では和やかに過ごす親子連れが多く見られました。
次回は、2020年5月後半から6月前半ころに開催予定とのこと。備中の酒を地元の人に楽しんでもらうイベントとして、これからの開催にも期待が高まります。
◎取材協力
- 「宴joy備中地酒フェス」実行委員会 事務局(地酒バル「粋酔日(すいようび)」内)
◎参加醸造所
- 森田酒造
- 渡辺酒造本店
- 菊池酒造
- 熊屋酒造
- 三冠酒造
- ヨイキゲン
- 三宅酒造
- 嘉美心酒造
- 白菊酒造
- 芳烈酒造
- 三光正宗
- 平喜酒造(15日のみ参加)
- 山成酒造(15日のみ参加)
- 真備竹林麦酒醸造所(ビール)
(文/山本清子)