こんにちは。日本酒作家で、奈良県在住SAKETIMESライターの栗本です。
毎年11月14日に、お酒の神さま、大物主大神が祀られている大神神社(おおみわじんじゃ)で行われる醸造安全祈願祭(酒まつり)
いつもおいしいお酒を飲めること、みなさまにお酒の魅力をお伝えできることに感謝して、お酒の神さまに拝礼してきましたので、その様子をお伝えします。

お酒を愛する蔵人が集まる「醸造安全祈願祭」とは?

大神神社で行われる醸造安全祈願祭、通称「酒まつり」とは、「全国でおいしいお酒が醸造され、酒造界の発展と繁栄を祈るお祭り」です。
全国の酒蔵の社長さんや工場長、杜氏など、お酒を愛するみなさんが参列され、醸造の安全を祈願します。

お祭りでは、宮司がおいしいお酒が醸されるよう、祝詞を奏上、神楽「うま酒みわの舞」が奉納され、その後、全員が活日神社(いくひじんじゃ)にお詣りし、杜氏の祖神にうるわしい新酒が醸されるように祈られます。

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ずらりと並ぶ一升瓶が圧巻!全国銘酒展

酒まつりに合わせて、境内では「奉献 全国銘酒展」も行われています。

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全国の酒蔵から、大神様に酒造安全と発展を祈ってお供えされたお酒が、拝殿前の廻廊にずらりと並べられています
これだけの一升瓶が並べられると、まさに圧巻です。

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杉の枝を球状に束ねて、玉のようにして造られた「しるしの杉玉」も吊るされています。
美酒が醸造されるようにと、祈り掲げられるものです
酒まつりがすむと、全国の酒造会社や酒蔵に新しい杉玉が授与されます。

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振る舞い酒をいただいてお酒の神様に感謝!

参拝者には、おひとり様1杯のお酒が振る舞われています。

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・加賀鳶
・ねのひ
・白鶴
・三諸杉
・月桂冠
(順不同)

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大きな樽から、三輪山の刻印がある升に注いでいただきます。
升の角に乗せた「清めの塩」を少し舐めて一緒に飲みましょう。

神さまからの贈り物、三輪山から湧き出た「御霊水」を和らぎ水に

振る舞い酒をいただくと、酔いがまわってくることもあります。
そんなときに大切な「和らぎ水」。
コンビニなどで購入してもいいのですが、せっかくなので今回は、三輪山から湧き出た「御霊水」をいただきました。

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こちらは信仰のお水であり、神様からの贈り物です。
酒まつりでなくても、普段からいただけますが、ミネラルウォーターではないので、湧き出る水量には限りがあります。
おひとりで大量に持ち帰ることなく、分かち合っていただきましょう。

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普段なにげなく飲んでいるお酒ですが、そこには美酒を醸造されるようにと、酒造界が発展・繁栄するようにと、さまざまな想いが込められています。
だから、芳醇な香りがしたり、ほろ苦かったり、甘かったり、味わいもさまざまなのでしょうか。
一年に一度の酒まつり。
お酒の神様に祈りを掲げ、今日もおいしくお酒をいただけることに感謝します。

 

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