日本酒は本当に"強いお酒"?
「日本酒が好き」と言うと「お酒、強いんですね」という反応が返ってきた経験がある人は少なくないでしょう。「日本酒が好き=酒豪」と思われるのは、"日本酒は強いお酒"というイメージが定着しているからかもしれません。
では本当に、"日本酒は強いお酒"なのでしょうか?
具体的にアルコール度数で見てみましょう。日本酒のアルコール度数は、銘柄などによって差はあれど、15%前後が平均です。
たとえば、新潟を代表する地酒のひとつ「久保田 千寿」も、アルコール度数は15%です。
多くの日本酒はアルコール度数が15%前後ですが、中には20%近い銘柄もあります。なお、酒税法上「清酒」を名乗るためには「アルコール度数22%未満」と定められています。
日本酒のアルコール度数は、ほかのお酒に比べて高い?
ほかのお酒のアルコール度数を見てみましょう。
- ビール 5%前後
- シャンパン 11%前後
- ワイン 15%前後
- 焼酎 20〜25%前後
- ウィスキー 40%前後
- ウォッカ 40%前後
- テキーラ 40%前後
ビールはアルコール度数が5%前後と、ほかのお酒に比べてやや低め。「乾いた喉を潤すためにゴクゴク飲む」「ジョッキでおかわり」そんなイメージが強いのは、低めのアルコール度数が関係しているのかもしれません。
たしかに、ビールをジョッキでおかわりすることはあっても、日本酒をジョッキで飲むことはほとんどありませんね。
日本酒専門店が推奨する「日本酒の飲み方」
日本酒を飲むとき、いっしょに飲む水を「和らぎ水」と呼びます。洋酒でいう「チェイサー」の役割があります。
「『水ください』なんて、かっこ悪い」と思う人もいるでしょうか。ですが、日本酒にこだわるお店の多くでは、日本酒といっしょに「和らぎ水」を提供してくれます。日本酒とほぼ同量か、倍量の水を飲むのがおすすめ。和らぎ水を飲みながら、美味しい日本酒を心ゆくまで味わってください。
低アルコール日本酒も浸透中
最近では日本酒のバリエーションが驚くほど増えています。シャンパンのような微発泡日本酒や、ロゼワインを思わせるピンク色の日本酒など実にさまざまです。
そんな新定番のひとつが、低アルコール日本酒。アルコール度数5〜12%の低アルコール日本酒が各蔵から続々と発売され、人気を集めています。
低アルコール日本酒は、これまで日本酒に苦手意識があった人からも「飲みやすい」と支持され、日本酒ファンの裾野を広げています。また、低アルコール日本酒の中には、炭酸ガスを含んだ「スパークリング日本酒」も多く、シャンパングラスに注いで乾杯したり、喉が乾いたときに軽快に飲み干したり......これまでとは異なるシーンで楽しまれています。
"日本酒は強いお酒"と構えることはありませんよ。和らぎ水といっしょに飲めば、ほろ酔いの心地良い時間が長く味わえますし、アルコール度数の低い飲みやすいものもあります。ぜひ、日本酒を気軽に楽しんでください。