こんにちは!テイスティング専門家の永木三月です。
普段は、『永木三月のテイスティングログ』というブログを拠点に、お酒の試飲会などの食べ物が集うイベント、おいしいお店の紹介をしています。
また、定期的に「おいしいもの味覚鑑賞会」という食べ比べの会を開催しています。テイスティングの楽しさ、おもしろみを伝えることが、私の目標です!こちらでは、日本酒と絡めて、魅力的な味わいをたくさん発信していけたらと思っています。
今回のテーマは、9/19(土)に銀座のアンテナショップ『銀座NAGANO』で開催された「諏訪地酒祭!〜諏訪九蔵飲み比べ」。イベントの様子と、おいしい地酒を紹介いたします!
酒蔵数全国第2位! 品質にこだわる酒米作りをする長野県
長野県は、酒蔵数が全国第2位に位置するなど、日本酒どころとして有名です。
水をはじめとして自然に恵まれている他、新たな酒造好適米を開発してきた地としても知られています。
今回試飲させていただいた日本酒の多くが「美山錦」というお米を使用して作られていますが、これは昭和末期に長野県で開発され、現在では県外でもさまざまなところで使用されている酒米です。山田錦などと違い、寒冷な場所に適した性質を持ちます。「美山錦」の他に、「金紋錦」や「ひとごこち」などの品種も長野で開発されており、その開発力の高さは目を引きます。
また長野県は「原産地呼称管理制度」を、いち早く導入した県でもあります。これは、品質の高い農産物、製品を公に認定する制度であり、ヨーロッパなどでは早くから取り入れられてきた制度でもあります。簡単にいえば、良いものを後世まで残すことや、多くの人にその良さを知らせる役割を担っているのがこの制度で、長野県は日本酒以外に米やワイン等でもこれを取り入れています。
それでは、そんな品質にこだわった長野の日本酒を、今回の試飲会から2つご紹介しましょう。
1.『宮坂醸造』の「真澄 YAWARAKA TYPE-1」
長野の地酒として屈指の知名度を誇る「宮坂醸造」の「真澄」。今回いただいた中でおもしろかったのは、「YAWARAKA TYPE-1」(写真一番右)という、今年の8月に発売したばかりだというお酒です。
四合瓶で1000円強と手頃ながらも、クリアな奥行きのある味わいでした。筆者は食中酒として日本酒を飲むことがあまりないのですが、このお酒は上質な普段使いのお酒として、非常に魅かれました。
ちなみに「真澄」の酒蔵は、今回いただいた「本金」や「麗人」、「横笛」、「信州舞姫」と非常に近い距離にあり、「諏訪五蔵」の名で、季節の飲み歩きイベントなども企画しているそうです。長野の日本酒を代表するホットなスポットだといえるでしょう。興味がある方はぜひ行ってみてください。
2.「豊島屋」の「神渡 きぬごし梅酒」
諏訪大社の神話から命名されたという「神渡」は、水からお米まで信州の厳選素材を使って造られているという日本酒だそうで、今は若い蔵人の方を中心にお酒造りをなさっているそうです。
紹介するのは、「神渡 きぬごし梅酒」。素材の甘みがプレーンに感じられ、日本酒らしい爽やかな味わいが新鮮な梅酒です。梅酒は蒸留酒(焼酎)などで作るものが一般的とされていますが、日本酒でつくったという梅酒は、コクもさることながら、その爽快さが特徴的です。日本酒好きの方なら、こういうお酒も目先が変わって楽しめるのではないでしょうか。
日本酒30種ちかく!地酒にしぼった穴場イベント
今回参加したこの試飲会は、何と無料で30種近いお酒をいただくことができるイベントでした。 日本酒をテーマにした大々的なイベントと異なり、こうした地酒にしぼったイベントは、細々と開催されていることが多いため、日本酒好きにはまさに穴場といえるかもしれません。酒蔵の方と話せるのも、日本酒通にはたまらない体験でしょう。
自分の生まれ育った土地のお酒を飲みに行くのも面白いかもしれません。興味のある方は、ぜひイベントに出かけてみてください!
この記事は、テイスティング専門家の永木三月がお届けしました! みなさんの、さらに豊かな日本酒ライフに貢献できれば幸いです! 「おもしろそう」「おいしそう」、そう思ったら、シェアしてもらえると嬉しいです!
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